習主席3期目就任に暗雲か(3月19日)
新型コロナを世界に先駆けてゼロコロナで制圧し、北京五輪を成功裡に終わらせ、盤石の状態で秋に行われる中国共産党大会に臨み、3期目を目指すシナリオを描いていた習近平国家主席であるが、中国・朱鎔基元首相がこれに反対の意向を示すなど、暗雲が漂い始めている。
習主席の誤算の1つ目は、ゼロコロナ政策の失敗である。ゼロコロナ政策はオミクロン株の出現でウイズコロナを余儀なくされたが、この失敗が北京五輪で全世界に伝わってしまった。...
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新型コロナを世界に先駆けてゼロコロナで制圧し、北京五輪を成功裡に終わらせ、盤石の状態で秋に行われる中国共産党大会に臨み、3期目を目指すシナリオを描いていた習近平国家主席であるが、中国・朱鎔基元首相がこれに反対の意向を示すなど、暗雲が漂い始めている。
習主席の誤算の1つ目は、ゼロコロナ政策の失敗である。ゼロコロナ政策はオミクロン株の出現でウイズコロナを余儀なくされたが、この失敗が北京五輪で全世界に伝わってしまった。
未だに感染を抑えきれておらず、ロックダウンを行っている状況であり、「ゼロコロナ政策は厳しすぎるのではないか」との批判も内部から湧き上がってきている。
2つ目は北京五輪開幕式にプーチン大統領を国賓待遇で招聘したことである。これが裏目に出てしまった。会談でプーチン大統領のウクライナに対する政策を支持した習主席だったが、五輪閉幕と同時にプーチン大統領がウクライナへの侵略を開始し、独裁者・プーチンと同志と見られるような原因を自ら作ってしまった。
3つ目は経済政策がうまくいっていないことである。ゼロコロナ政策でサプライチェーンもストップし、世界経済に悪影響を与えている。習主席は「共同富裕」をスローガンに掲げ、アリババ、恒大集団をはじめとする民間企業、不動産企業、IT企業を締め付け、彼らに強制的に寄付をさせた金を「共同富裕」の原資としていたが、その結果、昨年の第4四半期GDPが急減速してしまうこととなった。
党内からは「国有企業を増やし過ぎているのではないか」と、習主席の政策面における反発が水面下で出てきている。こうした批判を意識してか、習主席は民間企業への締め付けを緩め始めている。
今、中国国内ではロシアへの経済制裁の矛先が今度は中国に向くのではないかと懸念が高まっており、ロシア・ウクライナ戦争に中国が介入せざるを得ない空気になっている。下手に介入すれば、秋の共産党大会を前に悪材料が習主席の行く手を阻んでくる。
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北京パラリンピック閉会式(3月14日)
北京パラリンピックの閉会式が13日夜、国家スタジアム、通称鳥の巣で行われた。聖火の炎がゆっくりと消え大会は幕を下ろした。
閉会式は雪の結晶の物語から始まった。温かさの中の永遠というテーマを軸に50分間に渡り12のプログラムで構成されパラリンピックの人気マスコットも登場した。
スタジアム中央に描かれる直径55mほどの円を基調に時の流れを記憶する内容だった。
閉会式で中国代表団の旗手を務めたのは1989年生まれのクロスカントリー選手。...
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北京パラリンピックの閉会式が13日夜、国家スタジアム、通称鳥の巣で行われた。聖火の炎がゆっくりと消え大会は幕を下ろした。
閉会式は雪の結晶の物語から始まった。温かさの中の永遠というテーマを軸に50分間に渡り12のプログラムで構成されパラリンピックの人気マスコットも登場した。
スタジアム中央に描かれる直径55mほどの円を基調に時の流れを記憶する内容だった。
閉会式で中国代表団の旗手を務めたのは1989年生まれのクロスカントリー選手。座って滑るクラスで短距離、中距離、長距離3種目で金メダルを獲得。中国代表団の中で金メダル最多の選手。
閉会式の最後には雪の結晶をかたどった聖火台がゆっくりと下り聖火はバイオリンの調べの中、静かに消された。
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国連・人権高等弁務官・5月にも新疆ウイグル自治区“視察へ”(3月10日)
中国の新疆ウイグル自治区の人権状況をめぐって、欧米などから懸念が示される中、国連の人権高等弁務官は、再来月にも現地を視察することで中国側と合意したと明らかにした。
これは、バチェレ人権高等弁務官が8日、国連人権理事会の会合で発言したもので、再来月にも新疆ウイグル自治区を視察することで中国側と合意し、来月には先遣隊が現地入りするという。
バチェレ人権高等弁務官は「中国では当局に批判的とみなされる発言を行うことで拘束されるケースがあり、懸念している」と述べたのに対し、中国政府代表部の陳旭大使は、視察を歓迎するとした一方、「中国には法の支配がある」などとして懸念に反論した。
中国・習主席・フランス・ドイツの首脳とオンライン会談(3月9日)
中国・習近平国家主席はフランス・マクロン大統領、ドイツ・ショルツ首相とオンライン形式で会談した。
中国外務省によると、マクロン大統領とショルツ首相はウクライナ情勢について「事態打開に向けて中国側との協調を強化したい」と述べた。
習主席は「緊張がエスカレートしコントロールできなくなるのを防ぐことが急務だと」強調。中国としても積極的に取り組む考えを示した。
一方、「制裁は世界の金融、エネルギー、交通、サプライチェーンの安定に打撃を与え各国にも不利だ」と述べ、欧米各国などによるロシアへの制裁に反対する考えを示した。
中国外相・台湾とウクライナ“根本的に異なる”(3月8日)
ロシアがウクライナに軍事侵攻したことで中国と台湾の関係に改めて関心が集まっている。中国・王毅外相は「台湾問題は完全に中国の内政問題だ。台湾問題とウクライナ問題は根本的に異なり比較できない」と述べウクライナ問題が台湾海峡を巡る情勢に影響を与えるのではないかとの見方を否定した。
王外相は国際社会は「和解に向けた話し合いと大規模な人道危機の防止に向けての継続的努力に注目すべきだ。ウクライナとロシアの3回目の競技での新たな進展に期待したい」と述べた。...
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ロシアがウクライナに軍事侵攻したことで中国と台湾の関係に改めて関心が集まっている。中国・王毅外相は「台湾問題は完全に中国の内政問題だ。台湾問題とウクライナ問題は根本的に異なり比較できない」と述べウクライナ問題が台湾海峡を巡る情勢に影響を与えるのではないかとの見方を否定した。
王外相は国際社会は「和解に向けた話し合いと大規模な人道危機の防止に向けての継続的努力に注目すべきだ。ウクライナとロシアの3回目の競技での新たな進展に期待したい」と述べた。
米国との関係について「米国の指導者と高官が言っている新たな冷戦を望んでいない、中国の体制転換を求めない、同盟関係強化による中国への対抗を進めない、台湾の独立を支持しない、中国との衝突対抗をするつもりはないとの発言は宙に浮いたまま。米国は中国の核心的利益に関わる問題において絶えず攻撃と挑発を続けている。また絶えず中国を抑え込むための小さなサークルを寄せ集めて作っている」と述べた。
インド太平洋戦略について「インド太平洋版のNATOを作る企みであり平和と発展を求め協力を進めるという地域諸国が共有するビジョンと真逆のもので行き詰まるだろう」とコメントした。
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