フランス、第二波対策として抗原検査を大々的に展開(2020/10/13)
24時間で8505人の新規感染者数、96名の死亡、1539人の重症患者を記録し、現在第二波真っただ中のフランス。フランス当局はPCR検査よりも迅速に検出できる抗原検査キットを大々的に展開していく方針を打ち出そうとしている。老人ホームや大学などで対象を絞って検査を行うキャンペーンを展開していくだけでなく、薬局や開業医でも気軽に受けられるようにしていく方針だ。
『ハフィントンポスト』によると、フランス保健高等機構(HAS)は9日、クラスター対策として、職場や大学、学校、老人ホームなどでの対象を絞ったスクリーニング作業の一環として、PCR検査よりも迅速に検出できる抗原検査の積極的な使用を容認した。
HASは9月中旬に、すでに症状のある人や、48時間以内にPCR検査が得られない人を対象に、抗原検査の使用を許可していた。先週の新たな認可は、ウイルスの拡散が急速に拡大していることが懸念されている地域や施設であれば、無症状の人でも検査を受けることを可能にしている。...
全部読む
『ハフィントンポスト』によると、フランス保健高等機構(HAS)は9日、クラスター対策として、職場や大学、学校、老人ホームなどでの対象を絞ったスクリーニング作業の一環として、PCR検査よりも迅速に検出できる抗原検査の積極的な使用を容認した。
HASは9月中旬に、すでに症状のある人や、48時間以内にPCR検査が得られない人を対象に、抗原検査の使用を許可していた。先週の新たな認可は、ウイルスの拡散が急速に拡大していることが懸念されている地域や施設であれば、無症状の人でも検査を受けることを可能にしている。
5日には、既にパリの老人ホームのスタッフを対象に試験的な検査が行われた。予防対策として、今後14日間の周期で、スタッフが抗原検査を受けていく予定だという。フランスでは、新型コロナウイルスの流行以来、3万2千人以上の犠牲者のうち、1万人以上が老人ホームで犠牲となっている。保健当局によると、8日付けの進行中の1296のクラスターのうち、251のクラスターが老人ホームとなっている。
またフランスの東部地域圏では、予防策として、学校が11月の秋休みに入る前に地域の 21万人 の学生を対象に抗原検査が実施されることが決まった。
『レゼコー』によると、フランス保健省は、健保組合や医療関係の組合と話し合いを進めており、抗原検査をクラスター対策として用いていく中、今後は、全国の開業医、開業看護師、そして薬局で抗原検査を実施できる方法を話し合っているという。
薬剤師組合(FSPF)のフィリップ・ベセ会長は、「大々的なインフルエンザ予防接種キャンペーンを管理し、鼻咽頭サンプリングの手法を学び、新型コロナウイルス患者が他の患者と混ざらない方法を考えなければならないので、薬局にとっては試練だ」と語っている。さらに、薬局は開業医や開業看護師に検査キットの供給をしなければならなくなるため、この段階では金銭的な問題よりも物流上の問題の方が大きいと述べている。
一方で開業医組合のジャック・バティストニ会長は、「健康保険は、キットの購入、キットを使用した診察に 15 ユーロ(約1800円)の補助金を提案している。これでは採算が取れない」と述べている。そのため、組合は、診察に加えて21ユーロ(約2600円)を要求しており、さらには、検査の無料提供と医師のための防護具の提供を要求している。
フランス保健省は、抗原検査の大々的な展開はあくまで補助的な対策であり、PCR検査が最も信頼性が高くスタンダードの検査であり続けると警告している。
閉じる
英国富豪トップ6人の資産、貧困層1300万人分と同じ(2019/12/05)
新たに発表された報告によると、英国の最も裕福な6人は最も貧しい1300万人と同じくらい多くの富を支配しているという。報告書をまとめた著者らは、こうした大きな富のギャップは「危険」であると指摘している。
『ハフィントンポスト』によると、今週3日に発行された英国慈善団体「Equality Trust」が、米経済紙フォーブスのデータとクレディ・スイス銀行のデータをもとに調査をしてみたところ、自動車、銀行、不動産、化学業界における経営者達でもある最裕福者6人(5家族)だけで460億ユーロ(約5兆5480億円)に相当する資産を余裕していることが分かった。これは、英国で最も貧しい人々1300万人分と同等であるという。...
全部読む
『ハフィントンポスト』によると、今週3日に発行された英国慈善団体「Equality Trust」が、米経済紙フォーブスのデータとクレディ・スイス銀行のデータをもとに調査をしてみたところ、自動車、銀行、不動産、化学業界における経営者達でもある最裕福者6人(5家族)だけで460億ユーロ(約5兆5480億円)に相当する資産を余裕していることが分かった。これは、英国で最も貧しい人々1300万人分と同等であるという。
同報告書の著者らは「この報告書は、英国では不平等の上限が危険なほど高いことを明確にしている、そしてそれは2010年以降悪化の一途をたどっている。[…]世界経済大国第5位の国で、所得と富の不平等の度合いが、裕福国の中でも最も高い水準に属している。」と指摘している。
同団体は、英国の総人口の5分の1にあたる1,400万人が貧困状態にあり、そのうち150万人は生活の基本的なニーズを満たすことができていないと推定している。
同団体代表のワンダ・ワイポルスカ博士は英『ガーディアン』に対し「この報告書は、今日の英国の状態を気にかけている人には衝撃を与えるはずです」と語った。 そして「最裕福の人達とその他圧倒的多数の人達との間のこのような大きな差は危険です。 極端な富が非常に少数の人々に集中していることは、経済システムがいかに壊れているかを示しています。」と述べた。
英国の一人当たりの平均資産は2008年以降毎年増加しており、現在では2007年の水準を41%上回っているが、増加分が均等に分配されていないことが問題だという。
この調査結果はSNS上で熱烈な議論を引き起こしており、多くの人々が、少数の超裕福家庭と多数の貧しい人々との富のギャップを非難している。
労働党は英国の億万長者の3分の1が保守党に寄付したことを指摘しており、今月の総選挙でも不平等が重要な選挙課題となっている。
閉じる
その他の最新記事