米国でドローン、5G開発促進(6月23日)
アメリカでは無人飛行機・ドローンの商業用開発が進められている。2021年までに私用で3倍、商業用ドローンは10倍の44万台まで拡大すると試算している。また、現在の4Gネットワークの10倍以上の通信速度となる次世代移動通信システム「5G」の開発も進められており、2020年までのサービス開始を予定しているという。米国のドローン技術は国境警備や農業等にも活用できるほど進んでいるが、法整備で後れを取っているのだと企業幹部は指摘する。...
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アメリカでは無人飛行機・ドローンの商業用開発が進められている。2021年までに私用で3倍、商業用ドローンは10倍の44万台まで拡大すると試算している。また、現在の4Gネットワークの10倍以上の通信速度となる次世代移動通信システム「5G」の開発も進められており、2020年までのサービス開始を予定しているという。米国のドローン技術は国境警備や農業等にも活用できるほど進んでいるが、法整備で後れを取っているのだと企業幹部は指摘する。22日トランプ大統領はドローンや通信メーカー幹部らをホワイトハウスに招き米国経済をけん引する技術革新を焦点に会談を行う予定だという。
トランプ大統領はジェネラル・エレクトリック、ハネウェル、AT&Tやドローンメーカー各社(Kespry、AirMap、Airspace、Measure UAS、Trumbull Unmanned、PrecisionHawk等)、更にベンチャー企業らとホワイトハウスで技術向上による雇用拡大に関する会合を開く。
マイケル・クラチオス副最高技術責任者(科学技術政策局)は、マスコミに対し会合の目的は「経済成長をけん引する新技術開発で米国のリーダーシップを維持する事」だと述べた。無人航空機、ドローン、5G(第5世代移動通信システム)といった新技術の開発と商業化を促進を目指すという。
オバマ前政権では、小型ドローンを使った研究や教育、商業利用が広まった。トランプ政権ではドローンの使用を操縦者の手の届かない範囲までのデリバリーまで活用範囲拡大を検討しているが、安全性の問題をクリアーする必要があるという。
今年3月、連邦航空局(FAA)は2021年までに小型の私用目的のドローンは3倍に、商業用ドローンは10倍の44.2万台になると試算。昨年、連邦通信委員会(FCC)は超高速次世代移動通信システム・5G開発と試験を進め、2020年までのサービス開始を予定している。次世代通信は、現在の4Gネットワークの最低でも10倍の通信速度となると言われており、バーチャル手術や機械の遠隔操作を可能とする技術向上が期待されている。更に、遠隔操作による温度管理や洗濯機を回す等モノのインターネット( Internet of Things)の実現性が広がる。
ホワイトハウスでは科学技術政策局(OSTP)主催の会合が開かれ、PayPal創業者の元側近クラチオス副最高技術責任者の指揮で行われる。トランプ大統領は科学技術政策局の科学補佐官をまだ指名していない。
会合には25社の幹部や投資家が参加する。(start-ups AirMap, Airspace, Kespry, Measure, and PrecisionHawk、大手企業からはAT&T, GE, Honeywell, Microsoft, and Sprint等)
「AirMap」社のベン・マーカスCEOは、「ドローンの商業目的使用の規制緩和が早まる事を期待する」と述べている。ドローンの技術は貨物運送や国境警備、公共インフラ、農業などに活用できるほど既に技術が進んでいるのだが、米政府の計画では2025年までにドローンを使用した航空交通管理システムを整備する計画に留まっているのだという。
他国では、日本、スイス、ニュージーランド、ルワンダでドローン関連法規整備が早く進んでいるのだとマーカスCEOは指摘する。「AirMap」社のアプリを使い、ドローンのパイロットは安全な飛行可能地域を認識でき、状況の変化やイベント開催等による一時通行規制などに即座に対処できるのだという。
一方、他のドローンメーカー「Kespry」社のジョージ・マシューCEO兼会長は、「ドローンや高速インターネット普及は、現在のブルーカラー労働者の支援となる。自動運転自動車が走るのは20,30年先でない。」とし、ドローン整備により労働者が危険で汚れる仕事から解放されるのだと述べた。
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米新興企業、超音速旅客機による飛行を2023年に実現か?(6月22日)
米国コロラド州デンバーの航空ベンチャー企業であるブーム・テクノロジー社は、パリ航空ショーで、新型の超音速旅客機「XB-1」の実証実験機を発表した。
ブーム・テクノロジー社は、NASA、スペースX、ボーイング社の出身者が多く在籍しており、航空業界の頭脳集団的企業である。また、「XB-1」の開発は、リチャード・ブランソン氏が設立した宇宙旅行ビジネスを行う会社であるヴァージン・ギャラクティック社が、エンジニアリングや製造サービス、飛行テストのサポート等を提供している。...
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米国コロラド州デンバーの航空ベンチャー企業であるブーム・テクノロジー社は、パリ航空ショーで、新型の超音速旅客機「XB-1」の実証実験機を発表した。
ブーム・テクノロジー社は、NASA、スペースX、ボーイング社の出身者が多く在籍しており、航空業界の頭脳集団的企業である。また、「XB-1」の開発は、リチャード・ブランソン氏が設立した宇宙旅行ビジネスを行う会社であるヴァージン・ギャラクティック社が、エンジニアリングや製造サービス、飛行テストのサポート等を提供している。
ブーム・テクノロジー社によれば、2018年、実証試験機での初飛行を行い、2020年、実物大の実機による初飛行を行い、2023年、商業化を予定している。すでに、ブーム社は、パリ航空ショーにおいて、航空会社6社から実機76機の注文を受けた。
「XB-1」は、洗練されたデルタウイングや炭素繊維の細身の機体および効率的なターボファンジェットエンジンを特徴とし、コンコルドとは異なり、アフターバーナー不要の設計により、燃費の大幅な改善が施されている。
ブーム社の計画では、この「XB-1」は、アメリカ大陸とヨーロッパ大陸の人気路線の所要時間を大幅に短縮するうえに、航空料金を現在のビジネスクラス程度に抑えて、航空会社に、運用する上において維持可能な利益をもたらすことができるということである。
具体的には、「XB-1」は、ニューヨーク・ロンドン間を、飛行時間2時間30分で結び、料金は約5千ドル(日本円で55万6500円)を想定している。現在、ニューヨーク・ロンドン間の移動には7、8時間かかる。また、将来的には、サンフランシスコ・東京間を、従来の約半分の5時間30分で結ぶという計画を持っている。
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東レ、伊アヴィオ社に新型ロケット用向け炭素繊維を供給(6月21日)
東レは、イタリアのロケット部品メーカー、アヴィオ社と、ロケット用途に使用する炭素繊維「トレカ」(炭素繊維複合材)を、最長2027年まで供給する長期契約を締結した。アヴィオ社は、旧社名、フィアット・アヴィオと呼ばれる、イタリアの航空宇宙関連企業で、欧州のアリアンスペース社が打ち上げ運用する小型ヴェガロケットや大型アリアン5ロケットの製造を担当している企業体の1社である。
現在、東レは、フランスの現地子会社トーレ・カーボン・ファイバー・ユアラップ・S.A.を通じて、アヴィオ社に高強度炭素繊維を供給している。...
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東レは、イタリアのロケット部品メーカー、アヴィオ社と、ロケット用途に使用する炭素繊維「トレカ」(炭素繊維複合材)を、最長2027年まで供給する長期契約を締結した。アヴィオ社は、旧社名、フィアット・アヴィオと呼ばれる、イタリアの航空宇宙関連企業で、欧州のアリアンスペース社が打ち上げ運用する小型ヴェガロケットや大型アリアン5ロケットの製造を担当している企業体の1社である。
現在、東レは、フランスの現地子会社トーレ・カーボン・ファイバー・ユアラップ・S.A.を通じて、アヴィオ社に高強度炭素繊維を供給している。今回、新たに、新大型ロケットアリアン6やヴェガC(低軌道用小型人工衛星打上げロケット)等の次世代ロケットのモーターケース向けにも炭素繊維「トレカ」を供給することとなった。当該契約額は明らかではないが、数十億円規模と見られている。
トレカは、ポリアクリロニトリルを原料にした高性能炭素繊維で、航空宇宙分野や産業分野およびスポーツ・レジャー分野など幅広く使用されている。東レによると、炭素繊維は鉄の4分の1の軽さにもかかわらず、強度が鉄の10倍あるのが特徴とのことである。現状、放送・通信、GPS、地球観測などの様々な用途において、人工衛星関係の需要があり、それに伴い、衛星打上げ用のロケット需要は、拡大の一途にある。そのうえ、ロケット打上げコスト削減および高性能化の要求に対応すべく、炭素繊維複合材の需要拡大が今後益々見込まれている。
よって、東レは、炭素繊維複合材料事業を、中長期に亘って収益拡大を牽引する「戦略的拡大事業」と位置づけており、更なる開発・供給を通じて、宇宙分野の拡大を目指している。
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スーパーコンピューター世界ランキング・省エネ部門で日本1位、2位(6月21日)
世界で最も高速なコンピューターの最新ランキング「TOP500」が、6月19日、ドイツのフランクフルトで発表された。
TOP500の1位に輝いたのは、前回に続き、中国の国家並列計算機工学技術研究センターが開発した「神威・太湖之光」で、2016年6月から3期続けてトップを守った。このコンピューターは、LINPACK(システムの浮動小数点演算性能を評価するベンチマーク)の実行性能で93.0146ペタフロップス(1ペタフロップスは、1秒間に1千兆回)、理論性能で125.4359ペタフロップ)を記録した。...
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世界で最も高速なコンピューターの最新ランキング「TOP500」が、6月19日、ドイツのフランクフルトで発表された。
TOP500の1位に輝いたのは、前回に続き、中国の国家並列計算機工学技術研究センターが開発した「神威・太湖之光」で、2016年6月から3期続けてトップを守った。このコンピューターは、LINPACK(システムの浮動小数点演算性能を評価するベンチマーク)の実行性能で93.0146ペタフロップス(1ペタフロップスは、1秒間に1千兆回)、理論性能で125.4359ペタフロップ)を記録した。
2位は、中国国防科学技術大学が開発した「天河二号」で、実行性能は、3.8627ペタフロップス、理論性能は54.9024ペタフロップスであった。これにより、2013年以降、中国が1、2位を独占することとなった。2016年12月に、米国家安全保障局は、中国が高性能コンピューティング分野で、開発を加速しているとして、警鐘を鳴らしていた。
3位は、スイス国立スーパーコンピューティングセンターの「ピーツ・ダイント」で、NVIDIAのGPUを採用したCray XC50システムにアップグレードし、順位を大きく上げた。
4位は、米エネルギー省のオークリッジ国立研究所の「タイタン」で、21年ぶりに3位以下に転落した。
また、日本勢力は、東大・筑波大の「オークフォレスト・バックス」が7位、理化学研究所の「京」が8位と、それぞれ前回から1つ順位を落とした。一方、国別では、ランクインしたコンピュータ数は、米国169、中国160、日本33、ドイツ28と続いた。
ところで、消費電力あたりの性能が高いコンピューターランキング「GREEN500」では、1位が、東京工業大学の「TSUBAME 3.0」、2位に、ヤフー等の「Kukai」が入り、日本勢が上位を独占した。
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独大手自動車部品メーカー・コンチネンタル社、完全なコネクテッドカー目指す(6月20日)
コンチネンタル社は、独大手自動車タイヤ・部品メーカーであり、レーダーやカメラなど自動運転に欠かせない製品に強いハイテク企業でもある。コンチネンタル社の強みは、単品でなく、複数のセンサーや電子制御機器を組み合わせたシステム単位で提案できることである。
すでに、コンチネンタル社は、3千万台以上のコネクティビティ製品を出荷しており、現在LTE回線をベースとした製品を展開している。また、2026年までに、さらに4千万ユニットを出荷することを予定している。...
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コンチネンタル社は、独大手自動車タイヤ・部品メーカーであり、レーダーやカメラなど自動運転に欠かせない製品に強いハイテク企業でもある。コンチネンタル社の強みは、単品でなく、複数のセンサーや電子制御機器を組み合わせたシステム単位で提案できることである。
すでに、コンチネンタル社は、3千万台以上のコネクティビティ製品を出荷しており、現在LTE回線をベースとした製品を展開している。また、2026年までに、さらに4千万ユニットを出荷することを予定している。
コンチネンタル社は、完全なコネクテッドカーの実現に向けて、セキュリティーやオープンソースソフトウェアをベースにしたフレキシブルなソフトウェア開発キットといったソリューションを提供している。また、それだけでなく、OTA(無線ネットワークを利用したデータの受信・同期など)による複数のECU(エンジン・コントロール・ユニット)の同時更新、V2X(車車間通信および路車間通信)、5Gおよび衛星通信回線の採用も検討している。
コンチネンタル社は、OTAにおいて、インマルサット(通信衛星による移動体通信を提供する企業)のグローバルサテライトネットワークを活用するため、他社と共同で開発を進めており、2021年にも衛星通信によるOTAに対応した量産車の販売を予定している。
衛星通信回線は、グローバルに通信エリアをカバーできるため、国や地域ごとに複数の通信事業者と連携したり、認証を取得したりすることなく、世界中でOTAを実現することができる。また、衛星通信回線は、コネクテッドカー向けに十分な通信速度があり、LTE回線と併用することで、コネクテッドカーのデータ通信を分散させ、通信の負荷を減らすことができる。
さらに、衛星通信回線は、郊外や山間部などLTE回線やWi-Fiが不安定な場合に、安定したコネクティビティを維持できるといったメリットがある。
一方、V2Xは、車両同士、車両とインフラや歩行者がダイレクトに通信することを可能にする。加えて、5Gは、 一度に大量のデータのやりとりを可能にし、あらゆる情報と車との一体化を実現する。
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