【隅田川シーズンズ】
初夏を求めて新宿御苑に(その159)
周囲をプラタナスの並木に囲まれて、その色彩は更に鮮やかに引き出されていた。 真っ青の空には、白い綿雲が絵の様に浮いていた。 色とりどりの薔薇が所狭しと咲き誇り、初夏の風景の中に溶け込んでいた。 ふと気が付くと、欅林の片隅に、紫陽花の花も水みずしく咲いていた。 季節の移り変わりの実感が迫っていた。 暫らく、新宿門の方向へ歩いてゆくと、スズカケノ木や日本では珍しいラクウショウの並木があった。 ラクウショウの木の元には、タケノコのような気根が並んでいた。 新宿御苑には、何度も足を向けてきたが、季節ごとにその顔が変わっていた。 相当の年数を経た大木を基調に、和風庭園、フランス、イギリス庭園、台湾風の建物が織りなして、様々な趣を演出していた。 2時間ほど歩くと、初夏の真っ青な空とその日差しに煽られて、体全体がすでに汗ばんでいた。 新宿門辺りから、今度は千駄ヶ谷門に引きっ返し、その鬱蒼とした別世界から、JR千駄ヶ谷駅に辿り着き、そのまま自宅へ戻った。 戻る |