米Meta、政治広告のディープフェイク対策強化(2023/11/10)
2024年の世界での選挙に向けて、フェイスブックやインスタグラムなどでの生成AIで作った政治広告について、AIを使ったことを開示するよう広告主に義務付けるという。
11月9日付
『AP通信』:「メタ、選挙対策としてAI生成画像を使用した政治広告を提示」
メタの8日の発表によると、フェイスブックとインスタブラムで人口知能(AI)を使って生成された政治広告は開示が必要となる。
広告を開くと、ユーザーの画面上にAIを利用したものの場合表示が出る仕組みとされ、新たなルールは来年にも開始されるという。
欧州ではAIの規制が議論されているが、米国では2024年の総選挙を控えており、法的規制には時間がない。...
全部読む
11月9日付
『AP通信』:「メタ、選挙対策としてAI生成画像を使用した政治広告を提示」
メタの8日の発表によると、フェイスブックとインスタブラムで人口知能(AI)を使って生成された政治広告は開示が必要となる。
広告を開くと、ユーザーの画面上にAIを利用したものの場合表示が出る仕組みとされ、新たなルールは来年にも開始されるという。
欧州ではAIの規制が議論されているが、米国では2024年の総選挙を控えており、法的規制には時間がない。
今年に入り米連邦選挙委員会は、2024年の選挙にむけた、政治広告でのAI生成ディープフェイク規制へのプロセスを開始。先週、バイデン政権は、AIの開発と利用に関する大統領令を発令、AI開発者へ安全性データなどの情報を政府に提供するよう求めるものとなる。
来年注目の選挙は、米国だけでなく、メキシコ、南アフリカ、ウクライナ、台湾、インド、パキスタンでも総選挙が予定されている。
マイクロソフトは7日、選挙年イニシアチブとして、広告に電子透かしを挿入するツールを発表。広告の作成者を明確にし、デジタル加工した場合に必ず証拠を残させるもの。ユーチューブなどのAI変換された声や画像は開示が必要となる。
同社は、ロシア、イラン、中国などの国はAIを利用し、米国などの選挙に介入しようとする恐れがあるとし、警戒を呼びかけている。
同日付英『BBC』:「ディープフェイクを利用した政治広告にマーク義務付け」:
メタは、フェイスブックやインスタグラムの広告の中で、AIやデジタル処理をした政治広告にマークをつけるよう求めている。ディープフェイク使用に関する規定は既に存在するが、今回更に強化を進める。
来年1月から、政治、選挙、社会問題に関連した広告においては、デジタル加工された画像や動画はその旨を開示しなければならない。人およびAIのファクトチェッカーの両方で監視していく。
動画の中の人物の発言を変えること、画像の変換、実際のイベントの内容変更、実在しない人物の描画を含み、どのような表示になるかの詳細は発表されていない。広告の趣旨上重要でないとされる画像の切り取りや色修正などの小さな変更の場合は申告の必要はない。
同社は既に、ディープフェイクの使用に関する規定を設けており、通常見た人が誤解するような場合には削除することが求められている。新たな指針では、政治、選挙、社会問題に関連した広告は、人やAIによりデジタル変換されているかを開示する必要がある。スレッズでもインスタグラム同様のポリシーを採用している。開示を怠った場合や継続して違反した場合は、ペナルティが科されるとしている。
グーグルもプラットフォーム上での同様のポリシーを発表している。ティックトックでは政治広告は許可されていない。
2024年は世界有数の民主主義国インド、米国、英国での総選挙が控えている。ロシア、南アフリカ、欧州連合(EU)でも選挙が予定されており、政治分野でAIを使って人の発言や行動を変換する「ディープフェイク」技術の悪用への懸念が広がっている。
3月、ドナルド・トランプ前大統領のニセ画像がソーシャルメディア上で拡散したが、これはAIツールを使って生成された画像だった。同月、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアへの降伏を呼びかける動画が拡散した。一方では、7月にディープフェイク動画かと思われたバイデン大統領の動画が、本物であることが判明したケースもあった。
閉じる
インド、再び世界最悪の大気汚染都市に認定【欧米メディア】(2023/11/04)
インドは、今春に中国を抜いて人口世界一となっただけでなく、国内総生産(GDP)も世界5位に躍進している。そしてこの程、世界主要都市の大気汚染モニタリングの結果、インドが経済成長と相俟って、今年も中国を抜いて世界最悪の大気汚染都市に認定されている。
11月3日付欧米
『ロイター通信』、英国
『BBCニュース』等は、インドが今年も世界最悪の大気汚染都市になっていると詳報している。
インドの首都ニューデリーは11月3日、街中がおびただしいスモッグに覆われ、大気質指数(AQI、注1後記)が“深刻”のカテゴリーとされたことから、行政府が一部の学校を閉鎖することとした。
スイスの大気質測定企業IQAir(注2後記)が公表したモニタリング結果によると、同市のAQIは“(人体にとって)危険”レベルの640と世界最悪となっていて、パキスタン北東端のラホール市(ニューデリーの約500キロメートル北西)が335で2位となっている。...
全部読む
11月3日付欧米
『ロイター通信』、英国
『BBCニュース』等は、インドが今年も世界最悪の大気汚染都市になっていると詳報している。
インドの首都ニューデリーは11月3日、街中がおびただしいスモッグに覆われ、大気質指数(AQI、注1後記)が“深刻”のカテゴリーとされたことから、行政府が一部の学校を閉鎖することとした。
スイスの大気質測定企業IQAir(注2後記)が公表したモニタリング結果によると、同市のAQIは“(人体にとって)危険”レベルの640と世界最悪となっていて、パキスタン北東端のラホール市(ニューデリーの約500キロメートル北西)が335で2位となっている。
デリー汚染管理委員会(1991年設立のデリー首都圏の独立機関)のアシュワニー・クマル委員長(71歳)は、“気温の低下、無風気象、及び農作物の収穫後の野焼き等の季節的要因が重なったものだ”とした上で、“今後2~3週間続く恐れがある”コメントした。
デリー首都圏近隣のパンジャブ州、ハリヤーナー州、ウッタル・プラデーシュ州の農家は、通常10月に収穫後、焼き畑を行って冬の作物の種まきを行っている。
かかる事態もあって、同市のいくつかの大気モニタリング基地で、AQI 480前後を記録しており、約2千万人の住民の多くが目の痛み、喉の炎症を訴えている。
AQIは0~50なら非常に良好であるが、400~500となると健康に有害となり、また基礎疾患がある人にとってはとても危険である。
地元の医師は、“直近24時間で、咳をする赤ちゃんや呼吸が苦しくなった子供を多く診察している”と語った。
また、電化製品販売会社の担当者は、多くの住民が空気清浄機を買い求めており、また、入れ替え用のフィルターの在庫が払底し、11月6日の入荷を待っているところだと述べている。
なお、今年はインドが開催国となるクリケットの第13回ワールドカップ(編注;サッカーWC、夏季オリンピックに続いて世界3番目の視聴率を誇る1975年開始の大スポーツイベント)が行われるが、開催地となるインド北西部のアフマダーバード、また、金融の中心地であるインド西端ムンバイでも大気汚染に見舞われている。
(注1)AQI:いくつかの国や地域で採用されている大気汚染の程度を示す指標。大気汚染モニタリングにより、空気中の粒子状物質や二酸化硫黄などの汚染物質の濃度を測定し、空気の汚染度を指数化したもの。環境を担当する行政機関が市民に対して発表する。
(注2)IQAir:スイスに本社を置く大気質関係の事業を行っている企業。1963年設立。大気汚染モニタリング機器、空気清浄機などの空調製品の製造販売や、委託を受けての施設内の空調設計などを実施。また各国の空気質測定データや自社製品による測定データをリアルタイムで統合し表示する大気汚染情報プラットフォームであるAirVisualの運営も行っている。
閉じる
その他の最新記事