計画は、18歳を超える男女の旅行に関する後見人法を廃止し、指定されている男性家族の承諾なしに外国に旅行すること許すものだという。現在は、女性は年齢に関わりなく、男性は21歳以下の場合、外国旅行には後見人の承諾が必要だ。
何人ものサウジアラビア人女性が、サウジアラビア王国では、法律と風習により、女性が男性親族の奴隷となっていると訴え、国を逃れ、亡命を求めたことへの国際的な非難が高まり、この後見人法見直しの動きが起こった。...
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計画は、18歳を超える男女の旅行に関する後見人法を廃止し、指定されている男性家族の承諾なしに外国に旅行すること許すものだという。現在は、女性は年齢に関わりなく、男性は21歳以下の場合、外国旅行には後見人の承諾が必要だ。
何人ものサウジアラビア人女性が、サウジアラビア王国では、法律と風習により、女性が男性親族の奴隷となっていると訴え、国を逃れ、亡命を求めたことへの国際的な非難が高まり、この後見人法見直しの動きが起こった。
人権団体は、後見人法のために女性は二級の市民とされ、基本的人権や社会的権利を奪われ、虐待を受けてしまうという。
「指導者も政府も、国民もこの制度が変更されることを望んでいることは間違いない」とサウジアラビア王族のひとりで、この問題に詳しい人物が語った。「いま議論されているのは、混乱を起こさずに、かつ早急に変更を行うにはどうすればいいかということだ」
ムハンマド・ビン・サルマーン王太子(33)は、王国近代化に努力するなかで、女性への権限移譲を行おうとしてきた。ムハンマド王太子は女性の運転禁止を解き、女性が、首から足先までのアバヤを着る必要はもうないと示唆し、女性が着ているもので、女性を困らせることが多く、時には投獄までする宗教警察を抑えた。
ムハンマド王太子ははっきりとしたことは言わないが、後見人法の変更については、イスラム法学者が研究することだと述べた。そして、政府の女性の権利に対する立場を批判する女性を取り締まった。
昨年5月、ムハンマド王太子が公式に女性の運転禁止を解く1か月前、女性の運転許可と後見人制度廃止のロビー活動で知られた女性活動家グループを当局は逮捕した。逮捕された中には、2014年運転禁止に反抗し、73日投獄されたことで有名なルジャイン・ハズルールさんが含まれている。ハズルールさんは投獄されたままだ。
他のイスラム教国にも男性後見人制度はあるが、サウジアラビアはこの風習を厳格に法律化し、それを執行している。サウジアラビアのイスラム法学者の中には、夫の許可がないかぎり、女性は家を離れてはいけないとまでいう者もいる。
これらの法律や風習を変えることは容易ではない。リヤドや紅海の港町ジェッダのような国際都市では、これらの法律や風習は一般的に評判が悪いが、より保守的な地域では、この規則は生活の重要な一部であり、政府が後見人法を大幅に廃止すれば、強硬な反対に遭うだろう。海外旅行の規制緩和だけでも、それにより多くの女性が国を離れるようになれば、反対派を力づけるだろう。
後見人制度の規則のいくつかは法律化されていなく、単に広く社会的風習として行われている。ヒューマン・ライツ・ウォッチの2016年の報告によれば、仕事の決定や病気治療の受診、アパートを借りることなどに後見人の許可がいる。
1月初め、王国における女性への制限に注目が集まった。18歳のラハフ・ムハンマド・ムトラク・アル=クヌーンが家族から逃れ、バンコクのホテルの一室に閉じこもり、帰国すれば投獄されると述べたからだ。彼女は後にカナダの難民指定を受けた。
人権団体は長く、サウジアラビアの法律は女性を抑圧していると非難してきた。
「確認されれば、このニュースは、国内および国際的な、女性の権利に関する改善を求める呼びかけに対する小規模で長期にわたる譲歩を意味する」と非政府団体MENAライツ・グループの法務官タイフ・アル=クダリー氏は語った。 「サウジアラビア当局が女性の権利に真剣に取り組むとすれば、男性の後見制度が廃止されることを提唱したとして迫害された女性活動家に対する訴訟をすべて棄却し、釈放するだろう。本日の報道が、サウジアラビアに対する国際的な圧力を和らげるための言い訳として使われてはならない」
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