北朝鮮キム委員長・米国を批判(10月16日)
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長は国営メディアを通じ「米国をはじめとする敵対勢力がわれわれに強要している苦痛はもはや怒りに変わった」と述べて、経済制裁を続ける米国を名指しで批判し、反発を強めている。
北朝鮮は今月行われた非核化を巡る米国との実務者協議のあと、「米国は旧態依然とした立場を捨てずにいる」として非難している。
この協議のあと、キム委員長が米国について言及したのはこれが初めてである。...
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北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長は国営メディアを通じ「米国をはじめとする敵対勢力がわれわれに強要している苦痛はもはや怒りに変わった」と述べて、経済制裁を続ける米国を名指しで批判し、反発を強めている。
北朝鮮は今月行われた非核化を巡る米国との実務者協議のあと、「米国は旧態依然とした立場を捨てずにいる」として非難している。
この協議のあと、キム委員長が米国について言及したのはこれが初めてである。
一方、国営メディアはキム委員長が民族の聖地とされるペクトゥ山に登ったという写真も公開し、同行した者たちは「革命が前進する雄大な作戦が繰り広げられると確信した」と伝えていて、米国を揺さぶるために何らかの対抗措置を取る可能性を示唆した。
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北朝鮮情勢を追う(10月14日)
日本のEEZにおいて水産庁漁業取締船と北朝鮮漁船が衝突し、北朝鮮漁船が沈没した問題をめぐり、政府はこの時に撮影された動画を公開する方向で検討している。
まだ検討段階ではあるが、動画を公開する以上は、日本国民にも国際社会にも日本の正しさを証明するものである必要がある。動画の公開によって北朝鮮の漁船員が水産庁の漁業取締船の警告に従わなかった様子や、どんな状況で船同士が衝突したのかがより具体的にはっきりとすることになり、それだけでも衝突の真相がより具体的になることは確かである。...
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日本のEEZにおいて水産庁漁業取締船と北朝鮮漁船が衝突し、北朝鮮漁船が沈没した問題をめぐり、政府はこの時に撮影された動画を公開する方向で検討している。
まだ検討段階ではあるが、動画を公開する以上は、日本国民にも国際社会にも日本の正しさを証明するものである必要がある。動画の公開によって北朝鮮の漁船員が水産庁の漁業取締船の警告に従わなかった様子や、どんな状況で船同士が衝突したのかがより具体的にはっきりとすることになり、それだけでも衝突の真相がより具体的になることは確かである。
ただしこれだけでは十分ではない。公開される動画は日本が正しいことを示すデータとして必要かつ十分な条件を備えている必要がある。具体的には、動画が撮られた日付や時間がはっきりしていることに加えて、日本のEEZ内であることがはっきりとわかるものである必要がある。それらは日本の主張の正しさを裏打ちするデータとしての役割があり、非常に重要なポイントである。仮に日付が刻印されていなかったり、動画では場所がどこだかわからない場合には、その日その場所にいたことをGPSによって示したデータなど、補足資料などを合わせて公開する必要が出てくる。一方で、この動画を公開し日本の正しさを主張するにしても、北朝鮮がEEZの定義の問題を持ち出してきて自らの正当性を主張してくる可能性もあり、その場合には話がこじれる可能性もある。ただ安倍首相としてはそうしたことも想定内であり、この動画公開をきっかけにして北朝鮮を交渉のテーブルにつかせることを狙っていく可能性も考えられる。
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北朝鮮情勢を追う(10月13日)
日本のEEZにおいて水産庁漁業取締船と北朝鮮漁船が衝突し、北朝鮮漁船が沈没した事件をめぐり、しばらく沈黙を守ってきた北朝鮮だったが、今になってようやく口を開いた。北朝鮮外務報道官は12日、「日本政府がわが方の漁船を沈没させ、物的損害を与えたことについて賠償し、再発防止対策を講じることを強力に要求する」と朝鮮中央通信などの北朝鮮メディアを通じて主張した。さらに同報道官は「日本側は船員を救助したというが、(海に投げ出されたことで)彼らの生命の安全は脅かされた」と批判した。...
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日本のEEZにおいて水産庁漁業取締船と北朝鮮漁船が衝突し、北朝鮮漁船が沈没した事件をめぐり、しばらく沈黙を守ってきた北朝鮮だったが、今になってようやく口を開いた。北朝鮮外務報道官は12日、「日本政府がわが方の漁船を沈没させ、物的損害を与えたことについて賠償し、再発防止対策を講じることを強力に要求する」と朝鮮中央通信などの北朝鮮メディアを通じて主張した。さらに同報道官は「日本側は船員を救助したというが、(海に投げ出されたことで)彼らの生命の安全は脅かされた」と批判した。これに対し日朝首脳会談を模索している安倍総理大臣がどのような対応を取るのかが注目されている。
事故をめぐっては、菅官房長官が記者会見で衝突現場の様子を撮影した映像を公表する方向で検討していることを既に明らかにしている。2010年、東シナ海の尖閣諸島周辺で中国漁船と海上保安庁の船の衝突事故の時には結果的に動画が流出し、これによって日本人が事件の実相を知ることができたが、動画を見ないとはっきりとわからないことも多い。日本国民もこの映像がいつ公開されるのかを固唾を飲んで見守っている。
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北朝鮮漁船と水産庁の取締船衝突(10月12日)
北朝鮮船籍とみられる漁船と水産庁の取締船が衝突した事故を巡り、菅官房長官は事故当時の映像を公開する方向で検討していることを明らかにした。これまでは公開しないとの一点張りだったが、北朝鮮側の60人の乗務員を救出し北朝鮮側に返したことを弱腰すぎると批判の声が高まったことや「(北朝鮮漁船との間で)何が起きているのかをはっきりさせるべきだ」との声が挙がっているために公開検討の方向にシフトしたものとみられる。...
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北朝鮮船籍とみられる漁船と水産庁の取締船が衝突した事故を巡り、菅官房長官は事故当時の映像を公開する方向で検討していることを明らかにした。これまでは公開しないとの一点張りだったが、北朝鮮側の60人の乗務員を救出し北朝鮮側に返したことを弱腰すぎると批判の声が高まったことや「(北朝鮮漁船との間で)何が起きているのかをはっきりさせるべきだ」との声が挙がっているために公開検討の方向にシフトしたものとみられる。情報を公開することは民主主義国家としては、あるべき態度であり、日本国民としては歓迎したい。さらに日本の領海やEEZでの違法操業を毅然と取り締まることは国として行うべき当然の行為であり、これまで米朝の融和路線と歩調を合わせるかのように安倍首相は条件をつけずに北朝鮮側と話し合う用意があるとのスタンスをみせてきたが、今回の映像を公開することは北朝鮮側の態度を硬化させ、日本に対する新たな挑発を招くリスクとなる可能性もある。
不思議なことに今のところ北朝鮮側からは水産庁取締船との衝突の件に関して何の声明もリアクションも出されていない。漁民が海に投げ出され危うく死にかかったにしては不自然である。もしかするとこの映像に北朝鮮にとって、漁船が武装している場面など、何らかの不都合な情報が映っているのかもしれない。その場合、この映像を公開するかしないかが北朝鮮との交渉のためのカードやきっかけとなる可能性もないとはいえない。日本としてはそれを利用しない手はない。万一を考えると水産庁の取締船では武装漁船に対処できない。海上保安庁所属の船の稼働が待たれる。漁船衝突映像がいつ公開されるのか、この公開に絡む動きを注視していきたい。
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金正恩、党創建日に錦綉山へ(10月11日)
10日、朝鮮労働党創建74周年当日、金正恩委員長は中央政治局員らと共に錦綉山太陽宮を参拝した。11日の朝鮮中央通信が伝えたもの。
金正恩委員長と他の参列者は、金日成主席と金正日委員長の遺体を謹んで参拝した。崔竜海労働党中央政治局常務委員や、朴奉珠党中央副委員長らの政治局員が同道した。当日、金正恩委員長は党幹部たちとともに、党創建74周年記念公演も鑑賞した。
朝鮮労働党は1945年10月10日に創建され、1948年9月9日の朝鮮民主主義人民共和国成立後、執権党になったもの。...
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10日、朝鮮労働党創建74周年当日、金正恩委員長は中央政治局員らと共に錦綉山太陽宮を参拝した。11日の朝鮮中央通信が伝えたもの。
金正恩委員長と他の参列者は、金日成主席と金正日委員長の遺体を謹んで参拝した。崔竜海労働党中央政治局常務委員や、朴奉珠党中央副委員長らの政治局員が同道した。当日、金正恩委員長は党幹部たちとともに、党創建74周年記念公演も鑑賞した。
朝鮮労働党は1945年10月10日に創建され、1948年9月9日の朝鮮民主主義人民共和国成立後、執権党になったもの。
記事では同行者は政治局員のみとなっているが、掲載された写真には後方の列に制服組が映っている。2018年に北朝鮮が経済優先路線を採ってから、軍の行事以外では金正恩委員長の同行者としては背広組のみの写真がほとんどであった。この一葉の写真のみでは、北朝鮮が再び軍に重きをおくようになったとは断じきれないものの、気になる写真である。
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