米バイデン政権、トランプ前大統領の壁建設再開へ
バイデン米政権は、9月に最高水準に達している不法移民対策として、トランプ前大統領の目玉政策であったメキシコ国境の壁の建設を再開すると発表した。
10月5日付米
『CNBC』:「米政府がトランプの壁再建を迅速化、”増設しない”公約から数年で転換」
バイデン政権は、テキサス州リオグランデ渓谷のメキシコ国境に約20マイルの壁を増設するため、20数項目の連邦法の適用を免除するとの大幅な方針転換を示した。
2020年の民主党キャンペーンでバイデン氏は、任期中の壁再建はないと公約していた。2021年1月の大統領就任後は、共和党による不法移民の阻止の一環として、トランプ前政権が最優先事項としていた壁建設の終了を宣言していた。...
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10月5日付米
『CNBC』:「米政府がトランプの壁再建を迅速化、”増設しない”公約から数年で転換」
バイデン政権は、テキサス州リオグランデ渓谷のメキシコ国境に約20マイルの壁を増設するため、20数項目の連邦法の適用を免除するとの大幅な方針転換を示した。
2020年の民主党キャンペーンでバイデン氏は、任期中の壁再建はないと公約していた。2021年1月の大統領就任後は、共和党による不法移民の阻止の一環として、トランプ前政権が最優先事項としていた壁建設の終了を宣言していた。
方針転換は5日、国土安全保障省が明らかにし、壁増設を促進する目的で、大気浄化法(CAA)、安全な飲料水法(SDWA)、絶滅危惧種法(ESA)等の法の適用を免除することが発表された。バイデン氏は国会で、壁資金が別の資金に変更出来なかったためだと説明した。
今回の政策転換には、メキシコ国境に移民が大量に押し寄せており、民主党の知事らから政府への要請があったことも背景にある。政府によると、2022年10月以来、リオグランデ渓谷には24.5万人の不法移民が押し寄せているという。
イリノイ州のプリツカー知事は先週の書簡で、政権の移民政策が「効果を奏していない」と批判した。NBCは先週、国民の半数以上が「民主党より共和党のほうが国境の治安改善に努めている」とする世論調査結果を公表している。
10月6日付『ロイター通信』:「バイデン氏、トランプ政権の資金で国境の壁建設再開へ」:
バイデン政権は5日、トランプ前大統領の目玉政策だった移民対策のメキシコ国境の壁の一部を追加建設すると発表。
トランプ氏はSNS上に、「私は何度も言ってきているが、数千年もの間役に立ってきたのはこの2つしかない、車輪と壁だ!バイデンはこれほど時間がかかったことを私や国民に謝罪するだろうか」と投稿した。一方、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、この動きを「後退」だと批判した。
移民政策は、大統領選挙の争点となるとみられ、9月のロイター・イプソス世論調査によると、国民の54%が「移民は米国人の生活に悪影響」としている。
9月はメキシコ国境を超える移民の数は最高に達した。バイデン大統領は当初、トランプ前政権の政策の多くを廃止すると宣言していたが、コロナウイルス流行時の国境管理措置「タイトル42」を継続。5月に停止した後も、検問所に入る前に事前に政府のアプリで予約をとる方式を採用したり、違法入国者へより厳格な措置を義務付けた新たなルールを採用した。
新ルール発表後、一時的に移民は減少したが、ここ数週間はベネズエラ経由が増えたことで、移民は再び増加。過去2年間、ダリエンギャップと呼ばれるコロンビアとパナマの間のジャングルを経由し、経済的政治的困難から抜け出そうとするベネズエラ人がメキシコ国境に流入。5日政府は、ベネズエラとの関係悪化で停止されていたベネズエラへの強制送還を再開すると発表した。
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五輪に不安、セーヌ川汚染でテスト大会中止
2024年のパリ五輪・パラリンピックでは、セーヌ川で複数の水泳競技が行われる予定だが、増水時の水質汚染が懸念されているという。
8月20日付独
『DW』:「セーヌ川の汚染でパリ五輪のテスト大会中止」
セーヌ川で許容値を超えるバクテリアが検出された。主催者が中止を余儀なくされた水泳大会は、今月3度目となる。
来年のパリ五輪で行われるトライアスロンの水泳競技のテスト大会が20日、セーヌ川の水質汚染により中止となったと発表された。検査サンプルからは基準値を超える大腸菌(E. coli)が検出された。
8月初旬には大雨による水質汚染により、オープンウオーターワールドカップが中止されており、19日にはパラトライアスロンのテスト大会が中止となっていた。...
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8月20日付独
『DW』:「セーヌ川の汚染でパリ五輪のテスト大会中止」
セーヌ川で許容値を超えるバクテリアが検出された。主催者が中止を余儀なくされた水泳大会は、今月3度目となる。
来年のパリ五輪で行われるトライアスロンの水泳競技のテスト大会が20日、セーヌ川の水質汚染により中止となったと発表された。検査サンプルからは基準値を超える大腸菌(E. coli)が検出された。
8月初旬には大雨による水質汚染により、オープンウオーターワールドカップが中止されており、19日にはパラトライアスロンのテスト大会が中止となっていた。
フランス当局は、来年7月26日から開催されるパリ五輪で屋外の水泳大会を開催できるよう、セーヌ川の景観改善に取り組んできた。これまで水害による汚染を減らす目的で水質管理プロジェクトに多額を投じており、水泳大会の変更案は用意されていないという。
同日付仏『フランス24』:「セーヌ川の大会再び中止、パリ五輪の計画に不安高まる」:
セーヌ川の水質汚染が酷く、週末に予定されていた2つの水泳大会が中止となった。パリ五輪を来年に控え、主催者はセーヌ川での水泳大会にプランBはないと強調する。
川の水から基準値を超える大腸菌が検出され、週末のパラトライアスロンと混合リレーの中止が決まった。2週間前には、2023世界水泳連盟オープンウォーター大会も水質汚染のため中止となっていた。それにもかかわらず、パリ五輪主催者は五輪でも水泳競技大会は開催可能だと主張している。緊急時対応として、水質が基準に満たない場合、大会を数日間延期することが譲歩案とされている。
セーヌ川への入水は1923年に禁止されたが、パリ市内の川では一部水泳をする人もいた。水質改善対策が復活したのが1990年、当時のパリ市長で後に大統領となったジャック・シラクは、「セーヌ川を再び泳げる川にする」と宣言したが実現しなかった。
セーヌ川での五輪、パラ水泳競技の開催計画は、パリ市議会でも注目の一大水質改善対策となった。現在、最も汚染リスクを高めるのは大雨で、大雨が降るとパリ市内の下水道が溢れセーヌ川に流れ込み、川が大腸菌や腸球菌で汚染されてしまう。
初夏に予定されていた水泳大会は、通常の4倍の降水量により中止された。7月末と8月初旬の異常気象に備え課題は多い。土曜と日曜に検出された高レベルのバクテリア量は今後精査が必要だ。
五輪主催者は、「近年政府と自治体による水質管理対策により多くの成果が得られ、セーヌ川への汚水流入も減少してきた。大雨による雨水を貯める大型地下貯水施設などの追加のインフラ建設も現在進行中である。選手の安全確保のため、毎時検査やラボ検査などの水質検査システムも導入予定となっている」とする。
トライアスロンが予定通り行われる場合、ルートはパリの名所を通るコースとなっている。選手らは、セーヌ川を泳ぎ、グラン・パレやアンヴァリッド広場など有名なスポットを二周。自転車とランニングルートでは、シャンゼリゼ通りやセーヌ河岸のオルセー美術館を通過する。先週平日に予定通り行われた大会では、水質への不安を示しながらも、その景観に魅了される選手も多かった。
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