ドナルド・トランプ大統領は、今秋の大統領選再選を目論んで、強い指導者像をアピールすべく、対中国強硬路線を邁進している。一方、仮にジョー・バイデン民主党候補が勝利しても、対中国戦略が軟弱に転じることはないとみたのか、習近平(シー・チンピン)国家主席も、万一に備えてと人民解放軍(PLA)の増強を抜かりなく行っている。そうした中、中国国営メディアが、米空軍が新たに採用した制服が、対中国戦闘を暗示する仕様になっていると難癖をつけている。
10月1日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国国営メディア、米軍の新制服が対中国戦闘仕様だと難癖」
中国国営メディア『環球時報』は9月29日、米空軍が新たに採用した制服が、対中国戦闘を暗示する仕様となっていると報じた。
『米空軍誌』(月刊)によると、“中東から太平洋地域に重点を換えるという意味から、新たに採用された空軍兵の制服には、中国を示す赤いシルエットの上にMQ-9無人攻撃機を重ね合わせたワッペンが付けられている”という。...
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10月1日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国国営メディア、米軍の新制服が対中国戦闘仕様だと難癖」
中国国営メディア『環球時報』は9月29日、米空軍が新たに採用した制服が、対中国戦闘を暗示する仕様となっていると報じた。
『米空軍誌』(月刊)によると、“中東から太平洋地域に重点を換えるという意味から、新たに採用された空軍兵の制服には、中国を示す赤いシルエットの上にMQ-9無人攻撃機を重ね合わせたワッペンが付けられている”という。
米空軍は9月29日、カリフォルニア州基地において1ヵ月近くに及ぶ訓練を打ち上げたが、新制服に現われているように、今後は太平洋地域に重点配置されることになる。
同誌によれば、同訓練には、“米空軍所属の3機のMQ-9に加えて、C-130輸送機が投入され、空母打撃群を擁する東太平洋を担当海域とする米海軍第3艦隊と合同で行われた”とし、“更に海兵隊(上陸作戦専門部隊)も参加した”という。
同州ロスアンゼルス沖のサンクレメンテ島で行われた訓練では、同島に置かれた水陸両用攻撃艇の模型へのMQ-9による攻撃も含まれていた。
かかる情報があったことから、9月29日付『環球時報』は、米空軍が南シナ海の人工島に建設された諸施設を狙って、MQ-9で攻撃を仕掛けようとしていると報じた。
更に同紙は、“中東やアフリカでの戦闘においてMQ-9が攻撃を仕掛けたことによって、多くの犠牲者や施設破壊が発生しているが、これと同等のことが南シナ海で行われる恐れがある”と訴えている。
しかし、今回の報道記事以前に、同紙主筆の胡錫進(フー・チーチン、60歳)が9月11日付社説で、“中国は、武力及び心構えとして戦争に備える必要がある”と強調し、“台湾やインドが対中国強硬姿勢に出ていること、更には、米国が裏で糸を引いて周辺国を煽っていることから、中国主権擁護のために、勇敢に戦いに挑むべき”だとアピールしていた。
この社説掲載後まもなく、中国軍がグアムの米空軍基地を核弾頭搭載大型爆撃機H-6Kで攻撃するシミュレーション・ビデオをPLAが公開している。
9月29日付中国『環球時報』:「米軍MQ-9無人攻撃機が中国を仮想敵として訓練も、“容易に撃ち落とせる”」
中国軍事専門家の胡前少(フー・チンシャオ)氏は9月29日、米空軍が、テロ対策として開発・登用しているMQ-9無人攻撃機を使って、中国を攻撃する訓練を実施しているが、PLAは容易に撃ち落とせると語った。
9月24日付『米空軍誌』が、9月3日から29日の間、太平洋海域での有事に備えた訓練を実施していて、そこには初めてMQ-9による攻撃訓練も含まれていると報じている。
そして、米空軍が新たに採用した制服のワッペンに、中国を模した赤いシルエットにMQ-9を重ね合わせた描写となっていることから、正に中国を仮想敵と見做して同無人攻撃機を投入しようとしていることが明白である。
但し、胡氏は、たとえMQ-9から攻撃されようと、PLAの地対空ミサイルを使えば容易に撃ち落とせるとコメントした。
何故なら、MQ-9は国防力が不十分な小国などには有効だが、PLAのような軍事力を誇る相手には通じないからだという。
例えば、イラン軍は2019年、MQ-9より最新鋭のRQ-4を撃ち落としているし、イエメンの武装組織フーシもMQ-9を複数機撃ち落としている、と付言している。
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