米メディア、「旧統一教会」の解散請求を受けて日本の若者には学校での宗教一般に関わる教科が必要と報道(2023/10/15)
日本政府はこの程、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令を東京地裁に請求した。これを受けて、米メディアが、欧米と違って日本では学校教育で宗教一般についての授業がないことで、カルト教団(注1後記)に無自覚で関わってしまう恐れがあると、専門家のコメントを引用して報じている。
10月14日付
『CNNニュース』は、日本政府による旧統一教会の解散請求を受けて、日本の若者にも学校での宗教一般に関わる教科が必要とする専門家のコメントを紹介している。
文部科学省は10月13日、「旧統一教会が、遅くとも1980年頃から、不安を煽り正常な判断ができない状態にして多額の献金等(いわゆる霊感商法)をさせ、多くの被害者に多大な財産上の損害・精神的な苦痛を与えた」と認定したことを理由に、東京地裁に解散命令を請求した。...
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10月14日付
『CNNニュース』は、日本政府による旧統一教会の解散請求を受けて、日本の若者にも学校での宗教一般に関わる教科が必要とする専門家のコメントを紹介している。
文部科学省は10月13日、「旧統一教会が、遅くとも1980年頃から、不安を煽り正常な判断ができない状態にして多額の献金等(いわゆる霊感商法)をさせ、多くの被害者に多大な財産上の損害・精神的な苦痛を与えた」と認定したことを理由に、東京地裁に解散命令を請求した。
宗教法人法(注2後記)に基づき、これまでに解散命令が下されたのは、オウム真理教(1987年設立、1995年解散命令)及び明覚寺(1984年設立、2002年解散命令)であり、旧統一教会に対しても裁判所の命令が下されれば3例目となる。
これに関し、國學院大學(1882年前身設立の私立大)宗教社会学専攻の井上順孝教授(75歳)は、旧統一教会の不誠実な勧誘や献金のやり方について厳しく批判しているが、信者の中には依然同教団に献金等することを幸福だと感じている人たちがいると指摘している。
すなわち、仮に同教団に解散命令が下されたとしても、非宗教法人として活動継続は可能であることから、公権力が法律に基づいて同教団を取り締まることができなくなり、果たしてこれら妄信する信者を救い出せるのかという問題が残るとしている。
そこで、多くの宗教問題研究専門家は、根本の問題として、欧米と違って、日本の若者が小・中・高校で宗教一般に関して教えられる機会がないため、大学生になっても怪しげな宗教の勧誘等に容易に乗ってしまう、と指摘している。
立正大学(1872年前身設立の私立大)社会心理学専攻教授であり、マインドコントロール研究の第一人者である日本脱カルト協会(JSCPR、1995年設立)会長の西田公昭氏(63歳)は、第二次大戦後に制定された日本国憲法で学校における宗教教育が禁止(注3後記)されたため、国民にとって宗教は“触れてはならない話題”と捉えられてしまっていると指摘している。
その結果として、大阪大学(1931年設立の国立大)カルト問題研究専攻教授でありJSCPR理事でもある太刀掛俊之氏(48歳)によると、大学生になっても宗教に対する耐性が脆弱で、大学キャンパス内で入信勧誘に容易に乗ってしまう恐れがあるとする。
従って、太刀掛氏は、“教育課程で宗教一般についての教科を設けることが重要で、これによって、学生らが様々な宗教の違いを明確に理解し、仮に入信勧誘のプレッシャーにさらされても、得られた知識に基づいて自身の判断で行動できるようになる”と強調している。
(注1)カルト教団:過激で異端な新興宗教であり、カリスマ的な教祖を中心にマインドコントロールにより反社会的な行動を取らせたりする集団。
(注2)宗教法人法:信教の自由を尊重する目的で、宗教団体に法人格を与えることに関する法律。1951年施行。
(注3)学校における宗教教育の禁止:憲法第20条3項で、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定。
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米地質研究学者ら、北米大陸への人類到達が従前説より約7千年も前だったことを改めて証明【欧米メディア】(2023/10/07)
米地質調査所(USGS、1879年設立、内務省傘下の科学的研究機関)の地質研究学者のチームが2021年、北米大陸に人類が到達した年代は、従前の考古学説であった約1万6千年前よりも更に約7千年も前であったとの研究結果を発表した。しかし、多くの専門家が「リザーバー効果(注後記)」に伴う誤った解釈だと批判した。そこで同研究チームはこの程、新たな科学的証拠を積み上げて、2年前の新説を再び証明した。
10月5日付
『ロイター通信』、
『CNNニュース』は、USGSの地質研究学者らのチームが、北米大陸の内陸部で発見された人類の足跡は2万3千年から2万1千年前のものであることが改めて証明されたと発表したと報じている。
USGS所属の地質研究学者のチームは2021年、ニューメキシコ州のホワイトサンズ国立公園内で、太古の人類の足跡を発見した。
同公園内の、浅い水のほとりの柔らかい泥の中にあったもので、同チームは、足跡がみつかった場所の上下の堆積層に含まれた水性植物の種子の放射性炭素年代測定を実施した結果、これまでの学説であった時代より約7千年も前に人類が初めて北米大陸に到達していたことが分かったと発表した。...
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10月5日付
『ロイター通信』、
『CNNニュース』は、USGSの地質研究学者らのチームが、北米大陸の内陸部で発見された人類の足跡は2万3千年から2万1千年前のものであることが改めて証明されたと発表したと報じている。
USGS所属の地質研究学者のチームは2021年、ニューメキシコ州のホワイトサンズ国立公園内で、太古の人類の足跡を発見した。
同公園内の、浅い水のほとりの柔らかい泥の中にあったもので、同チームは、足跡がみつかった場所の上下の堆積層に含まれた水性植物の種子の放射性炭素年代測定を実施した結果、これまでの学説であった時代より約7千年も前に人類が初めて北米大陸に到達していたことが分かったと発表した。
すなわち、2000年代に盛んに主張されていたのが約1万6千年前だったのに対して、同チームは、氷河期末期の氷の障壁によってアラスカから北米大陸南部への道が閉ざされる前の約2万3千年~2万1千年前に、人類が北米大陸に到達し居住していたと主張した。
しかし、同チームの調査結果が掲載されることになった米科学誌『サイエンス』(1880年創刊の科学学術週刊雑誌)の審査の初期段階で指摘されていた「リザーバー効果」について、多くの専門家が、この影響によって年代測定の推定値に疑問が生じるとして、従来説を覆すには無理があるとの批判を浴びせた。
そこで同チームは、2年近くをかけて更に研究を続け、水性植物の種子ではなく針葉樹の花粉粒を採取して、放射性炭素年代測定を行い、当時の主張を裏付ける結果を得たことから、改めて2021年の研究成果が正しかったと公に発表した。
10月5日に行われた会見に臨んだ、『サイエンス』掲載の共同研究報告チームメンバーの発言骨子は以下である。
●地質研究学者ジェフ・ピガティ研究チーム共同筆頭著者
・全ての年代測定手法には長所と短所があるが、今回我々は、3つの異なる手法で同じ年代に収束するとの結論に至った。
●地質研究学者キャスリーン・スプリンガー同チーム共同筆頭著者
・2年前の発表は物議を醸したが、今回の研究では、前回とは別の種子の年代を特定することによって前回発表結果を裏付けることができた。
●英国ボーンマス大学環境・地理科学部教授マシュー・ベネット同チーム共同著者
・今回の研究成果で、北米大陸に人類が初めて到達したのは約1万6千年前より遥かに昔だったことが分かったが、まだホワイトサンズでの発見例しかないこと、また、彼らがどのルートでホワイトサンズに辿り着いたのか依然不詳である。
(注)リザーバー効果:水性植物が水中の溶存炭素原子から炭素を獲得できるとする科学的根拠から、古い炭素が放射性炭素年代測定の結果に影響を与え、遺跡を実際よりも古く見せることがあるとするもの。
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