コスタリカ、ロシアハッカー集団から大規模なサイバー攻撃を受けて非常事態宣言(2022/05/12)
中央アメリカにあるコスタリカは、ロシアを拠点に活動しているサイバー犯罪集団による、政府のシステムへの大規模攻撃を受け、国家非常事態を宣言した。8日に就任したばかりのロドリゴ・シャベス大統領は、4月18日から開始された攻撃を「サイバーテロ」行為と見なし、緊急対応を命じた。
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『BFMTV』によると、コスタリカでは現在、主に政府機関を狙ったサイバー攻撃が多発し、国内が大混乱に陥っている。5月8日の就任後、コスタリカの新大統領ロドリゴ・シャベスは、国内の情勢を考慮して非常事態宣言を出した。
実際の被害はまだ把握できていないものの、少なくとも4月18日には攻撃が始まり、複数の政府機関が攻撃対象となっている。中でも財務省が最も大きな影響を受け、財務省のサービスが麻痺し、国内経済に大々的な影響を及ぼしている。...
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『BFMTV』によると、コスタリカでは現在、主に政府機関を狙ったサイバー攻撃が多発し、国内が大混乱に陥っている。5月8日の就任後、コスタリカの新大統領ロドリゴ・シャベスは、国内の情勢を考慮して非常事態宣言を出した。
実際の被害はまだ把握できていないものの、少なくとも4月18日には攻撃が始まり、複数の政府機関が攻撃対象となっている。中でも財務省が最も大きな影響を受け、財務省のサービスが麻痺し、国内経済に大々的な影響を及ぼしている。労働省や社会保障省、コスタリカの社会保護制度などにも影響が出ているという。現在、攻撃の範囲を見極めるための調査がすすめられている。
コスタリカに対する大々的なサイバー攻撃は、ロシアに拠点があると見られているコンティというハッカー集団が行ったと主張している。コンティは、特にランサムウェアを使用する手法で知られており、2021年にサイバー攻撃で最も収益を上げたハッカー集団だとされている。同集団はコスタリカに対して、今後「より深刻な攻撃」を行うと脅している。また、コスタリカの国家機関から少なくとも672ギガバイトのデータを手に入れ、すでにその97%を公表しているという。しかし財務省は、要求された1000万ドル(約13億円)の身代金の支払いを拒否している。
米『ABCニュース』によると、セキュリティ企業Recorded Futureのアナリストであるアラン・リスカ氏は、熱帯の野生動物と海辺で知られる中米で最も安定した民主主義国家が、なぜハッカーの標的になるのかという疑問に対して、その脆弱性に関係するものだと述べている。「ハッカー集団は特定の脆弱性を探している。コスタリカにはいくつかの脆弱性があり、ランサムウェア攻撃を行う人々はその脆弱性を発見し、それを利用したというのが最も可能性の高い説明である」という。
英『スカイ・ニュース』によると、米国国務省は、今回の攻撃を引き合いに出し、コンティの主要幹部に関する情報提供に対して最高1500万ドル(約19億円)の報奨金を出すと発表した。同省は次のように述べている。「この報酬を提供するにあたり、米国は世界中のランサムウェアの被害者を、サイバー犯罪者による搾取から保護するというコミットメントを表明しています。ランサムウェアの被害を受けた被害者のために、正義を貫く意思のある国々と提携することを期待しています」。このコメントは、コスタリカと密接な関係を築きながらも、世界へサイバー攻撃を許可しているとして非難されている中国との差別化を図る試みだと考えられる。
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フランス、食料主権を脅かす干ばつの危機(2022/05/11)
フランスが、干ばつのリスクに直面している。この冬に十分な雨が降らず、水位が補充されていないことが問題視されている。フランス政府は、ウクライナ戦争の影響を和らげるために生産量を増やす必要があるこの時期に、農業が苦戦を強いられることを懸念している。
仏
『レゼコー』によると、フランス政府は干ばつに直面する可能性が高まっていることに対して、「深刻な国際情勢に打撃を与える可能性がある」として警戒している。フランス農林水産省は、フランス気象局が「今年は平年より乾燥した暑い夏になる可能性が高い」と発表したことを受けて、ウクライナ戦争によって脅かされているフランスの食料主権を守っていくことができるかどうか懸念を表明している。
この冬は雨が少なく、水位が補充されていない中、前月4月の降雨量はフランス全体で平年の25%にとどまった。...
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『レゼコー』によると、フランス政府は干ばつに直面する可能性が高まっていることに対して、「深刻な国際情勢に打撃を与える可能性がある」として警戒している。フランス農林水産省は、フランス気象局が「今年は平年より乾燥した暑い夏になる可能性が高い」と発表したことを受けて、ウクライナ戦争によって脅かされているフランスの食料主権を守っていくことができるかどうか懸念を表明している。
この冬は雨が少なく、水位が補充されていない中、前月4月の降雨量はフランス全体で平年の25%にとどまった。現在すでに7つの地域で警戒態勢、6つの県が厳戒態勢、2つの県が危機的状況にあるという。専門家たちは、小麦や大麦など、昨年の秋に作付けされ冬作物の生育に影響が出始めており、「収穫量に影響が出る可能性がある」と指摘している。フランス最大の農業組合FNSEAは、小麦の場合は、このまま「数週間乾燥した天気が続けば、収量が40%も落ちる」恐れがあると警告している。
しかし、干ばつの影響は、4月に播種されたビートなどの春作物で特に懸念されている。これらは、今後数週間の降雨量に大きく左右されるため、今後2週間雨が降らなければ、特にトウモロコシとヒマワリの生産が危ぶまれる可能性があるという。
また、飼料作物にも影響が出始めている。 冬の終わりには草の成長は良好で、生産量は平均より高かったものの、ここ数週間の干ばつの最初の兆候の出現により、植物の成長は急激に鈍化した。これからも乾燥した天候が続く場合、成長がさらに遅くなる可能性が懸念されている。
仏『BFMTV』によると、農業組合のFNSEAは、干ばつの「影響は全土に及ぶ」と警告している。10月から11月にかけて、ポルトガルとスペインで発生した大干ばつが、現在はフランスの南のオクシタニア、プロヴァンス、ローヌ渓谷沿いまで移動しているという。
4月に開設された、農業における気候変動対策のための2000万ユーロ(約27億円)の支援金は、「さらに2000万ユーロ」が補充されると発表された。また、フランス政府は4月末に、貯水池の設置など、様々な干ばつ対策のために水道局がさらに1億ユーロ(約137億円)を支出できると発表した。しかしこれには、環境団体や一部の農民組合が反対している。
現在、すでに15の県で、節水の奨励から、庭や畑への水やりの時間帯の禁止(警戒態勢)、さらには農業用水の取水量を50%削減、洗車や緑地への水やりの全面禁止(厳戒態勢)などの規制措置が取られている。
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