道なき道は未知の道④(第17回)
先日の横アリの流出音源(たぶんすぐ消される)を聴く機会があったのだが、PCから流れてるSU-METALの声を聴いてつくづく感じた。「この子はさらに進化している!」と。
机上のお粗末なスピーカーで聴いても、以前と比べて表現力が格段に豊かになっている。この子にリミッターはないのか? この先どこまで成長していくのか、ほんとに底知れないSingerだと感心してしまう。
やはり
最高のSU-METALは、最新のSU-METAL
ということらしい。...
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先日の横アリの流出音源(たぶんすぐ消される)を聴く機会があったのだが、PCから流れてるSU-METALの声を聴いてつくづく感じた。「この子はさらに進化している!」と。
机上のお粗末なスピーカーで聴いても、以前と比べて表現力が格段に豊かになっている。この子にリミッターはないのか? この先どこまで成長していくのか、ほんとに底知れないSingerだと感心してしまう。
やはり
最高のSU-METALは、最新のSU-METAL
ということらしい。
ただ初日の横アリを聴く限り、初お披露目だった『ららら(仮)』と『せいやそいや(仮)』は、出だしの音程が少し不安定だった。この両曲は、どちらも歌い出しがとても難しい、一言でいうと音が取りにくい。こんな曲を歌わせる運営側も酷だが、でも2番になったら正確に歌えていたので、その点はさすが。2日目の音源は聴けなかったが、今後歌いこんでいけば、さらに良くなることだろう(相変わらずの上から目線ですまんこつです)。
ということで、先回の続き。
2015年9月19日(土)、20日(日)、21 日(日)の3日間にわたってお台場で開催された『ULTRA JAPAN 2015』の中日。
ステージ上ではEDM界の大スターDJ・Skrillexのステージに突然BABYMETALが登場し、サプライズで『ギミチョコ』をワンコーラス披露。お台場に集まった数万人の観客を一瞬唖然とさせ、そして熱狂させた。
ところで。
ULTRA JAPANってなに?
Skrillexってだれ?
おじさんは知らないのだけれど……。
で、ちょっと調べてみた。
UMF(ULTRA MUSIC FESTIVAL)は1999年にマイアミで始まったEDMの祭典。これまでスペイン・アルゼンチン・ブラジル・チリ・クロアチア・南アフリカ・韓国・コロンビア、そして2014年からは「ULTRA JAPAN」としてお台場特設会場で開催されている。(Wikipediaより要約)
EDMとは、平たくいえばエレクトロポップなダンスミュージック。
よくクラブなどでみんなが踊っているあれだ。
(クラブ↓)ではなく(クラブ→)。おじさんは発音注意。
EDMはいま世界で今もっとも勢いのある、端的にいえば稼げているジャンルらしく、2014年度の市場規模は約19億ドル(約2256億円)。
(ちなみに日本の音楽ソフト市場の総売上額は2,934.3億円、前年比11.3%減<2013年オリコン調べ>)
つまりひとつのジャンルだけで、日本の総売上高に拮抗している。
そしてSkrillexさんは、EDM界でいまトップクラスの人気と稼ぎを誇る、グラミー賞も受賞した超有名なDJの一人、らしい。
YouTubeで確認してみたけど、その盛り上がり方はすさまじい、の一言。
2015年のマイアミでのライブの様子が、UMFの公式ページで紹介されている。↓
https://youtu.be/F0xoBUDUYyo
このイベント、日本ではほとんど知られていないし、マスメディアが紹介することもないようだが(私が知らないだけ?)、お台場でBABYMETALが登場した場面が動画サイトに多数アップされているので、全体の雰囲気はつかむことができる。ま~盛り上がっていること!
クラブ音楽なので、客層はメタラーでもアイドルオタクでも一般人でもない。いわゆるイマドキのイケてる若者たち? オヤジ的視点からいわせてもらえば、キャバイねえちゃん、チャライにいちゃんばかりだ。
こうしたジャンルやファン層へも、BABYMETALは乗り込んでいくのか、と驚いた。
もともとBABYMETALの楽曲には、あちこちにEDMの要素が散りばめられている。だからEDMの方向に向かうのも道理といえば道理なのだが、客層がまったく違う。
運営は攻めるなあ、というのが率直な感想。3姫も大変だろうに。このプロデューサーは鬼か! とか思うほどだ。
しかし海外メディアの反響を見ると、この出演は大いに意味があったようだ。欧米でのEDMフェスはすでに数十万人規模の観客を集め、スターDJの動画再生回数は億単位に達するという。今回のお台場のフェスも、海外の多くのメディアやファンカムを通じて、BABYMETALの存在も世界のEDMファンに広く認知されたことだろう。
アイドルでもメタルでもEDMでもポップスでもない。そしてそのすべてでもあるBABYMETAL。あらゆるジャンルのファン層を底引き網のように総取りして、めざすのはBABYMETALという巨大なファン層の創造と獲得。
BABYMETALチームが掲げている『The One』とは、そういう意味もあるのかもしれない。そう思うと、BMチームの描く壮大な構想に身震いするほどだ。
そして、この挑戦を可能にしているのが、3姫、4神、作詞作曲編曲、そしてチームスタッフ全員による不断の努力と極上のパフォーマンスにあることは、いうまでもない。
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道なき道は未知の道③(第16回)
ここのところ、いろいろと最新の発表が出てくる。
来年(2016)5月、BABYMETALは5月4日のニューヨークから同月14日のウィスコンシンまで、計7箇所のアメリカツアーを実施する予定とのこと。しかもこれは東海岸のみ。後日、西海岸の予定も発表されるらしい。すでにシカゴとデトロイトのチケットはソールドアウト。いよいよ本格的、全面的なアメリカ進出である。
アメリカ進出のきっかけとなったのが、Sonisphereの翌年(2015年)5月16日、オハイオ州コロンバスで開催されたメタルフェス「ROCK ON THE RANGE」への参戦だろう。...
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ここのところ、いろいろと最新の発表が出てくる。
来年(2016)5月、BABYMETALは5月4日のニューヨークから同月14日のウィスコンシンまで、計7箇所のアメリカツアーを実施する予定とのこと。しかもこれは東海岸のみ。後日、西海岸の予定も発表されるらしい。すでにシカゴとデトロイトのチケットはソールドアウト。いよいよ本格的、全面的なアメリカ進出である。
アメリカ進出のきっかけとなったのが、Sonisphereの翌年(2015年)5月16日、オハイオ州コロンバスで開催されたメタルフェス「ROCK ON THE RANGE」への参戦だろう。
集まった観客数は12万人以上と、BABYMETALが参加した歴代フェスのなかでは最大規模。しかしこの時も、前評判ではコアなメタル原理主義者やヘイターたちにより、今後こそオールアウェイの中、ステージにペットボトルが投げ込まれるのではないかと懸念されていた。
もともとアメリカはけっこう保守的なお国柄で、外国の文化をなかなか受け付けない。しかも建前はともかく、隠然とした差別社会でもある。東洋から来たティーンエージャーが本場アメリカでメタルを演ることに、かなりの抵抗と反発があると予想されていたのだ。
この時もネットでは現地に赴いた日本人ファンにより、ライブの様子が逐一ネット中継されていた。多くの否定的な前評判を聞いていた日本国内のファンは、固唾を呑んでPCやスマホを見入っていたに違いない。そしてライブが始まってからしばらく経った後、「どうやら受け入れられているらしい」という第一報に、ほっと胸をなでおろしたのである。
そしてさらに、次々とファンカム映像や写真がネットにアップされ、“受け入れられている”どころではなく、数えきれないサークルモッシュとクラウドサーフが出現した様子が拡散する。こうして後になってみれば、イギリスと同様、熱狂と興奮の嵐だったことが判明した。
サブステージであるのにもかかわらず、メインステージの3倍という超満員の観客を集め、数々の伝説的な有名バンドと記念写真を撮り、各メディアのレビュー記事やフェスの運営側からも観客をもっとも沸かせたバンドとして絶賛された。つまり、大勝利だったのだ。こうしてBABYMETALは、アメリカのメタルマーケットに大きな足跡を残すこと成功した。
そして再びイギリス。
同じ年の2015年の8月29日、30日の二日間にわたって開催されたロックフェス「READING AND LEEDS FESTIVALS 2015」で、BABYMETALはまたまたメインステージに登場。とはいえランチタイムと重なるオープニングアクト、つまり深夜まで続くステージの、昼ごろ始まる最初のバンドなので、やはり集客が懸念されていた。
たが、蓋を開ければ2日間で述べ9万人の観客数。その様子も写真や動画像で多数アップされているが、まるで地平線の彼方まで観客が集まっている様子(ちょっと大げさ)はまさに壮観。先日放送された葉加瀬太郎とのラジオ番組(12/19 19時 J-WAVE「ANA WORLD AIR CURRENT)でも、MOAMETALは「一生忘れられない光景」と振り返っていた。
こうしてオープニングアクトとして「READING AND LEEDS FESTIVALS」史上最年少にして史上最大の観客を集め、BABYMETALはこれまた大勝利を収めたのだった。
しかもこのフェスの客層はメタルでなく、普段はポップスを聞いているような、普通の、行儀の良さそうな、紳士淑女の予備軍のような健全?なイギリスの若者たちが多数を占めていた。もともとこのフェスはMETALではなく、あくまで音楽のイベント。
日本好きのいわゆるkawaiiヲタクでもなく、メタルファンでもない彼らが、BABYMETALに熱狂したことは特筆に値するだろう。この段階でBABYMETALは、アイドル+メタル+これまでにない何か? へと新しいステージに歩み始めたという印象を抱かせたのである。
そしての進化(変化?)をさらに感じ取ることができたのが、2015年9月20日に開催された東京・お台場におけるEDMのビッグイベント『ULTRA JAPAN 2015』だった。
(つづく)
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道なき道は未知の道②(第15回)
縮小する日本市場に見切りをつけ、活路を開くとしたらやはり海外である。
しかし言うは易し。ことはそう簡単ではない。
これまで多くの日本人ミュージシャンが、日本での人気を支えに海外市場に挑戦したが、残念ながら目立つような活躍はできなかった。ピンクレディー、松田聖子、宇多田ヒカル、ドリカム、AKB…、いずれもいろいろと残念な結果に終わっている。
一方で、かつてのLOUDNESSやBorisなどは、海外でそこそこの人気を集めたが、逆に日本で注目されることはほとんどなかった、というカテゴリーもある。...
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縮小する日本市場に見切りをつけ、活路を開くとしたらやはり海外である。
しかし言うは易し。ことはそう簡単ではない。
これまで多くの日本人ミュージシャンが、日本での人気を支えに海外市場に挑戦したが、残念ながら目立つような活躍はできなかった。ピンクレディー、松田聖子、宇多田ヒカル、ドリカム、AKB…、いずれもいろいろと残念な結果に終わっている。
一方で、かつてのLOUDNESSやBorisなどは、海外でそこそこの人気を集めたが、逆に日本で注目されることはほとんどなかった、というカテゴリーもある。つまり
①日本で人気
②海外だけで人気
この2分類があるということになる。
やはり日本と海外では、曲の傾向、嗜好、つまり音楽文化のものは別物で、両者には越えがたい壁がある、ということらしい。
ただし最近は第三の分類が登場している。
③逆輸入で日本でも人気
日本ではそこそこの人気だったPerfume、きゃりーぱみゅぱみゅ、Kalafinaなどは、海外である程度の成功をおさめ、逆輸入されることでさらに人気を高めている。
ただ日本での人気をバネに、というよりは、YouTubeや海外に流出した動画やアニメによって認知され、人気に火がついたようだ。やはりネットの影響は大きい。
そもそも外国の人にとって、日本で人気があるかどうかはあまり関係ない。楽曲やパフォーマンスがどれだけ刺さるか、それが最大の人気要因になるからだ。
そして日本の音楽業界の常識をひっくり返し、③の分類で圧倒的なパワーを発揮して東西の音楽文化の壁を壊しつつあるのが、BABYMETALだ。
つまり
④日本でも海外でも人気
これは新しいジャンルである。
日本と外国で、同時並行的に人気を高めるバンド(ユニット)はこれまでなかった。そしてこの道なき道を切り開いているのが、BABYMETALなのだ。
まず日本でコアなファンを掴み、
海外に行って人気を高め、
逆輸入で日本でも人気を高める。(←いまここ。まだ始まったばかり)
しかしそうはいっても、ことは簡単ではない。ただ勝負は、やってみなくてはわからない。そしてやってみないとはわからないことを、あえてやり続けているところが、BABYMETALチームの凄いと思えるところだ。
2014年4月、女性では史上最年少の武道館2Dayを大盛況のうちに終えたBABYMETALは、同年7月、イギリス最大級のメタルの祭典、Sonisphereのメインステージに立った。
しかしその時だって、勝算があったとはとても思えない。運営側は勝負に出たのだ。
Sonisphereに限らず、メタルフェスというのは、客の支持を得られなければ、小水入りのペットポトルや泥団子爆弾が雨あられと降ってくる過酷な現場。
実際にアイドルっぽいユニットが散々な目にあっている様子を動画サイトで見たことがある。いやほんと、酷いもんです。
そんな一寸先は闇、板下一枚抜ければ地獄の世界で、果たして初見参のBABYMETALに、イギリスのメタラーたちはどのような評価を下すのか。
その時の様子は、当時の掲示板やtwitterのやり取りで今でも再確認することができる。BABYMETALのファンたちが、キリキリするような緊張と不安に押しつぶされそうになりながら、現地からの情報を固唾を呑んで見守っている様がひしひしと伝わってくる。
それは3姫たちも同じだったろう。
今でこそ、ステージ上で青山神と変顔対決をするなど余裕をこいているMOAMETALだが、この時だけはその表情も真剣そのもの。もちろんYUIMETALも同様だ。
ただこの不安と緊張のなかでも、一人不敵な笑みを浮かべているのがSU-METAL。この娘は一体どうなっているんだ?
そして約30分のステージか終わった後、結果はご存知の通り興奮と絶賛の嵐。
BABYMETALは6万人の観客を熱狂の渦に巻き込み、かつて日本人として誰も成し遂げたことのない大成功をおさめる。そしてここから伝説が始まった。
この成功でイギリスのBABYMETAL人気に火がついた。その後、同月The Forum、11月O2アカデミー・ブリクストン、そして2016年4月のウェンブリー・アリーナへと続いていくわけだ。
ただし世界最大の音楽マーケットであるアメリカは、また話は別。
勝負はSonisphereの翌年、2015年アメリカのオハイオで開催されたこれも世界最大級のメタルフェス「Rock On The Range 2015」で、BABYMETALは再びその真価を問われることになった。
(つづく)
お詫びと訂正と言い訳とお知らせ
◯先回、「東京ドームでのライブ開催は女子グループ最年少記録?」といったようなことを書いたが、正確にはSPEEDが記録保持者でした(当時はみな中・高校生だった)。BABYMETALは来年、女子大生? と女子高生だから、ちょっと及ばなかったね。
ただ当時はベストテンをはじめ歌番組がたくさんあったし、バラエテイやらタイアップやらで、SPEEDを観たり聴いたりしない日はないという状況だった。
それだけSPEEDは凄かった。時代が違うといえばそれまでだが、でもそうした外部露出がほとんどないのにここまで来たBABYMETALも凄い。ということで丸くおさめていただければ幸いである。
◯12/25(金)、テレビ朝日「MUSIC STATION SUPER LIVE 2015」(19:00~ 23:10 )にBABYMETAL出演。今年最初で最後?
昨年もこの番組に出て「I.D. Z」を披露したのだけれど、イントロ・間奏なしの超短縮バージョンで、神バンドの演奏もアテフリだったのでちょっとがっかり。さて今年はどんな扱いになることやら。
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【番外編】横アリに行ってきた(第14回)
12月12日(土)、横浜アリーナで開催された「BABYMETAL WORLD TOUR 2015 ツアーファイナル」に参戦してきた。
新横浜の駅に着くと、そこかしこにBABYMETALのTシャツを着た人が。
こちらもワクワク感が、いやが上にも高まっていく。
アリーナはまだ入場前。こちらはシート席(座席指定)だったので、ピット専用口の混雑ぶりを余裕で眺めながら、物販コーナーへ。ただこちらも長蛇の列。...
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12月12日(土)、横浜アリーナで開催された「BABYMETAL WORLD TOUR 2015 ツアーファイナル」に参戦してきた。
新横浜の駅に着くと、そこかしこにBABYMETALのTシャツを着た人が。
こちらもワクワク感が、いやが上にも高まっていく。
アリーナはまだ入場前。こちらはシート席(座席指定)だったので、ピット専用口の混雑ぶりを余裕で眺めながら、物販コーナーへ。ただこちらも長蛇の列。後ろにお父さんと一緒に来たらしい5歳くらいのツインテの女の子がいてかわいかった
30分ほどで物販コーナーに到着したが、窓口も人の波。かなり売切れもあったようで、結局なにも買わずに退出。開場も始まったので、アリーナのなかに。
入口正面に、花束が飾ってあった。小学館は「ちゃお」由来か? まだつながっているんだ、とちょっと驚く。
WOWOWの花束もあった。来春、今回のライブを放送するとのこと。WOWOWさん、キラーコンテンツを押さえたね。
会場に入ると、ピット席はかなりのすし詰め状態これで“おしくらまんじゅう”はきついだろうな、とシート席から同情する。
混みすぎていたからだろうか、ライブ中でもピットでは小さいサークルモッシュがいくつかできる程度。ただシート席もライブ開始直後からオール・スタンディングになってしまったので、今日はふくらはぎが痛い。
セトリは、まさかの新曲2曲!
先回の幕張でイントロだけ流れた「ららら(仮)」がフル曲となって披露された。
プログレっぽくて、個人的にはかなりのお好み傾向曲。
それともうひとつが、空手やカンフーの動きをダンスに取り入れた曲。まったくの新披露で、メロディなどほとんど覚えていないが、ゆいもあのダンスがえらくかわいかったことだけ脳裏に焼き付いている。今後の公式音源化、映像化に期待。
「あわだまフィーバー」、「違う(仮)」を含めると、新参さんには都合4曲の新曲プレゼント。これは嬉しかったろうな。
ビットは若い男性ばかりだったが、シート席はカップルや女性のグループ、コスプレした女子高校も多かった。メタルのライブとしては、女性参加率はかなり高いほうだろう。それにここでも、ツインテした5歳前後の女の子が数人ちょろちょろしていた。
そして、70歳超と見える老夫婦のお姿も。この年代の幅広さは、いかにもBABYMETALだなぁと、感じ入る。
ライブの内容だが、やはりSU-METALの歌(声)はとてつもない。
この迫力は、ライブでしか体験できないとつくづく再確認する。
また神バンドの新しいインストも披露され、その超絶技巧で観客を沸かしていた。
毎度のMCなし、アンコールなし、ぶっ続けの15曲、90分。
いくら若いとはいえ、超絶のダンスをしながら目一杯歌うのだから、体力的にも本当にすごいね、この子たちは。
最後はRORの大合唱、そしていつものWe are BABYMETAL、See Youで終了。
あっという間の濃密な時間は過ぎ去り、しばし呆然としながら、アリーナを後に帰路についたのでした。
いろいろと感じること、思うこと、考えることはあったが、まだ未整理状態なのでそれは後日また。
ということで、今回はただのライブ雑感でした。
補足
ネットで確認したところ、翌日の最終日12月13日(日)のライブACT2の最後に、衝撃の新発表が2つ程あったようだ。
・BABYMETAL、2ndアルバム発売!
2016年4月1日(金)に世界同時発売! とのこと、この日はイギリスのウェンブリー・アリーナでの1万人超ワンマンライブ前日。Amuse、やるなぁ。
前回のアルバムから約2年経過。しかも当初は、国内販売のみだった。輸入盤やダウンロード販売だけで、いろいろと世界でランキングされてしまったのだから、世界同時発売だと、どんな騒ぎが起きることやら。
・東京ドームワンマンライブ決定!
つ、ついに東京ドームでライブ! ということは5~6万人規模!? これもまた女子最年少記録ではないのか?
「ワールドツアー2016のツアーファイナル」という名目なので、また世界を賑わしてからの年末の凱旋公演、という位置づけか? 詳細は後日発表とのこと。まだまだこれから衝撃的な発表が待っていそうで楽しみだ。
告知URL(Official):https://www.youtube.com/watch?v=GIFryaIY1VM
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道なき道は未知の道①(第13回)
つい先日発表されたアメリカの音楽雑誌『Loudwire』で行われたファン投票企画『The 5th Annual Loudwire Music Awards』において、BABYMETALは17部門中3部門にノミネートされ、AC/DCやSlipknot、Slayer、Iron Maiden、Bring Me the Horizonなどなど、並み居る重鎮、中堅、有望新人バンドをぶっちぎりで引き離し、圧倒的な投票数を集めた。...
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つい先日発表されたアメリカの音楽雑誌『Loudwire』で行われたファン投票企画『The 5th Annual Loudwire Music Awards』において、BABYMETALは17部門中3部門にノミネートされ、AC/DCやSlipknot、Slayer、Iron Maiden、Bring Me the Horizonなどなど、並み居る重鎮、中堅、有望新人バンドをぶっちぎりで引き離し、圧倒的な投票数を集めた。内訳は以下のとおり。
・Best Metal Song of 2015:BabyMetal ‘Road of Resistance’ 78.23%
・Best Live Act of 2015:BabyMetal 75.29%
・Most Devoted Fans:BabyMetal 58.8%
(参照URL:http://loudwire.com/5th-annual-loudwire-music-awards-complete-winners-list/)
いずれも投票率50%以上、とはすさまじい。他の19バンドで残りの20~50%を分けあったのだから、圧倒的すぎる。
しかも、なぜSU-METAL(中元すず香)がBest Metal Vocalist
of 2015にノミネートされていないんだ、という不満も聞こえてくる。でもまぁ、来年以降のお楽しみということでとっておこう。あまりに勝ち過ぎて回りから恨みをかうのはよくないと、と孫子先生もおっしゃっています。
また最近発行されたイギリスの老舗ロック雑誌『CLASSIC ROCK』の2015 The Best of year(年末特別号)の表紙には、Jimmy Page(レッド・ツェッペリン)やKeith Richards(ローリングストーンズ)、David Bowie、BB Kingなどの超大御所たちに囲まれて、ど真ん中にBABYMETALが掲載されていた。どうやら"The Best Of The Year 2015"に選ばれたらしい。これも凄い。
(参照URL:
http://www.babymetalnewswire.com/2015/12/03/classic-rock-magazine-babymetal-what-is-it-all-about/)
海外、とくにHR/HMの本場であるアメリカとイギリスで、これほどの注目と人気を集めた日本のバンド(ユニット)はかつていなかったろう。
なぜこんなことが起きているのか?
ビジネス的にみた成功要因を、ブルーオーシャン戦略やアンカー・マーケティングの観点から解説する評論家先生がちらほらいるようだが、どれもピンと来ない。はっきりいって的外れだと感じている。
なぜ彼女たちは、雄々しく歩み続けることができているのか?
その大きな理由は、BABYMETALは“道なき道”を、あくまで“攻め”の姿勢で走り続けているからだ。
道なき道とは、どんな道なのか。なぜBABYMETALチームは成功できているのか。
相変わらずの斜め上目線で、雑感など言わせていただく。
ただしその前に、日本と世界の音楽市場をざっと眺めておきたい。
すると“攻め”なければならない大きな理由が見えてくる。
ひとつは国内市場の縮小だ。
日本の音楽市場は、実は世界第2位という高い位置にある。
1位 アメリカ 49.0
2位 日本 26.3
3位 ドイツ 14.0
4位 イギリス 13.3
5位 フランス 8.4
※単位は米億ドル 卸売価格ベース 2014年平均レート108円で換算
(参照URL http://www.garbagenews.net/archives/2149390.html)
ただアメリカやイギリスは英語圏ということもあり、当然、マーケットはほぼ世界。しかし日本は当然だが日本語なので、基本的に市場は国内のみに限られる。でも1億2000万人もいると、そこそこの市場規模にはなる。つまり日本の音楽ビジネスは、国内だけを相手にしていても、商売として十分に採算がとれる。だからあえて、世界に勝負に出ようとはしない。出る必要もない、これまでは。
しかし、日本は高齢化、少子化を背景に、音楽市場も縮小を続けている。このままではジリ貧である。打開の方策はないのか。
その時こつ然と現れ、成功を収めつつあるのが、BABYMETALだ。
運営側も含めた、彼ら彼女たちが掲げる「道なき道」という「未知なる道」とは、一体どんな道なのか。
キーワードはたぶん、世代間、ファン層、ジャンル、パフォーマンス、共創、共鳴、戦い、そして『The One』。
BABYMETALの行く末には、日本の音楽、ひいてはコンテンツ業界全体にとっても、多くの指針が含まれていると思う。
なので、これまでのBABYMETALの歩みを振り返りながら、それらのテーマを横断的に、迷走的に、探ってみたい。
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