RCEP・年内の実質妥結見送りへ(11月13日)
日本や中国、インドなどアジア太平洋16ヵ国が参加するRCEP・東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合は、きのうシンガポールで詰めの協議が行われた。
関税撤廃を巡ってインドが慎重な姿勢示すなど、各国の意見の隔たりは埋まらなかった。
経済産業省幹部によると、目標としていた年内の実質妥結を見送り、改めて来年中の完全妥結を目指すことで一致した。
各国はあす開催のRCEP首脳会議で協議する見通しである。...
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日本や中国、インドなどアジア太平洋16ヵ国が参加するRCEP・東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合は、きのうシンガポールで詰めの協議が行われた。
関税撤廃を巡ってインドが慎重な姿勢示すなど、各国の意見の隔たりは埋まらなかった。
経済産業省幹部によると、目標としていた年内の実質妥結を見送り、改めて来年中の完全妥結を目指すことで一致した。
各国はあす開催のRCEP首脳会議で協議する見通しである。
RCEPを巡っては、米国・トランプ政権が保護主義的な政策を進める中、合意に向けた機運が高まっていた。
各国が意見の隔たりをどこまで埋められるかが大きな課題となる。
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シンガポール・RCEP閣僚会合・協議の進展は(11月12日)
日本や中国、インド、ASEAN加盟国など16か国が参加するRCEP東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合が、シンガポールで開かれる。
日本からは世耕経済産業相が出席。明後日には首脳会議も開かれる予定で、年内の実質的な妥結に向けて山場を迎える。
交渉は、農産物や工業製品の関税撤廃や削減に関する物品貿易や、海賊版の取り締りなどに関する知的財産など、18分野にわたる。
関税の分野では、国内産業の保護を重視するインドなどが慎重な構えを崩さず難航。...
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日本や中国、インド、ASEAN加盟国など16か国が参加するRCEP東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合が、シンガポールで開かれる。
日本からは世耕経済産業相が出席。明後日には首脳会議も開かれる予定で、年内の実質的な妥結に向けて山場を迎える。
交渉は、農産物や工業製品の関税撤廃や削減に関する物品貿易や、海賊版の取り締りなどに関する知的財産など、18分野にわたる。
関税の分野では、国内産業の保護を重視するインドなどが慎重な構えを崩さず難航。協議の進展を図れるかが最大の焦点となる。
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舞台は年末のG20と米中首脳会談へ(11月3日)
(米中貿易戦争の影響が遂に出始めた)
このところ株価が乱高下し、景気の先行きへの懸念が強まっている。これまで好調だった世界経済の潮目が変わり、先行きの不確実性が高まったという声も聞かれる。この背景には、トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争がブーメランとなり、世界経済の2大エンジンである米国と中国両国の経済にじわじわと悪影響を与えていることがある。米中貿易戦争がエスカレートして来れば、世界経済全体を0.5ポイントくらい下振れさせるリスクがあると言われている。...
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(米中貿易戦争の影響が遂に出始めた)
このところ株価が乱高下し、景気の先行きへの懸念が強まっている。これまで好調だった世界経済の潮目が変わり、先行きの不確実性が高まったという声も聞かれる。この背景には、トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争がブーメランとなり、世界経済の2大エンジンである米国と中国両国の経済にじわじわと悪影響を与えていることがある。米中貿易戦争がエスカレートして来れば、世界経済全体を0.5ポイントくらい下振れさせるリスクがあると言われている。米司法省は輸出規制の制裁対象となっている中国国有半導体メーカー「福建省普華集成電路」などを経済スパイ活動に関与した罪で起訴したと発表し、合わせて米中貿易戦争の最大の火種である知財権の侵害への捜査態勢を強化することを表明した。こうした中、中
国で先月中旬に発表された7-9月GDPの伸び率は6.5%にとどまり、9年半ぶりの低い水準となった。このことだけでも貿易戦争の激化によって、消費者心理や投資意欲が冷え込み始めたことがうかがえるが、今後、貿易戦争による影響が本格的に出てくるようになれば、輸出も落ち込むことが予想され、こうした懸念を念頭に人民元売りが加速している。中国の金融当局は今、国外への資金流出の増加に神経をとがらせており、北京に進出している海外の金融機関の国外送金をけん制しているという。中国共産党の指導部も経済運営の難しさを認識し始めているようにみえる。
(仕掛けた米国経済にも深刻な影響が)
貿易戦争を仕掛けた米国にも深刻な影響が出始めている。中国でビジネス展開する米国建機大手・キャタピラーや、半導体大手・テキサスインスツルメンツなどが相次いで慎重な業績見通しを発表した。農業分野でも、中国政府がトランプ政権への対抗措置として打ち出した大豆など農産品への関税措置によって、中国の養豚業者による米国産大豆の買い付けが減少し、ブラジル産の大豆に振り替える動きが出ているため、米国の農家からは不満の声が上がっている。IMF・国際通貨基金の最新のリポートでは「米国が自ら仕掛けた貿易摩擦によって、最も被害を受けるのは米国になるだろう」と警告しているが、その通りの結果が出始めているといえる。
(米中貿易戦争の影響が日本にも出始めている)
米中の景気失速の影響はすでに日本にも飛び火している。今週、海外への輸出を展開する複数の日本企業が、今年度の業績見通しを下方修正すると発表した。すでに中国での設備投資の意欲減退で9月の中国向け工作機械の受注額は、前年同月比で2割も減少した。日本は未だにマイナス金利政策を続けている上、財政赤字も大きいことから、景気が悪化しても打つ手がほかの国にも増して限られているという状況になっている。
(世界経済悪化解決のカギとなるのは年末のG20と米中首脳会談)
世界経済の先行きは米中の今後の今後の動向に左右されていると言っても過言ではない。11月末にアルゼンチンで開かれるG20首脳会合と、それに合わせて行われると見られる米中首脳会談が世界経済の正念場となる可能性がある。米中の覇権争いはそう簡単に終わることはないと思われるが、経済に関してはとりあえず悪影響を緩和させることはできるかもしれない。トランプ大統領は1日、中国・習近平国家主席と半年ぶりに電話で会談し、現在調整中の米中首脳会談に向けて、ツイッターに、「長時間とてもよい話し合いを持った」と投稿し米中間の調整がうまくいっていると投稿し、米中貿易摩擦の解消に向けた合意案を策定するよう関係閣僚に指示したという。米中貿易戦争だけとどまらず米国の対イラン制裁や、サウ
ジアラビア情勢の影響を受けた原油価格の上昇、それに英国のブリグジットの難航や、イタリアの財政赤字問題など多くの課題について各国が知恵を出し合い、今後、予想される難局を乗り切ることが求められているといえる。TPP11が年末に発効するが、日本として世界経済に貢献できることは、このTPP11と中国やインドなども参加するRCEPを早期妥結させ、この2つを軸に世界経済を活性させていくことになるのかもしれない。
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米国・トランプ政権・中国・半導体メーカーに部品の輸出制限へ(10月30日)
米国・商務省は29日、安全保障上重大なリスクがあるとして、中国・福建省の半導体メーカーに対して米国の部品などの輸出や技術移転を制限すると発表した。
米中の技術対立は、さらに激しくなるとみられる。
米国メディアによると、中国の半導体メーカーに対しては、米国の大手半導体メーカー・マイクロンテクノロジーが、知的財産権を侵害されたとして訴えている。
米国・ロス国務長官は声明で「外国企業が安全保障上の利益に反する場合、強力な措置で対応する」と述べ、中国を念頭に今後も厳しい措置を辞さない考えを強調した。...
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米国・商務省は29日、安全保障上重大なリスクがあるとして、中国・福建省の半導体メーカーに対して米国の部品などの輸出や技術移転を制限すると発表した。
米中の技術対立は、さらに激しくなるとみられる。
米国メディアによると、中国の半導体メーカーに対しては、米国の大手半導体メーカー・マイクロンテクノロジーが、知的財産権を侵害されたとして訴えている。
米国・ロス国務長官は声明で「外国企業が安全保障上の利益に反する場合、強力な措置で対応する」と述べ、中国を念頭に今後も厳しい措置を辞さない考えを強調した。
トランプ政権は、中国が米国の技術を不当に手に入れているとして、中国からの輸入品に関税を上乗せする制裁措置を発動していて、米中のハイテク技術をめぐる対立はさらに激しさを増すとみられる。
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米中貿易戦争の行方は?(10月20日)
(中国GDP・リーマンショック以来の低い伸び)
約2週間後に迫った11月の中間選挙を前にトランプ大統領はますます中国に対する圧力を強めてきている。こうした中、米中貿易戦争の激化によって中国経済の減速が鮮明になってきた。中国の7月から9月までのGDP(国内総生産)速報値は、6.5%と2期連続で減速し、2009年のリーマンショック以来の低い伸びとなった。2018年の予想ベースでは世界の国内総生産の成長のうち27%が中国によるものであり、世界第2位の経済大国である中国の成長が鈍化すれば、世界経済全体への影響は避けられそうもない。...
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(中国GDP・リーマンショック以来の低い伸び)
約2週間後に迫った11月の中間選挙を前にトランプ大統領はますます中国に対する圧力を強めてきている。こうした中、米中貿易戦争の激化によって中国経済の減速が鮮明になってきた。中国の7月から9月までのGDP(国内総生産)速報値は、6.5%と2期連続で減速し、2009年のリーマンショック以来の低い伸びとなった。2018年の予想ベースでは世界の国内総生産の成長のうち27%が中国によるものであり、世界第2位の経済大国である中国の成長が鈍化すれば、世界経済全体への影響は避けられそうもない。
(米中貿易戦争の影響が徐々に出始める)
米中貿易戦争の影響で、自動車など欧米メーカーの一部は、中国で販売する製品の値上げに着手し始めた。中国国内でも物価上昇圧力が高まってきている中、中国の9月の新車販売台数は、前年同月比11.6%減の239万4100台だった。マイナスは3カ月連続で、下落率は8月の3.8%から大幅に拡大した。中国市場に足を運ぶ米国人や韓国人、日本人バイヤーなどの数も相当数減っている。さらには中国国内の設備投資にも影響が出始めており、中国での生産に軸足を置いていたホンハイ精密工業は米国に軸足を移し、ウィスコン州のパネル工場などに1兆1200億円規模の投資を行うプロジェクトを進めている。三菱電機やダイキン、ユニクロやコマツなどの日本の企業も次々と中国外に生産拠点を移している。
(米中貿易戦争の行方は?)
このまま米中貿易戦争が続いた場合、中国から年間5000億ドル輸入している米国は、更に5000億ドル分の関税をかける余地があり、中国経済に打撃を与えることができる。中国は、米国から1300億ドルしか輸入していないので抵抗してもその規模は明らかに小さく、勝敗は目に見えている。この対立が難しいのは単なる貿易戦争でなく、構造的な覇権争いとして米中の最先端技術や政治・安全保障の要素も絡んでいる点である。米国は中国の技術移転強要、海外の技術買収への国家的介入だけでなく、中国企業への補助金、中国企業から材料を調達するよう求める姿勢、政府支援による生産能力過剰問題など、一連の中国の手法を問題視しており、これらの要素が混ざり合った状態では解決の糸口はなかなか見えてこないだろう。今回の貿易戦争は、米中の覇権争いの重要な局面であるので、その行方を注視してゆくべきであろう。
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