新型コロナウイルス感染者は、中国本土だけでなく今や世界各地で確認され始めている。そうした中、アジア系住民や観光客に対し嫌悪感を表す、または挑発的態度を取る人々が出てきており、フランスでは人種差別として問題になり始めている。
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『ルモンド』によると、ベトナム出身のミンさんは27日月曜日、あるドライバーが彼女に向って「ウイルスは自分にとっとけ!汚い中国人!フランスは歓迎していない!」と叫びながら車を加速させ、水を飛び散らせながら走り去っていったと語っている。
パリ南東部校外の街では、フィリピン出身のあるお母さんが買い物に行ったところ、ある男性が彼女の背後でそのお母さんを指さしながら、息子に対しウイルスと中国人について警告しているのが聞こえてきた。...
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『ルモンド』によると、ベトナム出身のミンさんは27日月曜日、あるドライバーが彼女に向って「ウイルスは自分にとっとけ!汚い中国人!フランスは歓迎していない!」と叫びながら車を加速させ、水を飛び散らせながら走り去っていったと語っている。
パリ南東部校外の街では、フィリピン出身のあるお母さんが買い物に行ったところ、ある男性が彼女の背後でそのお母さんを指さしながら、息子に対しウイルスと中国人について警告しているのが聞こえてきた。
またフランス第二の都市リヨンでは、買い物客の夫婦が、チーズ販売店でアジア人の販売員が対応することを拒否したため、販売員が泣き出してしまったという証言が寄せられている。
フランスでは、新型肺炎感染者が何人か確認されて以来、こうしたアジア系の人々に対する挑発的態度が増えており、ウイルスへの懸念の、一番の犠牲者となっている。フランス在住の日本人もその対象となっている。ある日本人学生は、「大学で、咳をすると、全員に感染させると言われてしまう」と証言している。
仏『20min.fr』によると、ある女性は、知らない人から呼び止められ「中国人もベトナム人も、他(アジア系)みんな、同じようにコロナウイルスを持っている」と言われたといい、「日常的な人種差別は、新型肺炎によって悪化している」とコメントしている。
あるアジア系女子学生は、お菓子を食べにカフェテリアに入ったところ、そこにいた学生グループが彼女をじろじろと見始め、男子学生一人はあからさまに自分の口をマフラーでふさぎ、他の女子学生は、彼女を避けるように友達に寄りかかり、「春巻きは好きだけれど最近中国は食べたくないわ」と嫌味を言ったという。その瞬間彼女は何も反応しなかった。言葉の暴力と屈辱でショックのあまり反応できなかったのだと語っている。
英『BBC』は、「普段アジア人は人種差別についあまり公には話しません。黙って耐える傾向があります。しかし(今回のように)アジア人全員を一緒くたに扱うのは、あまりにひどすぎます」というアジア人女性のコメントを報じている。
またカナダでは、中国系カナダ人コミュニティの間で、カナダ・トロントでSARS発生時に起こったことが再び起こる可能性があるのではと懸念されている。
コロナウイルスが原因のSARSは、2002年に中国で始まり、中国国内で感染した8,098人のうち774人が死亡した。カナダでは、438人に感染の疑いがあり、そのほとんどがトロント市の居住者であり、2003年の春と夏に44人が死亡した。
トロント市のカウンセラーと中国人コミュニティの代表は、水曜日に記者会見を行い、新型コロナウイルスの拡散を恐れてアジア系の住民を非難したり差別したりしないにようと住民に促したという。
カナダ『グローバルニュース』は「ますますグローバル化している世界で、様々な相互接続が賞賛される時もあれば、伝染病が流行り始めると、途端に、人々がどこ出身なのかが気になり、流行地から来ているのではないかという憶測が飛び交うのです」と、カナダ・マニトバ大学のティナ・チェン教授のコメントを報じている。
同教授は、中国人がマスクをつけていることも誤解を生んでいると指摘している。中国では健康でも環境汚染のためにマスクをしたり、感染性ではない病気の際、マスクして外出したりする。しかしカナダでは、「人々はマスク着用しているのを見ると、感染を避けた方が良い何らかの病気の持ち主なのだと認識してしまう」という。
フランスでは、「わたしは中国人。でも、わたしはウイルスではない。みんなウイルスを怖がっていることは知っている、でも偏見は持たないで。お願いします。」という中国人の青年のツィートが話題になっている。
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