2022年生活費が最も高い都市はニューヨークとシンガポール(2022/12/02)
イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門の最新レポートによると、今年世界で最も生活費が高い都市はニューヨークとシンガポールとなったという。
12月1日付英
『ガーディアン』:「2022年世界で最も物価が高い都市はニューヨークとシンガポール」:
今年最も生活費が高い都市はニューヨークで、シンガポールと並んだ。調査を行ったエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の世界主要都市の物価比較レポートによると、世界各地でエネルギー価格が急騰し、インフレ率が倍増した影響とみられる。
昨年首位だったテレアビブ(イスラエル)が3位に下落。...
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12月1日付英
『ガーディアン』:「2022年世界で最も物価が高い都市はニューヨークとシンガポール」:
今年最も生活費が高い都市はニューヨークで、シンガポールと並んだ。調査を行ったエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の世界主要都市の物価比較レポートによると、世界各地でエネルギー価格が急騰し、インフレ率が倍増した影響とみられる。
昨年首位だったテレアビブ(イスラエル)が3位に下落。シドニーがトップ10入りし、ロシアのモスクワとサンクトペテルブルグは経済制裁や石油価格上昇の影響で88位も上昇した。
ベネズエラの首都カラカスは今年物価が132%上昇、2019年のハイパーインフレの影響でランクは下がったものの高止まりしている。
通貨が下落しランクを落とした都市もある。東京や大阪は最もランクを落とした10都市に入り、それぞれ37位と43位で、2021年の13位と10位から下がった。最も下げ幅が大きかったのは、スウェーデンのストックホルムとルクセンブルグで、38位下がって99位と104位となった。シリアのダマスカス、リビアのトリポリは依然として最も生活費の安い都市となっている。
シンガポールがトップに立ったのは全く驚くべきものではなく、2021年にも2位タイ、過去10年間で8回も首位となっており、今年ニューヨークが首位となったのは初のこと。
イギリスの3都市はすべて順位を落とした。ロンドンは昨年の17位から28位に、エジンバラは27位から46位、マンチェスターは41位から73位に下がっている。オーストラリアを見ると、港湾都市を中心に総じて上昇。
上昇を続ける石油価格がインフレの最たる要因で、平均すると1リットルあたり22%値上がりしている。ロシア以外の代替供給先をさがしている欧州の都市では、天然ガスや電気も29%値上がりし、世界平均11%の3倍となっている。
レポートによると、今後はウクライナ戦争が激化しない限り、エネルギーや食糧などの物価は、2022年の上昇率と比べれば、2023年には安定するとみられる。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(AFP通信):「インフレの影響で世界一物価の高い都市はニューヨークとシンガポール」:
2022年の世界的インフレにより、世界で最も生活費が高い都市にニューヨークとシンガポールが選ばれた。1日英エコノミストの調査部門が8月、9月に実施した「世界各地の生活費インデックス」に関する最新レポートが発表された。
レポートによると、「ウクライナ戦争や長引くパンデミックにより、エネルギーや食糧の流通が困難になったことから、世界の大都市で生活費が高騰した」という。
ニューヨークが1位となったのは初の一方、香港とロサンゼルスは5位から脱落。最も生活費が安い都市は変わらず、ダマスカス(シリア)とトリポリ(リビア)だった。
調査対象の172の都市での物価上昇率は平均8.1%と高騰した。国により多少の違いはあるが、アジアの各都市では、物価上昇率は平均4.5%と、急激な上昇は免れる傾向にあった。
調査では5万項目の商品が米ドルに換算され、「都市ランキングにはドル高の影響が大きい」。今年FRBがインフレ抑制策として金利を引き上げたことでドルが上昇した。ニューヨークの他、米国ではロサンゼルスとサンフランシスコがトップ10にランクインした。
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次のパンデミックは北極の凍土からの可能性(2022/10/19)
最新の研究によると、地球温暖化により北極の凍土が溶解し、危険なウイルスが放出されることで、環境や人体に影響があるかもしれないという。
10月19日付仏
『フランス24』(AFP通信):「気候変動で北極のウイルスが溢れ出す恐れも」:
18日発表された研究によると、地球温暖化により北極のウイルスが放出され、環境や人体に影響を及ぼす可能性があるという。
放出されたウイルスは増殖するため、人間、動物、植物や菌類など新たな寄生先となる宿主を見つけるが、コビット19で見られたように、大抵は免疫に欠陥がある宿主に寄生する。...
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10月19日付仏
『フランス24』(AFP通信):「気候変動で北極のウイルスが溢れ出す恐れも」:
18日発表された研究によると、地球温暖化により北極のウイルスが放出され、環境や人体に影響を及ぼす可能性があるという。
放出されたウイルスは増殖するため、人間、動物、植物や菌類など新たな寄生先となる宿主を見つけるが、コビット19で見られたように、大抵は免疫に欠陥がある宿主に寄生する。
生物科学雑誌「Royal Society」に掲載されたカナダの研究では、北極圏で最大の湖であるヘイズン湖のサンプル調査が行われた。調査チームは夏の5月、2メートルの氷河を削り、解凍した湖底や土を調査。遺伝子反応で、ウイルスの生息地や、推定される寄生場所を推定したところ、「湖底のウイルスと宿主に顕著な違いがみられ、これは放出のリスクを意味する」という。
研究は、「パンデミックが起きる劇的な放出の可能性は低いとするも、宿主が以前に住み着かなかった地域に移動すれば、そのリスクが増大する」としている。
同日付英『ガーディアン』:「次のパンデミックは凍土溶解による可能性」:
最新の研究によると、次のパンデミックは、コウモリや鳥ではなく、凍結した氷河から来るかもしれない。
カナダの研究チームは、氷河ウイルスのリスク調査のため、氷河の溶解水が流れ込む北極圏最大の淡水湖であるヘイズン湖の調査を行った。その結果、氷河の凍結水が大量に流れ込む場所でリスクが高いことがわかった。
湖の沈殿物の分析によると、氷河が解けた場所では、ウイルスが新たな宿主に感染することで、ウイルス放出のリスクが高まっている。気候変動により地球の温度が上がるにつれ、氷河や永久凍土に閉じ込められたウイルスや微生物が再活性化し、周りの野生生物などに感染するかもしれない。
だが、放出のリスク予測が、即放出によるパンデミックを意味するわけではない。ウイルスと媒介生物が同時に存在しなければ、この可能性は低いという。
一方、気候変動により、現在存在している種が変化し、古代からのウイルスや微生物の媒介者も変化すると予想されている。温暖化により、「ある特定の環境下では放出のリスクが増しおり、ヘイズン湖での寄生変化が、他の地域の湖沼でも起きているのではないかとの仮説も成り立つ。
2016年には、北シベリアで炭疽菌に感染した子供1人が死亡、7人が感染したとされ、熱波により永久凍土が溶解し、感染した鹿の死骸が露出したことが原因とされた。シベリアでは1941年にも感染拡大がおきていた。
また、未知のウイルスが凍土に存在する可能性も指摘した近年の研究もある。昨年米国の大学が、中国チベット平野の凍土サンプルから新種のウイルスを発見。2014年フランスの研究所は、シベリアの永久凍土から「巨大ウイルス」の蘇生に成功している。
明確なことは、北極圏では温暖化が急速で、人類への主な脅威は気候の影響からきていること。また、一定地域で発生したウイルスが、我々の地域や北極圏のエコスステムに影響する場合があることだ。
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