今週、遅らせていた経済活動が再開された米フロリダ州で、保健局の女性スタッフが「新型コロナウイルスに関するデータの操作を拒否したため解雇された」と主張しているという。新型コロナ感染状況などが一目で確認できる同局のポータルサイトを作っていたという。今回のコロナのような前代未聞の公衆衛生における緊急事態において、正確性と透明性よりも経済活動が優先されたのではとの疑念が上がっている。
5月20日付英国
『ガーディアン』は「経済再開政策に有用となるコロナのデータ変更を拒み解雇されたとフロリダの科学者が主張」との見出しで以下のように報道している。
今週月曜、ほぼ全ての郡で、海水浴、外食、映画館、ジム、美容院などで通常営業が始まる中、フロリダ州保健局でコロナ関連データを扱う任務についていたレベッカ・ジョーンズ氏が、情報を検閲を拒否したため同州が経済活動を再開した日に、解雇されたと主張している。...
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5月20日付英国
『ガーディアン』は「経済再開政策に有用となるコロナのデータ変更を拒み解雇されたとフロリダの科学者が主張」との見出しで以下のように報道している。
今週月曜、ほぼ全ての郡で、海水浴、外食、映画館、ジム、美容院などで通常営業が始まる中、フロリダ州保健局でコロナ関連データを扱う任務についていたレベッカ・ジョーンズ氏が、情報を検閲を拒否したため同州が経済活動を再開した日に、解雇されたと主張している。同氏はネット上のコロナ感染拡大データを管理する立場にあった。経済活動再開計画を後押しするよう、手動でデータを変更するよう指示されたことを拒んだという。
フロリダ州のロン・デサンティス知事のスポークスマンは、現在のところ、同氏の主張を否定し、彼女はコロナデータ変更決定だけでなく、疫学チームや上司の業務命令に何度も背いた勤務怠慢により解雇されただけだとしている。ジョーンズ氏は、地理とジャーナリズムの修士号をもち、死亡例、検査、観察患者、国や郵便番号、住民登録地などの豊富な情報からデータベースを構築した。無給の長時間労働の上、多くのデータ改ざんがあるという。削除するよう命じられたデータは、感染が確認される前の数か月前のコロナ患者の症状の報告が含まれていたとされる。
この解雇の件は、正確で偏りない統計が不可欠な仕事につく科学研究者らの動揺を招いている。民主党はこれが政治的意図で行われたものとし、民主党テリー・リッツォ議長は、「フロリダ州政府が操作、データ変更のため解雇した。経済再開をより安全だと見せるためやったとしたらとんでもないことだ。」、「これは危険で違法。独立調査が必要だ」とし、市や州当局は公衆衛生保護を監視すべきだとしている。
当件は、共和党ブライアン・ケンプ知事のもとにある、ジョージア州でも批判が起きている。同州保健局では、コロナ患者が減少傾向にあるとする虚偽のデータベースの数値を出し謝罪に追い込まれた経験がある。
フロリダは死者数や入院患者が増えるのではとするメディアを批判し、フェーズ1で経済再開に安全だと主張してきた。トランプ支持の知事は、今日オーランドでフロリダの観光再開に向け、対策本部長のペンス副知事と会談予定。
5月19日付米国『フロリダ・トゥデイ』は「フロリダの科学者がコロナデータ改ざんを拒み解雇されたと主張」との見出しで以下のように報道している。
フロリダのコロナデータポータルサイトを構築した科学者レベッカ・ジョーンズ氏は、データ改ざんを拒否したため、今月5日保健局から解雇されたと主張している。地理学とマスコミ学で修士号を持つジョーンズ氏は、1人で2言語で2つのアプリ、4つのダッシュボード、6つのオリジナルの地図を作成していた。これはフロリダの感染状況をリアルタイムで観るためのデータだったが、多くの変更が行われていたという。同局では最近、経済活動再開に関連のあるデータ追跡を指示され、短い間にそちらにスタッフの労力が取られていったという。その後移動を命じられ、データのユーザーから政府が監視しているのではないかとの疑惑の声が上がっていた。
今月5日、同氏はスペイン語版ダッシュボードの設置を発表、その日解雇されたという。先月12日のイースターの竜巻で両親の家が倒壊した(支援ファンディングが立ち上がった)ときを含め、60日休みなく仕事をしたという。
リサーチャーからのフィードバックに対応するのは、彼女ひとりで、全部のコードラインを管理の責任者だった。リサーチャーらは、州政府が経済活動再開を優先するため情報を改ざんしていた証拠となるとしている。コロンビア大生物保健学者は、政治家が科学を検閲し数字を操作すると、被害は国民に及ぶと指摘。民主党議長は調査を求めるとしている。
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