大掛かりな個人・組織の汚職スキャンダルとしては、会長をも巻き込んだ国際サッカー連盟(FIFA)の注目度が著しく、また、ロシア陸上連盟の組織的ドーピング疑惑が、国際陸上競技連盟(IAAF)及び国際オリンピック委員会(IOC)にも波及するおそれがあり、スポーツ興行界は大変なことになっていると以前報じた。では、国別の汚職状況はどうなっているのか、この程非政府組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」(TI、注後記)が発表した、2015年の汚職指数ランキング(100点満点で採点)で明らかにされた。それによると、対象168ヵ国・地域の3分の2は以前50点以下であるが、64ヵ国が得点を増やし、評価を下げた53ヵ国を上回っていることから、汚職状況は改善しつつあると各国メディアが伝えた。
1月27日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「汚職度、デンマークが最良で北朝鮮・ソマリアが最低」との見出しで、次のように報じた。
「・非政府組織TIは1月27日、“汚職指数ランキング2015”を公表。
・トップは91点獲得のデンマークで、2年連続の首位(その前2年間は首位タイ)。
・2位以下は、フィンランド(90点)、スウェーデン(89点)、ニュージーランド(88点)、オランダ・ノルウェー(87点)、スイス(86点)、シンガポール(85点)、カナダ(83点)、ドイツ・ルクセンブルク・英国(81点)。...
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1月27日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「汚職度、デンマークが最良で北朝鮮・ソマリアが最低」との見出しで、次のように報じた。
「・非政府組織TIは1月27日、“汚職指数ランキング2015”を公表。
・トップは91点獲得のデンマークで、2年連続の首位(その前2年間は首位タイ)。
・2位以下は、フィンランド(90点)、スウェーデン(89点)、ニュージーランド(88点)、オランダ・ノルウェー(87点)、スイス(86点)、シンガポール(85点)、カナダ(83点)、ドイツ・ルクセンブルク・英国(81点)。
・最低は僅か8点の北朝鮮とソマリア。
・米国が76点で16位タイ、また、英国が81点で10位タイとそれぞれ最高位を獲得。
・対象168ヵ国・地域の3分の2が50点以下(世界平均点は43点)。しかし、64ヵ国が改善と、評価を下げた53ヵ国より多いことから、汚職状況は少しずつ改善に向かっていると評価。」
同日付米
『USAトゥデイ』紙は、「TIのレポート、暴力・圧政が汚職に関係」との見出しで、以下のように伝えた。
「・TIの中南米担当理事のサラ氏は、汚職指数ランキング・レポートは20年目を迎えたが、これまでで判ったことは、貧困が汚職度を上げるのではなく、制度・法令がどれだけしっかりしているかにかかるとコメント。
・例えばベネズエラやイラクは(国の収入源に貢献する)資源を豊富に有するが、北朝鮮・ソマリア・アフガニスタン・イエメン・シリアなど最低評価の15ヵ国のグループ。
・一方、スウェーデン(3位)は国としての評価は高いが、同国の電信電話会社が汚職度153位のウズベキスタンにおける贈賄容疑で告発されている。
・スウェーデン以外でも、経済協力開発機構(OECD)加盟34ヵ国の半数が、海外での事業展開に当り汚職に関与と非難。」
同日付ロシア
『モスクワ・タイムズ(ロシア英字紙)』は、「ロシアの汚職ランキング
改善」との見出しで、次のように報じた。
「・1995年から発表されている“汚職指数ランキング”でロシアは2015年、前年より17
位順位を上げて119位と改善。
・2012年は133位、2013年は127位、そして2014年は136位だった。」
1月28日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ英国版』は、「英国、汚職指
数ランキングで10位に躍進」との見出しで、以下のように伝えた。
「・英国は、2015年汚職指数ランキングで初めてトップ10入り。
・2010年には20位まで順位を下げていた。
・その他、米国はひとつ順位を上げて16位、フランスは3つ上げて23位、スペインはひとつ上げて36位、イタリアも8つ上げて61位、そして中国は17位上げて83位。」
なお、日本の順位は18位で前年より3つ順位を下げている。その他、順位を下げた主な国は、豪州、ブラジル、トルコ、リビアなどである。
(注)TI:腐敗、特に汚職に対して取り組む国際的な非政府組織。世界中の腐敗をリスト化した「腐敗認識指数」(Corruption Perceptions Index)を毎年発表していることで知られる。本部所在地はドイツ・ベルリン。最初は1993年5月にドイツで非営利団体として発足し、その後国際組織へと発展。
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