3月5日、その日9時ごろ自宅を出て、江戸川に向かった。すでに気温は11℃であった。
3月に入り、気持ちの上でも、春めかしいが、実際に寒さは感じなかった。ただ走っていると、風があるのか、ゴッーという風の音だけが絶え間なく聞こえていた。
市川側の土手を走り、先ずカワズ桜の花びらが落ちていないことを確認した。「満開は過ぎている筈なのに、まだしっかり咲き誇っているな」と思った。
行徳橋を渡り、旧江戸川を新川まで駆け抜けた。新川の側道を中川まで走り、中川と荒川の合流地点辺りを通り、荒川河口に行きつき、河口橋を渡り、新木場に着いた。
そこから昨年の晩秋に発見した海沿いのサイクリングロードを若洲公園まで走った。
その道は松林に囲われ、左手に海、右手に京葉線や東京メトロの巨大な操車場の間にあった。操車場を抜けると、今度はヘリコプターの巨大な空港となっていた。
海は、どこまでも続き、ヨットが浮かび、遥か彼方には貨物船が浮かんでいるが見えた。
その道は若洲公園までとその先とが若洲大橋で仕切られていた。
若洲大橋から海を見ると、練習中のヨットが10隻ほど、海面に浮かび、訓練のためなのか、時々ホイッスルが聞こえた。「もう、そういう季節なのか」と思った。
若洲公園に入ると、更に海の景色が濃くなっていった。右側はゴルフコースで、ガードの金網越しにプレイする人々の気配が感じた。
更に海に近づくと、海鳥が波に揺られて漂っている様が身近に見ることができた。
更に走ると、椰子の木の向こうにあの特徴ある「ゲートブリッジ」の姿が見えてきた。
その日は、橋には昇らず、1メートルはあろうかというごつごつした岩の上に乗って、その橋の姿をスマホに納めた。
その岩に登って、多くの釣り人が、竿を垂らしていた。
その日は、そこから引きっ返し、若洲大橋から先は、海っ縁の細い道を海鳥の動きを見ながら走った。
時折、人が座り込み、その海を見ている情景に出っくわした。
うみどりは、空を軽快に駆け巡っていた。手元の時計は11時40分ごろを指していた。気温は14℃であった。
そこから、荒川河口橋を渡り、荒川を遡ると、行く時も目についた「太鼓の練習に励む3人組」がまだ熱心に練習していた。少し離れて「笛」を吹く音も聞こえた。
大きな音を出す、ドラムの練習や金管楽器の練習風景を首都高速の下あたりで、よく見かける。
その日は、そのまま来た道を引きっ返し、江戸川に入ると、今度は東京都側の土手を走り、家路へと急いだ。
自宅に戻ると1時頃で、厚着をしていたせいか、肌着が汗で濡れていた。
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