その後の調査で、地震性活動の震源は巨大な海底火山であることが判明した。
アフリカ沿岸沖のマダガスカルとモザンビークの間にあるマヨット島の住民は何か月も地震の微動に悩まされていた。日に何度も小さな地震があるとフランスのブリュイエール=ル=シャテルにあるヨーロッパ地中海地震学センターの社会学者ロール・ファル氏はサイエンス誌に語った。住民には情報が必要だとファル氏はいう。「島民は大変ストレスを受けていて、眠れなくなっている」
海底地図は劇的な最近の変化を示している。...
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その後の調査で、地震性活動の震源は巨大な海底火山であることが判明した。
アフリカ沿岸沖のマダガスカルとモザンビークの間にあるマヨット島の住民は何か月も地震の微動に悩まされていた。日に何度も小さな地震があるとフランスのブリュイエール=ル=シャテルにあるヨーロッパ地中海地震学センターの社会学者ロール・ファル氏はサイエンス誌に語った。住民には情報が必要だとファル氏はいう。「島民は大変ストレスを受けていて、眠れなくなっている」
海底地図は劇的な最近の変化を示している。800mの高さで5㎞にわたる構造体が、何もなかった海底に姿を現している。フランス国立科学研究センターの調査チームが派遣され、海面下3・5㎞の海底の活動域周辺に6個の地震計を設置した。
研究者らが収集したデータから、一連の地震活動は海底下で起こっていることがわかった。そしてこの活動はマヨット島に直接影響を与えている。マヨット島は13㎝沈み、東に10㎝動いている。
研究者らは、活動は海底下深くにあるマグマ溜りが噴火し、融けた岩を海底面まで押し上げたことによると見ている。
5平方㎞のマグマがマグマ溜りから押し上げられ、地図に見られる構造体を作った。マグマが押し出されるとマグマ溜りが縮み、周りの地殻にひびを生じる。
この特殊な海底火山の形成は、通常火山が二つ以上の構造プレートがぶつかり合う隆起部か、構造プレートに引っ張られることでマグマが吹く出しているチェーンに沿ってできるのと違っている。この新しい火山は孤立しており、大変速く形成された。
いまのところ、研究者らは、火山はマヨット島に津波を起こすほどの規模はないと考えている。しかし、度重なる地震が、島がある海底部分の安定性に影響を及ぼすことを懸念している。チームは、対象地域の海水の化学分析を行い、マグマの組成や将来の危険性を調査する予定だ。
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