少子高齢社会の影響もあり、空前のペットブームの中にある日本。愛犬を家族同様大切に育てる人も少なくない。そんな中、人間にとっては体に良いとされているキシリトールが犬には毒同然であることが明らかになった。各メディアは以下のように伝えている。
11月3日付
『CBSニュース』によれば、愛犬が人間用のキシリトール含有食品を口にして嘔吐などの中毒症状に見舞われ、獣医師の元に駆け込むケースが後を絶たないという。米国動物愛護協会の中毒事故管理センターに寄せられる電話相談は2004年には82件だったのに比して、昨年は3700件もあったという。キシリトール含有食品が増えるのに伴って相談件数も増える傾向にあるという。
キシリトール含有食品のラベルに、ペットの手の届かないところに保管するようになどの注意書きを入れるべきと主張する民間の動物福祉団体も出てきているという。...
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11月3日付
『CBSニュース』によれば、愛犬が人間用のキシリトール含有食品を口にして嘔吐などの中毒症状に見舞われ、獣医師の元に駆け込むケースが後を絶たないという。米国動物愛護協会の中毒事故管理センターに寄せられる電話相談は2004年には82件だったのに比して、昨年は3700件もあったという。キシリトール含有食品が増えるのに伴って相談件数も増える傾向にあるという。
キシリトール含有食品のラベルに、ペットの手の届かないところに保管するようになどの注意書きを入れるべきと主張する民間の動物福祉団体も出てきているという。
獣医師のガラハー氏は飼い主が犬をよく見ているのが一番だという。「私も犬を飼っているが、犬というものは絶えずお腹を空かせていて騒がしいのが当たり前の生き物である。絶えずご馳走を探しているのだから、飼い主が気を付けて見ていなければならない」。また、同氏は愛犬の飼い主は今一度自宅の台所の食品ラベルをチェックするべきだと指摘する。「砂糖ゼロという表示があれば、その食品にはキシリトールが含まれている可能性がある。そういった食品は犬の手の届かない場所にしまうべきだ」。また、キシリトール含有食品を口にして愛犬を亡くした人達からは、キシリトール含有食品は買わないことにしているというコメントも寄せられているという。
11月4日付
『wreg.com』(アメリカ)によると、キシリトールの摂取が、犬には深刻な低血糖や脳卒中、肝不全を引き起こす可能性があるのだという。また、同記事はこれからは感謝祭やクリスマスといったイベントが続くので、家の中もにぎやかになる。そのため注意が必要と指摘している。特に小さな子どもがいる家では、犬が子どものお菓子を食べることの無いよう注意を促している。
11月5日付
『ハフィントンポスト』は、前出の動物愛護協会の中毒事故管理センターに寄せられた電話相談の件数を2009年には300件であったのに対し、今年は現時点で2800件だとしている。前出の「CBSニュース」の引用したデータと合わせると、飼い犬がキシリトール含有食品を口にする事故は2010年以降あたりから爆発的に増えていると考えられる。
同記事はキシリトールが樺の木を原料に作られていると解説したうえで、やはり飼い主はわざと犬にキシリトール含有食品を与えることはないにしても、飼い犬が誤ってキシリトール含有食品を口にする可能性は大きいとして、日常よく見られるキシリトールを含有する可能性のある食品リストを掲載している。それによるとガムやキャンディーをはじめ、ピーナツバター、トローチ(のど飴)、歯磨き粉、マウスウォッシュ、ゼリー、ヨーグルト、噛んで服用するタイプのビタミン剤など、実に様々な食品にキシリトールが含まれている可能性があるという。
大切な「家族の一員」を守るために飼い主の注意が求められている。
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