2月10日付米
『ユーラシア・レビュー』:「中国、フィリピン国防部に巨額援助」
フィリピン政府は2月9日、中国がフィリピン政府に対して軍需物資や建設機械など数千万ドル相当を贈与することで合意したと発表した。
約10億ペソ(1,974万ドル、約22億7千万円)相当の贈与対象の大部分は、2017年の5ヵ月に及ぶイスラム過激派との戦闘で荒廃したミンダナオ島西部マラウィ市の再建のために使われる。...
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2月10日付米
『ユーラシア・レビュー』:「中国、フィリピン国防部に巨額援助」
フィリピン政府は2月9日、中国がフィリピン政府に対して軍需物資や建設機械など数千万ドル相当を贈与することで合意したと発表した。
約10億ペソ(1,974万ドル、約22億7千万円)相当の贈与対象の大部分は、2017年の5ヵ月に及ぶイスラム過激派との戦闘で荒廃したミンダナオ島西部マラウィ市の再建のために使われる。
デルフィン・ロレンザーナ国防相(73歳)は、“長い付き合いのあるパートナーでないのにも拘らず、中国は戦禍にまみれたマラウィ市のことを特別に配慮してくれ、イスラム過激派との戦闘で失った銃器や弾薬等3億7千万ペソ(720万ドル、約8億2,800万円)も贈与してくれた”と称賛した。
最初の貨物は先月到着していて、無人機・探知機・浄水車・救急車・消防車・レントゲン装置・爆発物処理ロボット・防爆スーツ・輸送車等、約6億1,200万ペソ(1,190万ドル、約13億6,850万円)相当の軍需機器である。
国防相事務所によれば、激しい戦闘が終わって5年余りが経った現在も、市内には多くの不発弾が未処理で残されており、それらを安全に除去するための、バックホーシャベル・ダンプカー・フォークリフト・ブルドーザー等の建設機械も最初の貨物に含まれているという。
首都マニラのフィリピン国軍基地で、駐フィリピン中国大使の環希蓮氏(ファン・チーリアン)から贈与品目録を受領した同国防相は、“今回の中国からの大変な贈与品は、たとえ南シナ海で領有権問題を抱えていようとも、両国が如何に友好関係で結ばれているかを示すものだ”と表明した。
なお、次の貨物は今年後半に届けられる予定で、4億3,500万ペソ(840万ドル、約9億6,600万円)相当の機器だとされているが、当局は詳細を明らかにしていない。
なお、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(76歳)は2016年に就任以来、南シナ海領有権問題で中国と戦争にでもなったら敵うはずもないとして、親中派を標榜してきており、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題では、中国からのワクチン供与について大層感謝していた。
ただ、フィリピン同盟国や国内野党勢力からの突き上げに遭って、2020年9月に国連総会で演説した際、“(2016年の)国際仲裁裁判所の裁定は国際法の一部と解釈されることから、今後誰が政権を執ろうが、弱体化されたり減少されたり、ましてや遺棄されることはない”と言及するに至っている。
同日付フィリピン『フィリピン通信』:「ロレンザーナ国防相、領有権問題があってもフィリピン・中国は友好関係と発言」
ロレンザーナ国防相は2月9日、中国とは領有権問題が存在するものの、両国は様々な分野で協力しあう友好関係にあると表明した。
同相が、当日にケソン市のフィリピン国軍基地で行われた、中国国防部(省に相当)から同国国防省宛の1億3千万人民元(10億5千万ペソ)相当の軍需機器贈呈式において発言したものである。
同相は、“中国とは西フィリピン海(南シナ海南部の南沙諸島海域)における領有権問題を抱えているが、かかる大層な軍需品の贈与を受けるに当たって、改めて両国が強い友好で結ばれているかが明らかになる”と言及した。
同贈呈式には、駐フィリピン環中国大使、杜続訂大使付き武官(トゥ・シゥーティン)、武官秘書官の林新虹少佐(リン・シンホン)、及び中国外交団一行が出席していた。
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中国はこれまで、一方的に中国が主張する南シナ海の中国主権内において、漁場及び中国漁民を擁護するためとして、毎年5月から8月の間を禁漁期間として設定してきた。そしてこの程、中国主権を更に徹底するためとして、中国“管轄内”で違法操業する外国漁船に対して高額な罰金を科すと宣言している。
12月28日付
『ユーラシア・レビュー』:「中国、南シナ海の中国主権内で違法操業する外国漁船に脅し」
中国政府はこの程、中国が主張する南シナ海の“管轄内”で違法操業する外国漁船に対して高額な罰金を科すことにしたと発表した。
中国農業農村部(省に相当、1949年前身設立)及び中国海警局(2013年設立)が連名で表明したもので、11月26日から適用されたとしているものの、12月23日付の中国政府ウェブサイトに掲載されただけである。...
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12月28日付
『ユーラシア・レビュー』:「中国、南シナ海の中国主権内で違法操業する外国漁船に脅し」
中国政府はこの程、中国が主張する南シナ海の“管轄内”で違法操業する外国漁船に対して高額な罰金を科すことにしたと発表した。
中国農業農村部(省に相当、1949年前身設立)及び中国海警局(2013年設立)が連名で表明したもので、11月26日から適用されたとしているものの、12月23日付の中国政府ウェブサイトに掲載されただけである。
その掲載文によると、“中国主権及び権益”を擁護するため、“公平、かつ公正な形での罰金を科し”、それを広く知らしめることが目的であるとする。
その内容は、中国の排他的経済水域(EEZ)内において無許可で操業した外国漁船に対して、最大40万人民元(6万2,700ドル、約720万円)の罰金が科されるだけでなく、漁獲及び漁具没収の上で追放されるという。
また、中国領海内で捕獲された場合は、最大50万人民元(7万8,500ドル、約900万円)の罰金に加えて、漁船は差し押さえられるという。
更に、“違法操業”が上記よりも厳しい規定を設定している地方省管轄内で行われた場合は、当該省規定が適用されるとしている。
中国政府が、このような規則を振りかざすのは初めてではなく、1999年以降毎年5月から8月にかけて、南シナ海における禁漁措置を講じていて、中国国営メディアによると、毎年かなりの数の漁船が拿捕されているという。
この措置に対して、ベトナム及びフィリピン漁師は、長い間漁場としてきた同海域に一方的な規定を設定した中国政府を繰り返し非難してきている。
しかし、中国政府は今年2月、中国海警法を新たに制定して、海警局艦船が中国管轄内で違法操業する外国漁船に対して必要に応じて武器使用することを認める措置を講じている。
当該法に対しては、南シナ海の領有権争いをしている多くの周辺国から異議が出された。
また、米国務省も、当該法によって中国政府が“南シナ海周辺国を威圧しようとしている”との非難声明を発表している。
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