北朝鮮大使、中米関係を語る(7月4日)
北朝鮮の中国駐在大使である池在龍氏は、『環球時報』のインタビューに応じて、米国が今年に入ってから公然と中国を否定するようになり、米国は中国を瓦解させようと目論んでいると非難した。3日の『環球時報』が伝えたもの。
記事では、池在龍大使は「米国は、経済・科学技術・人権などあらゆる面で中国についてまことしやかに語り、中米関係は極端に悪化している。とくに今年に入ってから米国は中国共産党と中国の社会主義制度自体を公然と否定し、イデオロギー面でも対立している。...
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北朝鮮の中国駐在大使である池在龍氏は、『環球時報』のインタビューに応じて、米国が今年に入ってから公然と中国を否定するようになり、米国は中国を瓦解させようと目論んでいると非難した。3日の『環球時報』が伝えたもの。
記事では、池在龍大使は「米国は、経済・科学技術・人権などあらゆる面で中国についてまことしやかに語り、中米関係は極端に悪化している。とくに今年に入ってから米国は中国共産党と中国の社会主義制度自体を公然と否定し、イデオロギー面でも対立している。このことは、中国の発展によって、米国が自身の覇権的地位に対し、脅威を感じていることを表している。米国は中国人民の共産党への信頼を打ち砕こうとしており、香港問題や両岸関係(中台関係)に干渉し、中国でもジャスミン革命(注)が起こり、社会主義の中国は最終的に瓦解するだろうとほらを吹いている。中国はコロナウィルスの拡散との闘争で戦略的な成果をあげたが、このことは、中国共産党の正確な判断と正しい指導によるものである」と述べている。
記事は、北朝鮮大使が中国を支援しており、中朝は共に社会主義の偉大な闘争に共に勝利しよう、と結んでいる。中国共産党にとって、民主化は最大の禁忌であり、党批判は受け入れ難い。この非難に対し、北朝鮮大使の口を借りてまでも、中国は自らの正当性を主張しているようである。
(注)2010-11年にかけてチュニジアで起こった民主化運動のことを指す。
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北朝鮮:中央委第7期第14回政治局拡大会議開催(7月3日)
2日、北朝鮮で朝鮮労働党中央委員会政治局の第7期第14回拡大会議が開催された。3日の『朝鮮中央通信』は会議に参加した金正恩委員長の写真と共に会議の開催を伝えた。
会議では第一議題として「悪疫を防ぐための6カ月の活動状況を総括」し、現在の防疫形勢をより強固にすることが討議された。記事では新型コロナウイルスやCOVID-19などの言葉は使われておらず、「悪疫」や悪性ウィルスなどの言葉が使われている。...
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2日、北朝鮮で朝鮮労働党中央委員会政治局の第7期第14回拡大会議が開催された。3日の『朝鮮中央通信』は会議に参加した金正恩委員長の写真と共に会議の開催を伝えた。
会議では第一議題として「悪疫を防ぐための6カ月の活動状況を総括」し、現在の防疫形勢をより強固にすることが討議された。記事では新型コロナウイルスやCOVID-19などの言葉は使われておらず、「悪疫」や悪性ウィルスなどの言葉が使われている。
また「悪性ウィルスの侵入を徹底的に防御した」としており、感染者がいないことをアピールしている。そのうえで周辺諸国で第二波が起こっていることを踏まえて、油断することなく、防疫活動を再点検してより厳格に実施するようにとされている。
第二議題は、平壌総合病院の建設を促し、医療サービスのための人的および物質的・技術的保障対策を立てることに関する問題であった。討議のあと、第一および第二議題は全会一致で採択され、その他の重要問題も討議された。
ラヂオプレスによると、6月に開催された第7期第13回政治局会議から、第〇回との表示がなされるようになり、公表された会議との回数の差から、非公表の会議があったことがうかがわれるとしている。
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日本:小型衛星で北朝鮮のミサイルを監視(7月2日)
日本政府の宇宙開発戦略本部は6月29日、今後10年間の発展方向を示す「宇宙基本計画改定案」を了承した。そのなかには米国と協力して幾つかの小型衛星を打ち上げ、北朝鮮のミサイルを探知する計画も組み入れられている。
計画によれば、これまで米国に頼っていたミサイルの早期探知能力を日本が持つことになり、多数の衛星でミサイルの動きを追うことになるので、監視精度が高まることになるという。また一機が故障しても他の衛星で探査を補えることになる。...
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日本政府の宇宙開発戦略本部は6月29日、今後10年間の発展方向を示す「宇宙基本計画改定案」を了承した。そのなかには米国と協力して幾つかの小型衛星を打ち上げ、北朝鮮のミサイルを探知する計画も組み入れられている。
計画によれば、これまで米国に頼っていたミサイルの早期探知能力を日本が持つことになり、多数の衛星でミサイルの動きを追うことになるので、監視精度が高まることになるという。また一機が故障しても他の衛星で探査を補えることになる。
またミサイルが発射する熱を高精度で感知する赤外線センサーの研究にも着手する予定である、と伝えられている。
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金正恩の国務委員長推戴4周年(6月30日)
29日の『朝鮮中央通信』は「朝鮮を強盛繁栄に導く傑出した指導者」と題する文章を掲載、金正恩党委員長が国務委員会委員長に推戴されてから4周年の意義深い日であるとする文章を掲載している。
そこでは「政治と軍事、経済をはじめ社会主義建設の各分野で新しい転換がもたらされている」「軍事強国の威容を宣揚している」などの文章が並べられ、さらに「人民の痛みをいやすためなら億万金の財貨もそっくり傾ける人民愛の政治の下、朝鮮への人民の信頼は一層厚くなっている」とすら述べられている。...
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29日の『朝鮮中央通信』は「朝鮮を強盛繁栄に導く傑出した指導者」と題する文章を掲載、金正恩党委員長が国務委員会委員長に推戴されてから4周年の意義深い日であるとする文章を掲載している。
そこでは「政治と軍事、経済をはじめ社会主義建設の各分野で新しい転換がもたらされている」「軍事強国の威容を宣揚している」などの文章が並べられ、さらに「人民の痛みをいやすためなら億万金の財貨もそっくり傾ける人民愛の政治の下、朝鮮への人民の信頼は一層厚くなっている」とすら述べられている。
北朝鮮の憲法では国務委員長の地位は「国家を代表する」ものとされているが、4周年を迎え、金正恩委員長の指導が万全であり、また人民のことを常に考えている慈悲深い指導者であることを殊更強調し、人々に不満を言わせない体制を作り出そうとしているともいえる。
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北朝鮮、香港問題の決定権は中国に(6月30日)
中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会で、30日にも「香港国家安全法」が採択されようとしているなかで、6月29日の『環球時報』は、北朝鮮の『労働新聞』が6月に何回かにわたって、「香港国家安全法」を支持する文章を発表したと報じた。『環球時報』の記事では『労働新聞』が香港問題の決定権は中国にあり、中国が国家主権と安全、発展を擁護する総ての措置をとることは正当なことだと報じ、米国のポンペオ国務長官の香港問題に対する言動を批判していると報じたと述べている。...
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中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会で、30日にも「香港国家安全法」が採択されようとしているなかで、6月29日の『環球時報』は、北朝鮮の『労働新聞』が6月に何回かにわたって、「香港国家安全法」を支持する文章を発表したと報じた。『環球時報』の記事では『労働新聞』が香港問題の決定権は中国にあり、中国が国家主権と安全、発展を擁護する総ての措置をとることは正当なことだと報じ、米国のポンペオ国務長官の香港問題に対する言動を批判していると報じたと述べている。
5月28日の全人代で、同法案を制定することが決定されたのを受け、6月4日の『労働新聞』は3日に労働党中央委員会国際部の談話を掲載したが、そこではポンペオ国務長官が、香港問題や台湾問題、人権問題および貿易問題で、上から目線で中国を非難している、と批判していた。
さらに7日付『労働新聞』では、「いかなる人も主権国家の自主権を侵すことはできない」との題名で、香港は中国の不可分の領土であり、香港問題の決定権は中国にあると報じている。
さらに20日の『労働新聞』は「朝中の社会主義の道を堅持する」との文章を掲載し、長期にわたって朝中の党と国家が相互に支持しあい緊密な協力関係を築いていることをうたい、中国が国家の安全のための法律と執行メカニズムを制定することは、「一国二制度」の原則を守るために正当なものであり、北朝鮮は全力でこれを支持するとしている。最後に、「朝中の友好関係はいつまでも強固に発展し、両国の社会主義建設は不断に前進していく」と結ばれている。
米国をはじめとして、G7外相会議でも「香港国家安全法」に対して批判がでるなか、『労働新聞』を借りて中国の正当性を主張していることになる。香港は7月1日に中国に返還されてから23年目を迎える。「香港の高度な自治を50年間不変とする」との約束は反故になってしまう。
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