【米国バイデン政権】
動き出したバイデン政権のアジア政策(2月6日)
2027年は人民解放軍創設100周年にあたる。この年までに台湾統一という国家目標を達成したいと習近平国家主席は本気で考えている。その意思は既に第19期中央委員会第5回総会で習主席によって示されている。これからの7年間、中国は台湾を中心に、東シナ海と南シナ海を取り囲む第1列島線をあらゆる手段を使って突破しようとしてくることが考えられる。
2月1日、中国が海警法を施行し、中国が定める「管轄海域」において、コストガードを装った事実上の戦艦である「海警」の武器使用を可能にさせたのもこの流れの一環であり、中国は米国の台湾政策や南シナ海政策に関する出方を探りつつ、着々と目標に向けて駒を進めている。...
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2027年は人民解放軍創設100周年にあたる。この年までに台湾統一という国家目標を達成したいと習近平国家主席は本気で考えている。その意思は既に第19期中央委員会第5回総会で習主席によって示されている。これからの7年間、中国は台湾を中心に、東シナ海と南シナ海を取り囲む第1列島線をあらゆる手段を使って突破しようとしてくることが考えられる。
2月1日、中国が海警法を施行し、中国が定める「管轄海域」において、コストガードを装った事実上の戦艦である「海警」の武器使用を可能にさせたのもこの流れの一環であり、中国は米国の台湾政策や南シナ海政策に関する出方を探りつつ、着々と目標に向けて駒を進めている。
一方、今後のアジア地域での米国の出方を探る上で2つの大きな方向性が米国から出てきた。ひとつは1月13日に「インド太平洋における戦略的枠組み」と題された機密文書が機密指定解除の上で公開されたことである。
これはトランプ前政権によるものだが、この文書には沖縄からフィリピンを結ぶ第1列島線の域内で、中国が制空・制海権を長期間確保することを防ぐことや、台湾を含む第1列島線に位置する国を米国が防衛することなど、中国にとっては受け入れられない政策が数多く記載されている。
二つ目は1月20日のバイデン大統領就任式に合わせて米国が空母ルーズベルトを台湾の近くに航行させ、南シナ海に入らせようとしたことである。前日の19日の台湾軍による軍事演習も含めて、この出来事が中国を大きく刺激し、1月23日と24日、計2日間で28機というかってない規模の中国空軍機を台湾の防空識別圏に入った。
中国の爆撃機は8機もあり、1つの爆撃機から対艦ミサイルが2発同時に撃てるので、合わせて16発撃てる。これを米空母に向けて誇示した形である。これは中国の核心的利益である「台湾にちょっかいを出したらただでは済まない」という中国の重大な意思表示であり、2027年までのどこかのポイントでこうした武力衝突が現実化する可能性がないとは言い切れない。
第1列島線上にあるすべての要素は中国にとってはパッケージである。つまり尖閣諸島における日本と中国の紛争もこのパッケージの中に含まれている。バイデン政権は日米安保第五条によって米国は尖閣を守るとの立場を鮮明にしているが、米国は肝心の領有権問題に関しては「特定の立場は取らない」としており、今回、インド太平洋調整官に就任したキャンベル氏も以前オバマ政権時代に公聴会でそのように明言している。「海警」部隊が尖閣に上陸し、「尖閣は中国の領土だ」と宣言してしまえば、第五条の発動はなくなるということである。
中国人を上陸させないことがなにより海上保安庁の重要な任務であり、「海警」のカウンターパートである海上保安庁の機能強化や海上自衛隊との連携システム構築が日本にとって必須作業となる。
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「航行の自由作戦」を実施・米国バイデン政権で初めて(2月6日)
米国海軍第7艦隊によるとミサイル駆逐艦「ジョンマケイン」が南シナ海の西沙諸島周辺で「航行の自由作戦」を行った。
声明で「作戦の実施により中国が合法的に領海だと主張できる範囲を超えていて国際法と矛盾することを示した」としている。
「航行の自由作戦」は中国などが行き過ぎた海洋権益の主張を行っているとして国際法に基づき航行を行い、その主張をけん制するものでバイデン政権での実施は初めてである。
米国・バイデン大統領・外交方針についてスピーチ(2月6日)
米国・バイデン政権の外交政策だが、バイデン大統領が国務省でスピーチを行った。
まず米国が世界で果たすべき役割についての考えを述べた。
ロシアの米国の選挙への介入、サイバー攻撃、毒殺疑惑などの行為に断固とした態度をとる。
中国を最も深刻な競合国と位置づけ、経済の悪用、人権侵害に立ち向かう。
ミャンマーには身柄を拘束した人々を解放するようミャンマー軍に呼びかけた。イエメンの内戦については連合軍への支援を停止する。
外交方針・米国・バイデン大統領“中国・ロシアに懸念”(2月5日)
米国のバイデン大統領は外交方針について演説し、影響力を拡大させる中国やロシアによる民主主義への攻撃に懸念を示したうえで、同盟国との連携を強化することで課題に向き合っていく決意を示した。
バイデン大統領はこの4年間軽視され乱用されて後退した外交的な同盟関係を修復し、協力という習慣を再び築かなければならないとしてトランプ前政権下でぎくしゃくした同盟国との関係を修復していく考えを示した。
一方でバイデン大統領は米国の利益になるのであれば中国政府と協力していく用意はあるとも述べ、中国との共通の利益が見出せる分野では連携していくとした。...
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米国のバイデン大統領は外交方針について演説し、影響力を拡大させる中国やロシアによる民主主義への攻撃に懸念を示したうえで、同盟国との連携を強化することで課題に向き合っていく決意を示した。
バイデン大統領はこの4年間軽視され乱用されて後退した外交的な同盟関係を修復し、協力という習慣を再び築かなければならないとしてトランプ前政権下でぎくしゃくした同盟国との関係を修復していく考えを示した。
一方でバイデン大統領は米国の利益になるのであれば中国政府と協力していく用意はあるとも述べ、中国との共通の利益が見出せる分野では連携していくとした。
また新型コロナウイルスや気候変動など地球規模の課題に向き合うためにも外交や重要だと述べ、国際社会のリーダーとしての役割を担っていく決意を示した。
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就任10日・バイデン大統領・前政権からの転換強調・手法には批判も(1月30日)
29日で就任から10日経った。バイデン大統領はこの間、新型コロナウイルスや経済、気候変動などの分野で連日具体的な政策を打ち出し、トランプ前政権の政策からの転換を強調した。
ただその多くは議会を経ずに大統領の権限で実行を命じるもので、就任後10日間で出された大統領令は少なくとも25とトランプ前大統領の7を大きく上回っている。
こうした手法には批判も出ている。人工妊娠中絶に反対する人たちがバイデン政権に抗議するデモ行進を行った。...
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29日で就任から10日経った。バイデン大統領はこの間、新型コロナウイルスや経済、気候変動などの分野で連日具体的な政策を打ち出し、トランプ前政権の政策からの転換を強調した。
ただその多くは議会を経ずに大統領の権限で実行を命じるもので、就任後10日間で出された大統領令は少なくとも25とトランプ前大統領の7を大きく上回っている。
こうした手法には批判も出ている。人工妊娠中絶に反対する人たちがバイデン政権に抗議するデモ行進を行った。バイデン大統領は28日、中絶を支援する団体への援助を可能にするよう大統領権限で命じている。
大統領権限の多用について有力紙・ニューヨークタイムズは「共和党の支持者からはやりすぎであり国の結束を目指すという約束への裏切りだと非難の声が出ている」と指摘していて、融和より分断を深めるという批判も出ている。
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