デンマークと欧州のメディアは5月30日、2012年から2014年にかけて米国がデンマークの諜報機関の協力を得て、ドイツのアンゲラ・メルケル首相を含む欧州の同盟国に対しスパイ活動をしていたと報じた。この報告書では、デンマーク政府がこれらの行動を認識していたかどうかは示されていない。
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『レゼコー』によると、デンマークの公共放送局「デンマーク放送協会」(DR)は、アメリカ国家安全保障局(NSA)がデンマークの通信ケーブルを盗聴して、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、フランスの首脳陣や高官をスパイしていたと報じた。その際NSAは、デンマークの国防情報庁(FE)の協力関係を利用したとされている。
DRは、スウェーデンの公共テレビ局「SVT」、ノルウェー放送協会「NRK」、ドイツ公共放送局「NDR」と西ドイツ放送局「WDR」、独日刊紙「Suddeutsche Zeitung」、仏紙「Le Monde」と共同で調査を行い、調査結果を公表した。...
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『レゼコー』によると、デンマークの公共放送局「デンマーク放送協会」(DR)は、アメリカ国家安全保障局(NSA)がデンマークの通信ケーブルを盗聴して、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、フランスの首脳陣や高官をスパイしていたと報じた。その際NSAは、デンマークの国防情報庁(FE)の協力関係を利用したとされている。
DRは、スウェーデンの公共テレビ局「SVT」、ノルウェー放送協会「NRK」、ドイツ公共放送局「NDR」と西ドイツ放送局「WDR」、独日刊紙「Suddeutsche Zeitung」、仏紙「Le Monde」と共同で調査を行い、調査結果を公表した。
2019年6月に就任したデンマークのトリーネ・ブラムセン国防相は、2020年8月にこの事実を知らされたとされている。ブラムセン国防相はDRに対し「同盟国による組織的なスパイ行為は受け入れられない」と述べた。デンマークが当時、アメリカが自国の監視システムを利用して近隣諸国を監視していたことを認識していたかどうかは明らかにされていない。DRによると、ドイツのメルケル首相、当時のシュタインマイヤー外相やシュタインブルック野党党首などがNSAの情報収集の対象になっていたという。
NSAはショートメッセージや電話だけでなく、検索、チャット、メッセージサービスを含むインターネット通信にアクセスできた。また、このスパイ活動は、「Operation Dunhammer」というコードネームで、FE内部レポートで報告され、2015年5月にFEの上層部に提出されたという。
NSAの元職員エドワード・スノーデンが2013年にすでに、米国による世界的な監視活動の実態を明らかにしていた。
仏公共放送局『フランスアンフォ』によると、デンマークは、2012年から2014年にかけて、米国がドイツをスパイするために、自国の海底ケーブルの盗聴を許可した。この盗聴によって、スウェーデン、ノルウェー、フランスの政府関係者の情報収集も可能になったという。海底に設置された何キロにも及ぶケーブルは、まるで巨大な情報ハイウェイのようであり、世界には447台あるとされている。しかし、監視したい電話番号を入力するだけで、すべての情報を収集することができるという。
仏紙『ウエストフランス』によると、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相は5月31日、米国とデンマークに説明を求めた。仏独閣協会議の終了後に、マクロン大統領は、今回の「報道が正しいとすれば、同盟国間では受け入れられないものだ」、「同盟国と欧州のパートナー間ではなおさらだ」と批判し、メルケル首相も「同意見だ」と述べた。
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