フランス、新型肺炎の接触通知アプリ導入も利用者伸びず不人気
フランスでは、新型肺炎の流行が急速に減速し始めている中、政府が開始した接触通知アプリ「StopCovid(ストップコビッド)」が導入された。感染者と1メートル以内の距離で15分以上いた場合、自動的に通知を受け取る仕組みでブルートゥースという機能が使われている。しかし、アプリに対する国民の関心は低く、利用者数が低迷している。
『フランス アンフォ』によると、新型肺炎の感染者を追跡し、濃厚接触者に通知するために政府によって開発された、接触通知アプリ「StopCovid」は、今月4日から利用可能となったが、利用者数に伸び悩んでいる。利用開始から1週間で150万人のフランス人が携帯にダウンロードしたが、これは人口のわずか2%にしか過ぎない。
政府側は、アプリは、第2波が発生した場合の欠かせないツールとして捉えており、現段階での利用者数はあまり重要ではないと捉えている。...
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『フランス アンフォ』によると、新型肺炎の感染者を追跡し、濃厚接触者に通知するために政府によって開発された、接触通知アプリ「StopCovid」は、今月4日から利用可能となったが、利用者数に伸び悩んでいる。利用開始から1週間で150万人のフランス人が携帯にダウンロードしたが、これは人口のわずか2%にしか過ぎない。
政府側は、アプリは、第2波が発生した場合の欠かせないツールとして捉えており、現段階での利用者数はあまり重要ではないと捉えている。
しかし、民間企業の支援を得て無料で設計されたアプリの運用には、月額10万ユーロ(約1200万円)のコストがかかり、ある汚職防止協会は、この額は実際には20万ユーロ(約2400万円)を超えると指摘している。同協会は入札がなかったことを非難し、フランス金融検察局(PNF)に訴えたところだ。これに対し政府はアプリ立ち上げ時の緊急性を強調しており、アプリにかかったコストについて透明性を約束している。
『BFMTV』によると、接触通知アプリは、リリース後1週間で150万回ダウンロードされたが、接触通知は「ほんの一握り」にとどまっているという。
このアプリの有効性は、それを使用する人の数に依存してくるが、デジタル専門家達は、アプリを絶えず使用しているユーザーの数は、ダウンロードした人の数よりもはるかに少ない可能性があると推測している。誰がブルートゥースをオンにしているかは把握できないシステムとなっている。
『フランス24』によると、デジタル担当副大臣のセドリック・オ氏はユーザー数に関する特定の目標は設定していないと述べており、「公共交通機関や、カフェやレストランを利用する」都市部に住む人々にとってアプリが「特に有用」であると指摘している。
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フランスの新型コロナウイルス研究、子供は伝染力が弱いと結論
フランス小児学会の副会長である小児科医のロベール・コーエン医師が4日、新型コロナウイルスの子供の伝染力について研究結果を発表した。研究によると、15歳未満の子供は新型コロナウイルスに感染してもほとんど拡散させておらず、他の年齢層よりも伝染力が弱いことが判明した。
『レクスプレス』によると、首都パリを中心としたイル・ド・フランス地域圏で、4月14日から5月12日にかけて27名の小児科医によって605人の子供を対象に研究が行われた。血清学的診断法により、最も感染の拡がっていた地域の子供たちは、その10%が感染していたことが判明した。また、外出禁止令の間にPCR検査を受けた子供たちのうち、1.8%が陽性であった。
しかしコーエン医師は、「この陽性率をさらに詳しく調べて見たところ、伝染性があるのは驚いたことに0.6%だけであった。...
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『レクスプレス』によると、首都パリを中心としたイル・ド・フランス地域圏で、4月14日から5月12日にかけて27名の小児科医によって605人の子供を対象に研究が行われた。血清学的診断法により、最も感染の拡がっていた地域の子供たちは、その10%が感染していたことが判明した。また、外出禁止令の間にPCR検査を受けた子供たちのうち、1.8%が陽性であった。
しかしコーエン医師は、「この陽性率をさらに詳しく調べて見たところ、伝染性があるのは驚いたことに0.6%だけであった。また、10人中9人は、先に感染した大人から子供にうつされたものであった」とコメントしている。
今回の結果に対し、コーエン医師はいくつかの仮説を立てている。まず、子供たちが鼻粘膜のウイルス受容体が少ない可能性があるという仮説だ。また、「交差免疫」という仮説も考えられる。旧型のコロナウイルスに感染した経験を、リンパ球が覚えていて新型にも反応している可能性があるということだ。
更に別の仮説としては、「訓練免疫」というものであり、子供は「いつも鼻水が出ているため、感染症に対してより耐性があるという考えだ。
フランス小児学会幹事長のクリステル・グラルグアン医師は『フランス アンフォ』の取材に対し、今回子供達を調査した結果「この年齢層のウイルス拡散の役割はとても小さく、この年代から採取したサンプル分析の結果、感染率は非常に低く、伝染力も非常に低かった」と話している。「保護者達は、安心して学校再開に向けた準備を行うよう」薦めている。
グラルグアン医師はまた、子供たちの学校生活と社会生活への復帰は、懸念事項よりも推薦する根拠のほうが多いと指摘している。「この病気は子供達とはあまり関係性がないのに、社会的距離の保持や集団活動の制限など、過度の感染防止措置に参加させることは残念だ」と述べている。
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