【北朝鮮を追う】
日本人の拉致問題をめぐって北朝鮮“解決済み”と強調(5月13日)
北朝鮮は、先月行われた南北首脳会談で表明した核実験場の廃棄について、今月23日から25日の間に行うと発表した。
核実験場の全ての坑道を爆破して崩落させ入り口を完全に閉鎖したあと、地上にある全ての観測施設と研究所などを撤去する順序で行うとしている。
報道機関への公開にあたっては、中国・北京から東部のウォンサンを空路で結ぶ臨時便を運航するなどとしている。
尚、報道については、米国、英国、韓国、ロシアに限定し取材させるという。...
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北朝鮮は、先月行われた南北首脳会談で表明した核実験場の廃棄について、今月23日から25日の間に行うと発表した。
核実験場の全ての坑道を爆破して崩落させ入り口を完全に閉鎖したあと、地上にある全ての観測施設と研究所などを撤去する順序で行うとしている。
報道機関への公開にあたっては、中国・北京から東部のウォンサンを空路で結ぶ臨時便を運航するなどとしている。
尚、報道については、米国、英国、韓国、ロシアに限定し取材させるという。日本の報道機関は締め出されている。
史上初の米朝首脳会談を控え、非核化に向けた姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。米国・トランプ大統領はツイッターで北朝鮮の発表を歓迎した。
一方、日本人の拉致問題をめぐって北朝鮮国営・朝鮮中央通信は“解決済み”と強調して、日本政府をけん制した。
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米国が北に譲歩をする可能性と日本の叡智(5月12日)
(史上初の米朝首脳会談・シンガポールで6月12日に開催決定)
トランプ大統領が出迎える中、拘束されていた米国人3人を伴ってポンペオ国務長官が米国に帰ってきた。ポンペオ長官は米朝首脳会談の事前調整のために金正恩委員長と会談するという重要なミッションも果たし、大きな進展があったとみられる。少なくとも米国人3人の帰還が米朝首脳会談開催の前提となっていただけに、米朝首脳会談に向けて事態は大きく前進したともいえるだろう。...
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(史上初の米朝首脳会談・シンガポールで6月12日に開催決定)
トランプ大統領が出迎える中、拘束されていた米国人3人を伴ってポンペオ国務長官が米国に帰ってきた。ポンペオ長官は米朝首脳会談の事前調整のために金正恩委員長と会談するという重要なミッションも果たし、大きな進展があったとみられる。少なくとも米国人3人の帰還が米朝首脳会談開催の前提となっていただけに、米朝首脳会談に向けて事態は大きく前進したともいえるだろう。上機嫌のトランプ大統領は米朝首脳会談について「大成功を収めるだろう」「日本も韓国も中国も喜ぶものになるだろう」と楽観的な見方を示している。開催時期、場所も発表された。時期はトランプ大統領の誕生日の2日前である6月12日に、中立国・シンガポールで開催することになった。当初、トランプ大統領は歴史的な背景がある板門店での開催にこだわりを見せていたが、第三国の中立性を重視しシンガポールに落ち着いたようだ。米朝首脳会談には中国や韓国など他国の首脳が加わる可能性もあるとNSC・ビクトリアコーツ上級部長が発言を行ったが、6月12日に向け、これからの1か月間は様々な情報や観測が乱れ飛ぶ事態が予測される。
(米国が北朝鮮に譲歩する可能性)
米国は北朝鮮に対し「核開発データの廃棄」、「核開発に携わった技術者の海外移住」を要求するなど、北朝鮮に対する要求のハードルを上げているが、こうした要求を突き付けながら「大成功を収める」会談になるのだろうか。トランプ大統領は米国人3人の返還に関する演説で「米国は北朝鮮に一切の譲歩なしに3人を取り返した」と主張していたが、返還直前に行われたポンペオ長官と金委員長との会談の中で、ポンペオ長官は「米国は当面生物化学兵器については取り上げない」というトランプ大統領の考えを伝えた。これは実質的には北朝鮮に対する譲歩にあたる。なぜならこれまで米国は生物化学兵器を含む全ての大量破壊兵器の破棄を北朝鮮に要求していたからだ。こうした点から見るとハードルを上げたように見せかけながら実質的に北朝鮮に米国が譲歩する可能性は十分ある。
(求められる日本の叡智)
日本にとって警戒すべきシナリオは金正恩委員長が「段階的に核廃絶を行い、ICBMの発射は今後行わない。新たな核開発も今後は行わない。査察を受け入れて、それを検証可能にする」と表明し、それをトランプ大統領が受け入れるケースだ。この場合、北米大陸は核の脅威にさらされることはなくなるが、日本が核やミサイルの脅威にさらされる状況は変わらず、日本にとっては厳しい状況になる。こうした交渉にならないように日本は注意を怠るべきではないし、米朝首脳会談に続き日朝首脳会談を開催しようと焦るべきではない。そうした態度を北朝鮮はよく見ており、北朝鮮に足元を見られ、見返りとして巨額の経済支援を行うことになる可能性がある。最も影響を被る当事国の一つとして、日本の叡智が求められる。
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米朝首脳会談に向け調整進む(5月12日)
場所と日程が決まった史上初の米朝首脳会談について、米国のポンペイオ国務長官がさきほど記者会見し、北朝鮮の対応次第では見返りを与える考えを示して核の放棄を迫った。
ポンペイオ国務長官は先に行われた北朝鮮・金正恩党委員長との会談について「実質的な話し合いをした。米朝の首脳双方が会談の望ましい結果について意識を共有している自信がある」と話した。
会場となるシンガポールは米国とも北朝鮮とも国交があり中立的と言える国だ。...
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場所と日程が決まった史上初の米朝首脳会談について、米国のポンペイオ国務長官がさきほど記者会見し、北朝鮮の対応次第では見返りを与える考えを示して核の放棄を迫った。
ポンペイオ国務長官は先に行われた北朝鮮・金正恩党委員長との会談について「実質的な話し合いをした。米朝の首脳双方が会談の望ましい結果について意識を共有している自信がある」と話した。
会場となるシンガポールは米国とも北朝鮮とも国交があり中立的と言える国だ。
シンガポール・リーシェンロン首相はトランプ大統領と電話で会談し「歴史的で重要な会談になるだろう。スムーズに行われ成功するよう最大限努力する」とメッセージを出した。
5月22日には米韓首脳会談、6月8日、9日にはカナダでG7・主要7カ国首脳会談が開かれる。
一連の会議では米朝首脳会談での議題について関係各国の間で調整が行われるとみられている。
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行程表なき大成功(5月11日)
米朝首脳会談は6月12日にシンガポールで開催されることになった。トランプ大統領は「大成功を収めるだろう」と述べたと伝えられている。両首脳が会って、握手をして、どのような合意がなされるのか。
非核化の合意がなされたことによって「大成功」になるのだろう。「2年以内に」などの期限についてトランプ大統領は口にするだろう。ただし具体的な行程表は実務者同士の折衝になる。うまくいかなければ実務者が悪いことになる。完全な、あるいは恒久的な、不可逆的な非核化には2年以上の年月がかかる。このため2年内でできることで、決着をつけようと考えてしまうかもしれない。
「大成功」の会談の後での行程表の作成で両国間に齟齬がでた場合でも、金正恩委員長にとっては失うものはそれほど多くない。最悪で北朝鮮に対する2017年水準の制裁に戻るだけである。韓国や中国の制裁が緩和方向にあることを考えると、2017年水準の制裁はないと考えているはずである。
米朝が狙う合意の中身(5月11日)
米朝首脳会談は、6月12日シンガポールで開催で決まった。
トランプ米大統領は意欲満々であり、北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長も満足げである。
一昨日行われた米国・ポンペイオ国務長官と金委員長の会談では実務的な問題や手続きなど協議し、首脳会談開催に向け、重要な進展があったとみられる。
しかし一体どんなことが進展しているのか具体的には、表面化していない。
金委員長の立場から言えば、米国からの「核開発のデータ廃棄」「数千人ともみられる核開発に関係した技術者を海外に移住させる」等の厳しい条件は、笑って受け入れられるものではないだろう。...
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米朝首脳会談は、6月12日シンガポールで開催で決まった。
トランプ米大統領は意欲満々であり、北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長も満足げである。
一昨日行われた米国・ポンペイオ国務長官と金委員長の会談では実務的な問題や手続きなど協議し、首脳会談開催に向け、重要な進展があったとみられる。
しかし一体どんなことが進展しているのか具体的には、表面化していない。
金委員長の立場から言えば、米国からの「核開発のデータ廃棄」「数千人ともみられる核開発に関係した技術者を海外に移住させる」等の厳しい条件は、笑って受け入れられるものではないだろう。
トランプ大統領は、「日本も韓国も中国も喜ぶだろう」と大きなジェスチャーを交え、抱負を語った。
日本が特に喜ぶとしたら、核兵器の完全廃棄と拉致被害者の帰国が実現することであろう。
また日本ができることとすれば、経済援助ということになるのだろうか。
まさか、ポンペイオ国務長官と金委員長の会談で、そんな話が出ているのだろうか。
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