米通信大手ベライゾンによる、米ヤフーのネットなどの中核事業の買収が完了した。米グーグルやフェイスブックに押されて競争力を失ったヤフー・ネット事業が、ベライゾン傘下の米ネット大手AOLと事業統合され、新たなスタートを切ることになる。なお、ヤフージャパンと中国通販最大手アリババの資本関係は切り離されていて、米ヤフーの新会社アルタバが引き続き株式を保有するため、本買収劇によって両社のオペレーションに何ら影響はないとされている。
6月13日付英
『ヤフー・ニュース英国版』(
『AP通信』配信):「米ベライゾンによる45億ドルの米ヤフー買収が完了」
米ベライゾンが、米ヤフーのネット等中核事業を45億ドル(約4,950億円)で買収する手続きが6月13日に完了した。21年に及ぶ米ヤフーのネット事業の歴史が終わり、5年近く同社を率いたマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は退任する。
ベライゾンは、2年前に44億ドル(約4,840億円)で買収したAOLと事業統合して、新会社オウスの下でネット事業の強化を図る。...
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6月13日付英
『ヤフー・ニュース英国版』(
『AP通信』配信):「米ベライゾンによる45億ドルの米ヤフー買収が完了」
米ベライゾンが、米ヤフーのネット等中核事業を45億ドル(約4,950億円)で買収する手続きが6月13日に完了した。21年に及ぶ米ヤフーのネット事業の歴史が終わり、5年近く同社を率いたマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は退任する。
ベライゾンは、2年前に44億ドル(約4,840億円)で買収したAOLと事業統合して、新会社オウスの下でネット事業の強化を図る。オウスのCEOには、AOLのティム・アームストロングCEOが就任する。
米ヤフーは、これまで米ネット事業を牽引してきたが、新興企業のグーグルやフェイスブックに押されて、昨年末の収益は35億ドル(約3,850億円)と、2008年のピーク時より35%も落ち込んでいた。同時期のグーグルの年間収益は、730億ドル(約8兆300億円)であった。
なお、中国通販大手のアリババとヤフージャパンの株式は、米ヤフー新会社のアルタバが引き続き保有することになるため、両社とベライゾンとの資本関係はない。
6月14日付米
『CNNニュース』:「マリッサ・メイヤー氏、2億6,000万ドルの報酬を得て米ヤフー退任」
ベライゾンによるヤフー中核事業の買収完了に伴い、ヤフーCEOのマリッサ・メイヤー氏は2億6,000万ドル(約286億円)の報酬を得て退任する。
米証券取引委員会に提出されていた直近報告では、同氏はヤフー株式を450万株保有していたため、6月13日のヤフー株価、約52.50ドル(約5,780円)を基に計算すると2億3,600万ドル(約259億6,000万円)の売却益、そして、退職金として2,300万ドル(約25億3,000万円)を得ることになる。
同日付中国
『上海ネット・ニュース』:「米ヤフー中核事業の買収が完了し、メイヤー氏は退任」
米ベライゾンは昨年7月、米ヤフーのネット等中核事業を、48億ドル(約5,280億円)で買収する計画を発表したが、その後米ヤフーの約10億人分のユーザー情報が、2013年と2014年の2度のハッキング被害で流失していたことが判明したため、買収手続きが頓挫していた。
その後、この問題に伴う損失等を考慮して、最終買収価格を3億5,000万ドル(約385億円)減額し、44億8,000万ドル(約4,930億円)とすることで合意に至ったもの。
なお、ベライゾンは、同事業買収後にAOLと事業統合させることに伴い、両社の従業員のうち約2,000人を解雇することになるという。
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