イタリア、中国推進の「一帯一路経済圏構想」からの離脱準備【米・英国メディア】(2023/08/01)
イタリアは2019年、中国との連携強化による経済活性化を目論んで、欧州域内国で初めて「一帯一路経済圏構想(BRI、注1後記)」参画を決めた。しかし、4年経って非BRI国のフランス等に対中貿易で後れをとっている現実に直面し、現政権が前政権の過ちだったと公言し、いよいよ同構想からの撤退準備に入ろうとしている。
7月31日付米
『ザ・クオーツ』オンラインニュース(2012年設立の国際ニュース専門サイト)、英国
『BBCニュース』等は、イタリア政府がいよいよ中国主導のBRIから離脱する準備に入ろうとしていると報じた。
イタリア政府はこの程、中国主導で進められているBRIに参画したことを大いに後悔している旨表明している。
同BRIは、2代前のジュゼッペ・コンテ首相(現58歳、2018~2021年在任)が中国との貿易拡大を期待して、欧州域内国として初めてBRI参画を決めたものである。...
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7月31日付米
『ザ・クオーツ』オンラインニュース(2012年設立の国際ニュース専門サイト)、英国
『BBCニュース』等は、イタリア政府がいよいよ中国主導のBRIから離脱する準備に入ろうとしていると報じた。
イタリア政府はこの程、中国主導で進められているBRIに参画したことを大いに後悔している旨表明している。
同BRIは、2代前のジュゼッペ・コンテ首相(現58歳、2018~2021年在任)が中国との貿易拡大を期待して、欧州域内国として初めてBRI参画を決めたものである。
しかし、当初期待ほど貿易額は伸びず、特に、BRI不参加のフランスが、民間航空機の大型契約(注2後記)等を通じて対中貿易を飛躍的に伸ばしており、2022年に政権を奪取したジョルジャ・メローニ現首相(46歳)は、2022年9月の総選挙に臨むに当たって、BRIへの参画は“大きな過ちだ”として離脱することを公約に上げていた。
そしてこの程新たに、グイード・クロセット国防相(59歳、2022年就任)が7月30日、『コリエーレ・デラ・セラ』紙(1876年創刊のイタリア最古の全国紙)のインタビューに答えて、“過去の政権が性急でとてもひどい行いをした”として、BRI参画の政策を厳しく非難したものである。
同国防相は、“BRI参画によってむしろ二重にマイナスの結果がもたらされている”とし、“最も愚かな例は、BRI不参加のフランスが、中国側と数百億ドルにも上る航空機の大型契約を締結する一方、イタリアの対中貿易は実質的に伸びていない”と不満を表明した。
ただ同相は、“中国との関係を損ねることなく、如何にBRI離脱を認めさせるかに苦心することになる”とも吐露している。
英国オックスフォード大学(1167年設立の国立大)中国研究センターのジョージ・マグナス経済学教授は、“今回のケースはオレンジかレモンかの古いたとえ話(いずれも柑橘類の果物)のようなものだ”とし、“イタリアは中国向けにより多くのオレンジを輸出したが、これに対して中国はイタリア向けにその倍以上のレモンを輸出することができた”と解説している。
なお、米シンクタンク、ピュー研究所(2004年設立)がBRI参画決定後翌年の2020年に欧州二十数ヵ国を調査したところ、英国・フランスに次いで3番目に中国人居住者が多いイタリアが唯一、米国よりも中国を重視するとの結果となっていたという。
しかし、BRI参画決定から4年経った現在、現政権としては、今年12月にもBRIからの正式離脱を目指すとみられている。
(注1)BRI:中国と中央アジア・中東・欧州・アフリカにかけての広域経済圏の構想・計画・宣伝などの総称。習近平総書記が2013年9月、「シルクロード経済ベルト」構築を提案したことに始まり、翌2014年11月に北京市で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で習総書記が正式に提唱。中国からユーラシア大陸を経由して欧州につながる陸路の「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ海路の「21世紀海上シルクロード」(一路)の二つの地域で、インフラストラクチャー整備、貿易促進、資金の往来を促進する計画。
(注2)民間航空機の大型契約:巨大航空機メーカーのエアバス(1970年設立の仏・独合弁事業)が2022年7月、中国三大航空会社(中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空)と締結した契約で、計292機、総額372億5700万ドル(約5兆2160億円)。
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米国、熱波・山火事の猛煙・ハリケーンそして洪水と各地で災難続き【欧米メディア】(2023/07/20)
地球温暖化の影響か、欧州やアジアの広範囲が熱波に襲われている。米国の場合は、それに加えて隣国カナダで発生した山火事に伴う猛煙、また、ハリケーンの襲来や集中豪雨による洪水にも悩まされている。
7月19日付欧米
『ロイター通信』、英国
『ミラー』紙、7月20日付英国
『BBCニュース』等は、米国が熱波に加えて、隣国カナダの山火事で発生した猛煙、また、ハワイではハリケーン襲来と災難続きであると報じている。
米国は現在、異常気象に伴って、サンベルト・ステート(注後記)での熱波、隣国カナダの山火事で発生した猛煙、更にはハワイでのハリケーン襲来と災難続きとなっている。
異常気象を引き起こす原因となる温室効果ガスを大量に発生させている二大国家の米中両国が、気候変動対策の協議を進めているが大きな進展はみられていない。...
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7月19日付欧米
『ロイター通信』、英国
『ミラー』紙、7月20日付英国
『BBCニュース』等は、米国が熱波に加えて、隣国カナダの山火事で発生した猛煙、また、ハワイではハリケーン襲来と災難続きであると報じている。
米国は現在、異常気象に伴って、サンベルト・ステート(注後記)での熱波、隣国カナダの山火事で発生した猛煙、更にはハワイでのハリケーン襲来と災難続きとなっている。
異常気象を引き起こす原因となる温室効果ガスを大量に発生させている二大国家の米中両国が、気候変動対策の協議を進めているが大きな進展はみられていない。
そうした中、米国では、科学者が警告するように、化石燃料によって起こっている気候変動に伴う異常気象が米国中でのべつ幕なしに発生しつつある。
●熱波
サンベルト・ステートのひとつであるアリゾナ州フェニックスでは、7月18日現在華氏110度(摂氏43度)超となる日が過去最長の19日連続で発生している。
また、テキサス州のサンアントニオからダラスにかけて、向こう2日間で気温が華氏105度(摂氏41度)超となる見込みである。
そこで、気象専門家は、このままいくとサンベルト・ステートに属する大都市群が、世界で初めて“エアコンなしには暮らせない”大都市地域になってしまう恐れがあると懸念している。
●猛煙
隣国カナダの山火事で発生した猛煙が、7月18日現在で西はカリフォルニア州ヨセミテ国立公園、東はニューハンプシャー州コンウェイ、そして南は遥かテネシー州グレート・スモーキー山脈国立公園にまで到達している。
そこで、各地で汚れた大気による健康被害が懸念されている。
●ハリケーン
米国立気象局(NWS、1870年設立)によると、ハリケーン・カルビンが7月19日早朝にハワイ島を襲い、10インチ(約240ミリ)の大雨に加えて時速45マイル(時速73キロメートル、秒速20メートル)の暴風をもたらすと見込まれている。
当局は、学校を閉鎖したり道路を通行止めにし、洪水や山崩れの発生に備えるよう警告を発している。
●洪水
東部バーモント州では、州都モントピリア含めて洪水に襲われている。
先週現地で発生した集中豪雨の影響とみられ、NWSによると、7月18日には雷雨の発生で更に1時間当たり1~2インチ(24~48ミリ)が降ると予想され、洪水被害が拡大することが懸念されている。
(注)サンベルト・ステート:米国南部及び南西部の、北緯37度以南の地域のことで、温暖な気候と関連してこう呼ばれる。カリフォルニア州・ネバダ州・アラバマ州・ジョージア州・フロリダ州等13州が含まれる。
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