金正男氏殺害実行犯の公判開始-重罪か、あるいは無罪放免か【英・タイ・マレーシアメディア】(2017/10/01)
7月28日付
Globali「北朝鮮の金正男氏殺害実行犯の裁判が10月2日に開廷」で報じたとおり、いよいよ本日からマレーシア高等裁判所で審理が始まる。特殊訓練を受けた訳ではない2人のアジア女性容疑者に重罪を科すことが妥当なことか、そもそも北朝鮮に逃亡してしまった、肝心のVX神経薬剤を準備して実行犯を裏で操った北朝鮮容疑者グループとの関係はどうなるのか、マレーシア司法の判断に注目が集まっている。
9月30日付英
『ザ・テレグラフ』紙:「金正恩の異母兄暗殺実行犯2人のアジア女性、死刑判決が下るか“大きな賭け”」
マレーシア裁判所で10月2日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム、45歳)氏殺害容疑で、2人のアジア女性実行犯に対する公判が始まる。
インドネシア人シティ・アイシャ被告(25歳)とベトナム人ドアン・ティ・フォン被告(28歳)で、2月13日にクアラルンプール国際空港において、被害者の顔にVX薬剤を塗り付けて殺害した容疑が掛けられている。...
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9月30日付英
『ザ・テレグラフ』紙:「金正恩の異母兄暗殺実行犯2人のアジア女性、死刑判決が下るか“大きな賭け”」
マレーシア裁判所で10月2日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム、45歳)氏殺害容疑で、2人のアジア女性実行犯に対する公判が始まる。
インドネシア人シティ・アイシャ被告(25歳)とベトナム人ドアン・ティ・フォン被告(28歳)で、2月13日にクアラルンプール国際空港において、被害者の顔にVX薬剤を塗り付けて殺害した容疑が掛けられている。
しかし、フォン被告の代理人ヒシャム・テー・ポー・テイク弁護士は、彼女は国際的暗殺行為に関わっているとは露知らず、ただテレビのいたずら番組の撮影だと騙されて演じただけであるので、“有罪にはならない”と信じていると述べた。
同日付タイ
『バンコック・ポスト』紙:「金正男殺害事件公判に当り多くの疑問」
マレーシア裁判所が、2人の被告女性に殺人罪を適用するとの判断をすれば、死刑判決が下る恐れがある。
しかし、この判断を下すには、以下の大きな疑問が立ちはだかる。
・1993年の国連化学兵器禁止条約で禁止対象となったVX神経薬剤を、どうやって入手したのか。
・2人の被告はVX神経薬剤を直接素手で触っていたが、どうして健康被害を受けなかったのか。
・そもそも、貧困層に生れ、育った2人が、どうして国際的暗殺計画という極秘事件に関われるのか。
なお、公判準備の段階で、担当裁判官のアズミ・アリフィン判事は、公判用に23日充てることを決めていて、結審は11月30日を予定している。
10月1日付マレーシア
『マレーメール・オンライン』:「金正男殺害事件の公判が10月2日にマレーシアで開廷」
金正男殺害事件の公判が行われるのは、クアラルンプール近郊のシャー・アラム高等裁判所である。
検察側は、ムハンマド・イスカンダール・アーマド首席検事が率いて、VX神経薬剤の専門家10人を含め、30~40人を証人喚問する予定である。
一方、弁護側は、グーイ・スーン・セング弁護士がアイシャ被告の代理人を、また、ヒシャム・テー・ポー・テイク弁護士及びナラン・シン弁護士がフォン被告の代理人となっている。
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米国TPP撤退で残る加盟国は・・・(2017/01/24)
ドナルド・トランプ米大統領が、オバマ前大統領のアジア政策の要だった環太平洋経済連携協定(TPP)からの撤退を促す大統領令に署名した。米国の撤退表明で、残る加盟国は11か国、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナム、オーストラリアとニュージーランド。
米国との関係の深いカナダは保護主義は双方の利益にならない、オーストラリアやニュージーランドはTPPの代替案での継続を模索しており、インドネシアや中国の参加にも期待を寄せる。TPPを経済の起爆剤として期待していた日本は安倍首相がトランプ氏との直接対談で説得にあたるも、トランプ氏の選挙中の公約は守られた形となっている。今後の残る加盟国の交渉の行方が注目される。
1月24日付
『ロイター通信』は「米国のTPP撤退後もオーストラリアとニュージーランドは代替案を検討」との見出しで以下のように報道している。
米国トランプ大統領がTPPからの撤退を表明したのを受けて、豪州とニュージーランドは中国等のアジア諸国へ交渉を求めている。ニュージーランド貿易相は数か月のうちに米国以外のTPP加盟国に会談の機会をもち、TPP継続を検討したいとしている。
オバマ元大統領のアジア重視の要だったTPPは合意のみで批准はまだだったが、米国の撤退という形となった。...
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1月24日付
『ロイター通信』は「米国のTPP撤退後もオーストラリアとニュージーランドは代替案を検討」との見出しで以下のように報道している。
米国トランプ大統領がTPPからの撤退を表明したのを受けて、豪州とニュージーランドは中国等のアジア諸国へ交渉を求めている。ニュージーランド貿易相は数か月のうちに米国以外のTPP加盟国に会談の機会をもち、TPP継続を検討したいとしている。
オバマ元大統領のアジア重視の要だったTPPは合意のみで批准はまだだったが、米国の撤退という形となった。日本の安倍首相はTPPを経済改革の起爆剤と期待していた。
オーストラリアのチオボー貿易相は、「豪州ABC」で、「中国とインドネシアが米国撤退の隙を埋めると期待しており、インドネシアは強い興味を示し、中国も改良案によっては交渉可能で、もともと他国の参加を期待する構造だった」等と発言している。
ニュージーランドの貿易相、トッドマクレーは、「ロイター」へのメールで、「先週のダボス会議で他国とも話合ったが、前進する方法を今後数か月で決めたい。合意は今も自由貿易協定(FTA)として有効だ」と述べている。 ニュージーランドにとっては日本、カナダ、メキシコ、ペルーとの自由貿易協定は初となる予定。
24日付豪州
『スカイニュース』は「オーストラリアはTPP継続を模索」との見出しで以下のように報道している。
月曜、米トランプ大統領が大統領令により、米国のTPPの巨大貿易協定からの脱退を表明したが、調印式でトランプ氏は、「皆、これはどんな意味か知っているか?長い間協議してきた。これは米国の労働者にとって良い事だ。」と発言したという。
米国撤退はオーストラリアのマルコム・ターンブル首相には大打撃である、まさかトランプ氏がTPP破棄公約を実行はしないだろうという希望を持っていた。
一方、米国滞在中のチオボー貿易相は、「これは驚くことではない。就任式から彼は米国の撤退の構えだったと見ていた。TPP12マイナス1、米国なしのTPP継続に動き出している。オーストラリア他多くのTPP加盟国は合意された利点をまだ生かそうと注力している。」と述べている。
23日付マレーシア
『マレーメールオンライン』は「マレーシア、他のTPPA加盟10か国は代替策協議へ」との見出しで次のように報道している。
米国のTPPA撤退を受け、他の加盟国は今後の方針を協議する予定。国際貿易産業副大臣は、「米国を除く11か国はそれぞれ協議を行ってきた。一か国抜きでも他国は継続したいと考えている。世界経済を主導してきた米国が保護主義をとれば、世界経済への打撃が大きく、他国からの制裁を招くだろう。」としている。
24日付カナダ
『CP24』は「米国のTPP撤退で対米貿易は不透明に、専門家」との見出しで次のように報道している。
トルドー首相やトランプ政権対策協議でカルガリー滞在中のフリーランド外相からのコメントはまだない。カナダはTPPに慎重な構えを見せてきたが、TPP救済について政府は、米国なしでの合意はないとしていた。一方日本は、トランプ氏の考えが変わりTPPを続けられるのではという希望にしがみついていた。 菅官房長官は「米国抜きのTPPは大変厳しいが、2018年の批准までは時間がある。米国説得の機会はまだあると信じている。」としていた。安倍首相はトランプ氏と直接会談でTPPのメリットを説明し、カナダ他加盟国にトランプ氏説得を呼びかけていた。日本の批准説得にも、カナダは二国間合意を模索すると伝えた。日本はトランプ新政権説得に必須でないとして、TPP加盟国と2国間交渉は行っていなかった。
カナダの貿易専門家によると、トランプ氏の決定は、NAFTAを含む 貿易関係の更なる混乱を招く恐れがあり、カナダはNAFTA交渉の行方にも注意が必要だという。トランプ氏が11か国と個別交渉をするかは不確か。
世界銀行の調査によると、TPP圏は世界の経済の13.5%を占める。
カナダ貿易省は、昨年の調査で、TPP加盟による長期GDP成長で40兆ドルの黒字となるが、TPP加盟なしの場合は50億ドルの赤字となると試算している。
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