2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに備えて、まず新しい東京都知事が選出されるが、それとは別に、北朝鮮からの不測のミサイル攻撃やイスラム過激派組織によるテロ攻撃に対応すべく、着々と準備が進められている。
7月29日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用):「北朝鮮のミサイル攻撃の脅威に備えて、日本が2020年東京オリンピックまでにパトリオット迎撃ミサイル増強」
「●専門家筋によると、北朝鮮からのミサイル攻撃の脅威に備えて、日本の自衛隊は2020年の東京オリンピックまでに、パトリオット迎撃ミサイル(PAC-3)システムを増強する計画。
●直近10年間で最大の防衛システム増強で、PAC-3の迎撃距離を30キロメーター(19マイル)まで倍にして、北朝鮮のムスダン中距離弾道ミサイルを迎撃するもので、2017年増強予定。...
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7月29日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用):「北朝鮮のミサイル攻撃の脅威に備えて、日本が2020年東京オリンピックまでにパトリオット迎撃ミサイル増強」
「●専門家筋によると、北朝鮮からのミサイル攻撃の脅威に備えて、日本の自衛隊は2020年の東京オリンピックまでに、パトリオット迎撃ミサイル(PAC-3)システムを増強する計画。
●直近10年間で最大の防衛システム増強で、PAC-3の迎撃距離を30キロメーター(19マイル)まで倍にして、北朝鮮のムスダン中距離弾道ミサイルを迎撃するもので、2017年増強予定。
●なお、韓国軍は現在のPAC-2システムを2018年までにPAC-3に増強計画。
●軍事専門家は、東京オリンピック招致決定が、自衛隊の軍備増強の追い風になっており、2017年度の防衛費予算において、PAC-3システム増強にかかる1兆円(9億5,500万ドル)を織り込む見込みとコメント(編注;2016年度防衛費予算額は5兆541億円)。
●日本は、先日米軍が韓国に配備することとした終末高高度迎撃ミサイル(THAAD)システムの導入も考えられるが、PAC-3増強の選択の方が有益。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「日本、2020年東京オリンピックを控えてパトリオット迎撃ミサイル増強」
「●日本の防衛省報道官はこの報道を否定。
●但し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が6月に実施した、ムスダン中距離弾道ミサイルの発射実験において、1発目は失敗でも2発目はほぼ成功と認められたため、日本への脅威が増々高まり、何らかの対応が必要と判断されたと推測。」
7月30日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「日本、北朝鮮の核兵器攻撃の脅威に備えてミサイル防衛システムを増強」
「●
『ジャパン・タイムズ』紙は、日本の自衛隊は、北朝鮮による核開発やミサイル発射実験が繰り返され、日本への脅威が高まっているとの判断から、2020年東京オリンピック開催に備えて、パトリオットPAC-3ミサイル迎撃システムの増強を計画と報道。
●北朝鮮が発射した2発目のムスダン長距離弾道ミサイルは、水平距離約400キロメーター(249マイル)と日本沿岸までの距離の半分以上、また、垂直距離は1,000キロメーター(621マイル)に達しており、日本全域をカバーする射程距離3,000キロメーター(1,864マイル)を優に超えると推測され、日本にとっては深刻な脅威。
●また、軍事専門家は、ムスダン中距離ミサイルは秒速数キロメーターと言われ、現行のPAC-3システムでは迎撃できないため、PAC-3の迎撃速度及び正確性を増強する必要があると分析。
●なお、防衛省にとって最大の防衛システム提供会社の三菱重工は、PAC-3システム製造の米ロッキードマーチン及びレイセオンとのライセンス契約の下、2017年4月以降に増強工事に着手予定との情報。」
一方、7月29日付中国
『環球時報』(
『新華社通信』記事引用):「日本の警察庁、日本がテロ攻撃の標的となる可能性を指摘」
「●警察庁は7月29日にリリースした“2016年警察庁白書」において、2020年の東京オリンピック含めて、日本がテロ攻撃の標的になる可能性を示唆し、厳重警戒の必要性を指摘。
●2013年にはアルジェリアの天然ガスプラントで10人の日本人がテロ集団に襲われ死亡、また、2015年にも2人の日本人ジャーナリストが、イスラム過激派組織イスラミックステートの捕虜となり殺害されており、国内外で日本人に対するテロ攻撃の脅威が増す。」
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日米トップが合意した、沖縄県普天間基地の辺野古地区移転について、これに真っ向から反対する現沖縄県知事と政権との間で訴訟合戦が繰り広げられている。そしてこの程、その代理戦争と言われる、普天間基地のある宜野湾市市長選の投票日を迎えた。ただ、米メディアの一部が報道しているものの、今のところ、欧州、アジアメディア等は日米メディアの引用記事を流すのみで、さほど注目していないようにみられる。
1月24日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信米国版』記事引用)は、「米軍基地移転に関わる地元市長選で、政権と沖縄県の戦い」との見出しで、次のように報じた。
「・米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区移転問題に関わり、1月24日投票日の同市市長選において、安倍政権の推す現職の佐喜眞淳氏(51歳)と、沖縄県知事が後押しする新人の志村恵一郎氏(63歳)とが激突。
・政権側は、沖縄振興予算の増額と、普天間基地跡地にディズニーリゾートの誘致の話題を持ちかけることで浮動票囲い込みに躍起。...
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1月24日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信米国版』記事引用)は、「米軍基地移転に関わる地元市長選で、政権と沖縄県の戦い」との見出しで、次のように報じた。
「・米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区移転問題に関わり、1月24日投票日の同市市長選において、安倍政権の推す現職の佐喜眞淳氏(51歳)と、沖縄県知事が後押しする新人の志村恵一郎氏(63歳)とが激突。
・政権側は、沖縄振興予算の増額と、普天間基地跡地にディズニーリゾートの誘致の話題を持ちかけることで浮動票囲い込みに躍起。
・一方、翁長雄志知事と辺野古移設反対派(沖縄県選出衆議院議員、県議会議員、辺野古地区の名護市市長及び同市議会議員等)は、第二次大戦で唯一本土決戦となって多くの市民を犠牲にしただけでなく、以来米軍基地が沖縄県に多く存在(編注;在日米軍基地の23%)していることから、これ以上基地を増やさないよう強く要求。
同日付中国
『チャイナ・ナショナル・ニュース』(
『ジャパン・タイムズ』記事引用)
は、「安倍首相は普天間基地が(移転してまでも)何故必要か説明すべき」との見出しで、
以下のように伝えた。
「・安倍首相は1月12日、衆議院予算委員会で、国防に関わる事項は地方政府ではなく中
央政府が決める必要があると力説。
・すなわち、辺野古地区への普天間基地移設は、沖縄県の要望に拘らず、実行するとの意思表示。
・しかし、普天間基地を辺野古地区に移転することは、国防上どうして必要なのか説明不十分。」
なお、1月24日選挙の結果、現職の佐喜眞氏(自民・公明推薦)が当選したため、これまで逆風(注後記)だった政権側にとって、久し振りの追い風となり、辺野古地区の沿岸埋め立て工事の本格化に弾みがつくとみられる。
(注)政権にとっての逆風:2008~2010年に実施された、衆議院議員、県議会議員、名護市長、名護市議会議員選挙において、いずれも辺野古移設反対派が勝ち、更に、2014年の知事選で、移設容認派の仲井眞前知事を破って翁長氏が当選するに至り、沖縄県民の多数が辺野古移設反対に傾いたと考えられた。
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