貴ノ富士に自主引退の処分・暴力問題と大相撲(9月27日)
日本相撲協会は26日の定例理事会で、付け人への暴力行為が告発された千賀ノ浦部屋の十両・貴ノ富士に関する協議を行った。結果は「自主引退を促す」けん責処分。事実上の「引退勧告」と言える厳しいものだ。
同時に千賀ノ浦親方にも6カ月間の20%報酬減額という懲戒処分が下されている。広報部長の芝田山親方(元横綱大乃国)は「本当は外に出したくなかったがあまりにも悪質な言動」と語った。貴ノ富士はご存じの通り、元貴乃花部屋の関取。...
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日本相撲協会は26日の定例理事会で、付け人への暴力行為が告発された千賀ノ浦部屋の十両・貴ノ富士に関する協議を行った。結果は「自主引退を促す」けん責処分。事実上の「引退勧告」と言える厳しいものだ。
同時に千賀ノ浦親方にも6カ月間の20%報酬減額という懲戒処分が下されている。広報部長の芝田山親方(元横綱大乃国)は「本当は外に出したくなかったがあまりにも悪質な言動」と語った。貴ノ富士はご存じの通り、元貴乃花部屋の関取。貴乃花の協会引退に伴い貴景勝らとともに千賀ノ浦部屋に移籍してきた力士の一人である。その師匠が協会を去る原因となったのがほかならぬ十両に昇進したばかりの貴ノ富士(当時・貴公俊)による暴力事件だった。この際には翌場所の出場停止処分を受け幕下に陥落。その後改名し、幕下で優勝するなど地力をつけて一年かけて十両に戻って来たばかりだった。二度目の暴力事件ということで、八角理事長からも当初から厳しい発言が出ており、先場所も謹慎処分で全休していた。もしこのまま処分が覆らなけなければ土俵を去ることになるのは免れそうにない。千賀ノ浦部屋では寛大な処分を求めているが、本人が27日会見開く予定だ。
これまでもたびたび暴力問題で揺れてきた相撲界。今回の一件は被害側と貴ノ富士側の主張が食い違っており、事実関係を断定するのは躊躇われるが、事件の再発を防げなかった協会側のコンプライアンス体制は必ず問われることになろう。一方で相撲部屋独特のしきたりになかなか馴染まない新弟子の教育に苦慮しているという親方衆の話も聞かれる。令和の新時代に合った部屋の在り方の模索がより一層求められる。
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「誰よりも野球が好き」阿部慎之助が引退会見(9月26日)
読売ジャイアンツの正捕手として19年間プレーした阿部慎之助が現役引退の記者会見を行った。会場に集まった100人もの報道陣は背番号「10」の“ABE“Tシャツを身に着け、拍手で稀代の名捕手を迎えた。「何かしている時も多分心の中には野球のことしかなかったんじゃないかと思う」そう現役生活を振り返るこの男は、誰からも愛された頼れる存在だった。
東都大学1部で強打の捕手として活躍していた阿部は2000年、シドニー五輪に出場。...
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読売ジャイアンツの正捕手として19年間プレーした阿部慎之助が現役引退の記者会見を行った。会場に集まった100人もの報道陣は背番号「10」の“ABE“Tシャツを身に着け、拍手で稀代の名捕手を迎えた。「何かしている時も多分心の中には野球のことしかなかったんじゃないかと思う」そう現役生活を振り返るこの男は、誰からも愛された頼れる存在だった。
東都大学1部で強打の捕手として活躍していた阿部は2000年、シドニー五輪に出場。その直後の11月、ジャイアンツを逆指名してドラフト1位で入団した。新人でいきなり開幕スタメン出場すると初打席でタイムリーを放ち大抜擢に応えてみせる。そのまま1年目からレギュラーに定着。07年には4番に座り、同年からジャイアンツの第18代キャプテンも努めた。
阿部の代名詞と言えば「強肩・強打」だ。ベストナイン9回、ゴールデングラブ4回の実績は伊達ではない。2017年に通算2000安打を達成。今年6月には本塁打数が400本に到達している。これはキャッチャーでは野村克也以来史上2人目の快挙だった。彼をジャイアンツ史上最強の捕手と評するファンは多いだろう。
24日のタイガース戦では最終回に代打で登場。1歳年下の藤川球児との最後の対決に臨んだ。結果はフルスイングの三振に終わったが、甲子園のファンからの大きな歓声に見送られてグラウンドを後にした。試合後ナインに現役引退を報告。涙で言葉を詰まらせながらも、最後は「一緒に日本一になって僕の有終の美を飾らせてください」と訴えた。CS、そして日本シリーズでの阿部の最後の雄姿を括目して見届けたい。
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西武ライオンズが2連覇・CS進出球団も決定(9月25日)
久し振りの大混戦となったペナントレース。ついにセパ両リーグともに優勝チームが決定した。22日にジャイアンツが5年ぶりにセリーグ制覇を果たしたのに続き、パリーグでも24日、M2としていたライオンズが勝利。2年連続23度目の優勝で辻監督が千葉の空に舞った。
この日行われたマリーンズvsライオンズ(千葉)、イーグルスvsホークス(仙台)という優勝を争う2チームが絡む24日のゲームは非常に大きな意味を持っていた。...
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久し振りの大混戦となったペナントレース。ついにセパ両リーグともに優勝チームが決定した。22日にジャイアンツが5年ぶりにセリーグ制覇を果たしたのに続き、パリーグでも24日、M2としていたライオンズが勝利。2年連続23度目の優勝で辻監督が千葉の空に舞った。
この日行われたマリーンズvsライオンズ(千葉)、イーグルスvsホークス(仙台)という優勝を争う2チームが絡む24日のゲームは非常に大きな意味を持っていた。まずライオンズが勝利し、ホークスが敗れた場合はライオンズの優勝が決まる。逆にホークスが勝利し、ライオンズが敗れた場合はホークスに優勝マジックが再点灯するという状況だった。それだけではなくそれぞれの対戦相手(マリーンズ・イーグルス)にとってもCS進出がかかった絶対に負けられない一戦。各チームの思惑が複雑に交錯するなか同時刻にプレーボールを迎えた。
試合が先に動いたのは千葉。まずライオンズが2回に一挙5点を奪い早くも大量リード。20本塁打以上の打者5人を揃える強力レオ打線が火を噴いた。一方仙台の試合はホークスがチームトップ13勝のエース・千賀をマウンドに送り込み必勝態勢。ホークスは1点を先制し優位に試合を進めていく。ところが6回エラーで出塁を許した後、ウィーラーに痛恨の逆転2ランを浴びてしまう。その後継投した甲斐野も追加点を許す厳しい展開に。それでも最終回の攻撃で満塁の好機を作り、2点差まで迫ったが最後は松井に抑えられ万事休す。12点を奪い大量リード中だったライオンズの優勝はこの時点で確定していたと言えるだろう。結局そのままマリーンズが敗れたためイーグルスの3位も決定。2年ぶりのCS進出となった。この結果により、パリーグの年間順位も確定。来月5日からのCS1stステージを迎えることとなる。
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新体操フェアリージャパン・史上初の種目別金(9月24日)
アゼルバイジャンで行われていた新体操世界選手権は22日閉幕した。日本代表は団体総合で44年ぶりとなる銀メダルを獲得。さらに種目別ボールでチームのベストスコアをマークして、団体で史上初めてとなる金メダルを獲得した。
今回1種目のボールでの金メダル獲得は、その後のフープ・クラブの演技に集中させる配慮から終了後まで選手たちには知らされなかった。そのフープ・クラブでも前回に続き2位に入り、今大会で合計3つのメダルの獲得となった。...
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アゼルバイジャンで行われていた新体操世界選手権は22日閉幕した。日本代表は団体総合で44年ぶりとなる銀メダルを獲得。さらに種目別ボールでチームのベストスコアをマークして、団体で史上初めてとなる金メダルを獲得した。
今回1種目のボールでの金メダル獲得は、その後のフープ・クラブの演技に集中させる配慮から終了後まで選手たちには知らされなかった。そのフープ・クラブでも前回に続き2位に入り、今大会で合計3つのメダルの獲得となった。キャプテンの杉本早裕吏は「ロシア、ブルガリア、イタリアの3強に負けないというのをこの世界選手権で見せられた」と満面の笑顔で胸を張る。これまで種目別での最高順位は2位。長年3強の壁を破れずにいたが、念願の表彰台の頂点に立った選手たちの目には光るものがあった。
前回の世界選手権では団体で5位という結果に終わった日本。3位までに与えられる東京五輪への出場権を逃し帰国後、杉本は「悔しい気持ちの方が大きいです」と肩を落としていた。その後、新体操王国ロシアで半年間の合宿を敢行。昨年のルール改正で上限が無くなった高難易度技を次々とプログラムのなかに取り入れていく。選手たちは演技での呼吸を合わせるため、食事も一緒にとるなど日常生活でも常に行動を共にしてきたという。その培ってきた心と心の繋がりが、一年後の大舞台で数々の連携を成功させることに結び付いたのだろう。
見事自力で出場権を確保したフェアリージャパン。「みんなが後悔しない練習をして東京五輪で金を目指していきたい」(杉本)。華麗に舞う妖精たちは、更なる高みへと挑み続ける。
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御嶽海、2度目の優勝・大関獲りへの足掛かり(9月23日)
大相撲九月場所は、史上初の関脇同士による優勝決定戦となった。中日八日目までに白鵬、鶴竜の両横綱が途中休場。混戦模様となった優勝争いは三敗力士の三人に絞られていた。
迎えた千秋楽、まず貴景勝と隠岐の海の直接対決は、既に大関復帰を確定させている貴景勝が一気の寄りで完勝。勝ち残りの土俵下で結果を待つ。すると御嶽海も遠藤を電車道で寄り切り、12勝で貴景勝と並ぶ。2017年の秋場所以来2年ぶりの優勝決定戦の実現となった。...
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大相撲九月場所は、史上初の関脇同士による優勝決定戦となった。中日八日目までに白鵬、鶴竜の両横綱が途中休場。混戦模様となった優勝争いは三敗力士の三人に絞られていた。
迎えた千秋楽、まず貴景勝と隠岐の海の直接対決は、既に大関復帰を確定させている貴景勝が一気の寄りで完勝。勝ち残りの土俵下で結果を待つ。すると御嶽海も遠藤を電車道で寄り切り、12勝で貴景勝と並ぶ。2017年の秋場所以来2年ぶりの優勝決定戦の実現となった。
共に突き押し相撲の二人。八日目の対戦では鋭い低い体勢で当たった貴景勝が一方的に押し出している。御嶽海はこの一番を「15日間で最低の相撲だった」との反省から、支度部屋で目を閉じて精神集中。決定戦では自分らしい厳しい踏み込みで貴景勝を一気に土俵外に運び、昨年名古屋場所以来2度目の優勝を決めた。敗れた貴景勝が鼻血を出し、取組後に思わず胸を抑える程の強烈なぶちかましだった。三役在籍の最長記録を更新しながら、なかなか勝ち星が二桁に届かず足踏みが続いていたが、ようやく大関獲りに向けての起点とすることが出来た。是非このチャンスをものにしてもらいたい。
今場所は関脇・小結5人とも全員勝ち越しするなど三役陣の活躍が目立った。そのため、西前頭筆頭で御嶽海の同年のライバル・北勝富士が9勝を挙げているが、上の番付に空きがないという状況だ。また、横綱・鶴竜を破り、御嶽海と共に殊勲賞を受賞した前頭2枚目の朝乃山も二桁の星を修めている。朝乃山は御嶽海にも完勝しており、かなり実力を上げてきた。九州場所はいよいよ新時代の到来となるかもしれない。
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