少子化日本「社会機能を維持できるかの瀬戸際」
岸田首相が今週施政方針演説を行ったが、依然として構造的な問題を抱える少子化問題について報じられている。
1月24日付米
『CNN』:「少子化危機を変えるのは”今しかない”」:
岸田首相は23日の施政方針演説で、少子化への危機感を表明。進む少子化により、「社会的機能を維持できるかの瀬戸際にある」とし、この問題の解決は「今しかない」と強調した。
日本は世界的に最も少子化が進んだ国の一つで、2022年の出生数は1899年以来となる80万未満を記録。同時に世界的に長寿国の一つでもあり、2020年には1500人に1人が100歳以上となっている。...
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1月24日付米
『CNN』:「少子化危機を変えるのは”今しかない”」:
岸田首相は23日の施政方針演説で、少子化への危機感を表明。進む少子化により、「社会的機能を維持できるかの瀬戸際にある」とし、この問題の解決は「今しかない」と強調した。
日本は世界的に最も少子化が進んだ国の一つで、2022年の出生数は1899年以来となる80万未満を記録。同時に世界的に長寿国の一つでもあり、2020年には1500人に1人が100歳以上となっている。このような傾向が、高齢化や労働人口や若者の減少といった人口動態の危機につながっている。
専門家が少子化の要因として指摘するのは、生活費の高騰、都市部の家の狭さや保育サービスの不足で、子育てが難しくなっていることから、子どもを持つカップルが減っているという。また、都市部では核家族で子育ての手助けが得られない点も挙げられている。
結婚や家族を持つことに対する考えも近年変化がみられている。パンデミックでそのどちらも延期するカップルも多くなっている。また、若い世代が将来に悲観的であり、多くが仕事のプレッシャーと景気停滞に不満を抱えているという。
政府は過去数十年、保育サービスの促進、子育て世帯への住居施設支援等、人口減少対策として様々な取り組みを始めており、地方では子どもが生まれた世帯へ給付金を出している自治体もある。
他の東アジアでも人口問題は懸念されており、韓国では世界一少子化の記録を塗り替え、2022年11月には女性一人あたりの出生率が0.79人となった。(日本の出生率1.3人、米国は1.6人)一方中国では、2022年、飢饉により数千万人が死亡した1960年代以来初めて人口が減少に転じた。
同日付英『ガーディアン』:「若者からすでにそっぽを向かれた首相の少子化対策」:
岸田首相は今週の施策方針演説で、少子化により機能不全となるリスクがあるとの警戒感を示したが、劇的な人口動向危機解決への糸口は依然として見えていない。
日本の出生率は1.3人で、人口を維持するのに必要とされる2.1人よりずっと低い一方、65歳以上が人口の28%を超え高齢化が進んでいる。これに政府は2つの施策、働く時間短縮と経済的支援策をとってきたが、現政権に至ってもこの一本調子の施策に、若者は概ね拒否感を示している。新たな施策方針でも少子化対策にかかせない構造的な解決策は見られず、新設されるこども家庭庁による「子どもファーストの社会経済」という決り文句に終始しているのである。
今後の少子化対策としては、支援金や就労世帯への放課後ケアの拡充、育児休暇取得の促進が示されているが、これまでの少子化を食い止める努力も限定的な効果しかなかった。日本財団の意識調査によると、17~19歳のわずか16.5%が「必ず結婚すると思う」と回答しているという。
メディアは、若者は突然急に結婚や家族に抵抗をもつようになったのではないと指摘する。野心や希望が経済的な現実に直面したときに問題が生じるのだという。子どものいる世帯の経済的負担は大きく、塾や大学費用などの高い教育費が、持てる理想的な子どもの数を狭める主な要因となっている。児童手当は子育て支援にはなるが、根本的な経済格差是正にはつながらないのだという。
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韓国、福島原発汚染水放出の安全性を懸念
政府は、東京電力福島第一原発の処理水を海に放出する方針を示しているが、これに韓国や中国などの国が懸念を表明していると報じられている。
1月15日付韓
『聯合ニュース』:「安全性評価終わらぬまま汚染水放出へ」:
韓国政府は、日本の福島第一原発で汚染水を放出する計画について、放射能の安全評価プロセスが終了していないと強調。
原子力安全保安委員会 (NSSC) のユ・グクヒ委員長は、「政府の最優先事項は人々の安全と健康を守ること」だとし、「韓国政府は日本の原子力規制当局が承認しているこの計画の妥当性を検証している」としている。...
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1月15日付韓
『聯合ニュース』:「安全性評価終わらぬまま汚染水放出へ」:
韓国政府は、日本の福島第一原発で汚染水を放出する計画について、放射能の安全評価プロセスが終了していないと強調。
原子力安全保安委員会 (NSSC) のユ・グクヒ委員長は、「政府の最優先事項は人々の安全と健康を守ること」だとし、「韓国政府は日本の原子力規制当局が承認しているこの計画の妥当性を検証している」としている。
昨年5月、日本の原子力規制当局は、損壊した原子炉のトリチウムが検出される汚染水の太平洋への放出にゴーサインを出した。
NSSCは原子力規制当局へ4度回答を求めたが、一部の回答しか得られていないとしており、「放出施設や計画が適切なもので安全基準に従って行われるか客観的で科学的な方法で検証されなければならない」としている。
また、韓国原子力安全研究所は、国際原子力機関(IAEA)の求めに応じ、汚染水のサンプル分析しており、終了後に結果を同機関へ提出するとしている。NSSCは、来月から独自のモニタリングシステムを運用し、韓国周辺の約40箇所で海水のサンプル調査を行うとしている。
1月13日付英『ガーディアン』:「今後数ヶ月中に福島原発の処理水を海に放出へ」:
原子力発電所から放射性物質を除去した数百万トンの処理水の放出が開始されるという。政府は北部の春か夏に開始するとしているが、漁業関係者や近隣諸国からは反発の声が上がっている。
東京電力は、ほとんどの放射性物質の濃度を国の基準より低く薄める「処理」を済ませた水だと説明。ALPSとして知られる放射性物質除去技術で、少量では無害とされるトリニチウム以外は取り除けるとしている。
国際原子力機関(IAEA)もまた、世界の原子力発電所でも、低レベルのトリニチウム等の放射性核種を含む汚染水の放出では同様のプロセスが採られているとしている。
一方で、韓国と中国はこの放出に懸念を表している。太平洋諸島フォーラムjも「深刻な懸念」を表し、ヘンリー・プナ事務局長は、太平洋の大半の地域は島々の住民であることから、環境や人体の健康への影響に関して確信が得られるまで延期すべきだとしている。
福島産の海産物の輸入を未だに禁止している韓国政府は、汚染水の放出は海洋生物に「大きな脅威」を与えるものだとしている。周辺地域の漁業協同組合は、消費者への不安を与え、福島産の海産物の安全性を伝えてきた努力に反するものだとして放出に反対している。
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