3月21日付米
『ABCニュース』(AP通信):「インドの海老産業:AP通信の報道より」:
米国で消費されているエビのシェアはインド産がトップで、米国内の殆どの大型食料品店や飲食店で取り扱われている。その一番の理由は消費者にとって低価格なことだが低価格には訳がある。
2月AP通信がインド南東部のアーンドラ・プラデーシュ州の労働環境を取材。シカゴの人権団体「コーポレート・アカウンタビリティ・ラボ」が20日発表した調査報告書では、危険な労働者の搾取状況が伝えられている。...
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3月21日付米
『ABCニュース』(AP通信):「インドの海老産業:AP通信の報道より」:
米国で消費されているエビのシェアはインド産がトップで、米国内の殆どの大型食料品店や飲食店で取り扱われている。その一番の理由は消費者にとって低価格なことだが低価格には訳がある。
2月AP通信がインド南東部のアーンドラ・プラデーシュ州の労働環境を取材。シカゴの人権団体「コーポレート・アカウンタビリティ・ラボ」が20日発表した調査報告書では、危険な労働者の搾取状況が伝えられている。
米国では、一人あたり一年間のエビ消費量は5ポンド(約2.3キロ)を超え、魚介類の中でも最も人気がある。多くの米国人は米国産の食品を好んで買うが、エビの場合は国内産の割合がわずか5%で、あまり店頭に並ばず値段も高い。
1970年代、米国は世界でエビの養殖が最も盛んな国だった。その後エビはご馳走となり、20年の間にアジアで養殖技術が発展し、市場には輸入品が出回った。
インドが主要なエビ供給国となったのは、メディアがタイの魚介産業の荒れた実態を報じてからだった。2015年当時市場を占めていたタイ産エビの禁輸運動により、2千人が強制労働から開放された。現在、インド産エビは、米国で消費されるエビの40%を占めている。
インド南東部アーンドラ・プラデーシュ州では、エビ養殖のため新たに作られた孵化場や池が地域の水や土壌を汚染し、米など作物が育たないという。池からトラックで運ばれたエビは、加工所に運ばれ、女性従業員が素手か不清潔な手袋をで、冷えたエビの皮むき作業をする。多くのインド人は、地域的貧困、借金、失業に喘いでおり、このような仕事の機会しか貧困から抜け出す手段がない人も多い。
米国向けが労働搾取に関係があるかは断定はできないが、インド産エビを販売する米大手企業は、人権侵害や環境的ダメージを遺憾とし調査の意向を示している。
米国側で、低価格のエビが生産者を搾取している点も指摘されている。「コーポレート・アカウンタビリティ・ラボ」は、インド企業は生活が成り立つ賃金を支払い、労働安全衛生法を遵守すべきで、米国企業へはエビの価格見直しを、インドと米国政府へは現行法の遵守を求めている。
同日付『AP通信』:「インドのエビ産業の危険な労働環境に関する報告書」:
米国ではエビが最も消費されている魚介類だが、消費者の間でインド産エビへの懸念が高まっているという。
殆どの米国人は国内産を選ぶのだが、実際店頭に並ぶ国内産は5%のすぎず、強制労働や環境へのダメージとなる生産をさけるシステム上の欠陥が多い。
インドでも、大手企業の加工施設は衛生管理や労働基準が満たされているが、一方、米国輸入業者からは見えないところで、非常に狭い不衛生な施設があるのだ実態で、インド当局による環境への影響や規制違反への調査が十分でない。
メキシコ湾では多くのエビが取れるが、アジアに比べ、人的、環境標準が厳しく、費用がかさむ問題がある。昨年地域当局は、市場の95%を占める輸入低価格のエビと競争できないとの理由で、漁業災害宣言による財政支援を求めた。ルイジアナ州などの小規模経営の養殖業者はかつないほど倒産の危機に追い込まれているという。
米国税関国境警備局は、強制労働による輸入品規制しており、近年では、中国の綿製品、コンゴ民主共和国の金、ドミニカ共和国の砂糖の輸入を規制しているが、インド産への規制はない。
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英国政府はこの程、プロフットボール・チームを傘下に収めていたアラブ首長国連邦(UAE)出資の投資会社による英国老舗新聞社の買収計画を阻止する法案を制定しようとしている。
3月13日付
『AP通信』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』、14日付
『ザ・タイムズ』、
『ボイス・オブ・アメリカ』は、英国政府がUAE傘下の投資会社による英国保守系老舗新聞社の買収を阻止するための法案を準備中である旨一斉に報じた。
UAE副首相のシェイク・マンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン氏(53歳、2023年就任、アブダビ首長国王室の一員)は2008年、英国プレミアリーグ所属のマンチェスターシティー・プロフットボール・クラブ(1880年創設)を買収した。
これは、ロシア大富豪ロマン・アブラモビッチ氏(57歳)が2003年にチェルシー・フットボール・クラブ(1905年創設)を買収して以来の出来事であった(2022年ウクライナ軍侵攻を伴い、同氏は同年に止む無く米投資会社へ売却)。
そのシェイク・マンスール氏が率いるUAE・アブダビ首長国在のレッドバードIMIが、英国老舗新聞社『ザ・デイリィ・テレグラフ』紙(1855年創刊)を買収する動きに出た。
しかし、同紙が現保守党政権と密接な関係にあることもあって、プロフットボール・クラブ買収には何ら口を挟まなかったが、メディアの独立性や政治的な影響力を持つ資産が外資の傘下に入ること等を懸念するとして、この程、同買収を阻止するための法案制定に動き出した。
貴族院(上院に相当)のスティーブン・パーキンソン議員(40歳、2022年文化・芸術担当政務次官就任)は、“我が政府は、メディア買収の制度を修正し、新聞やその他定期刊行雑誌が外国資本によって所有されたり、影響下に置かれたりする道を排除することを明白にしていく”とコメントした。
同議員によると、今回の法改正によって、問題ありと懸念される如何なるメディア買収案件に関して、全て競争・市場庁(CMA、公正取引委員会に相当、1973年前身設立、2013年現組織設立)に調査が委ねられることになるとする。
そして、もしCMAが問題ありとの結論を出した際には、政府は当該買収案件を阻止するか、撤回させる命令を下さなければならないと規定されるという。
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