6月21日付
『Yahooファイナンス』(ロイター通信引用)は「インドネシア、イスラム保守主義の拡大が金融業界全体へ波及」との見出しで以下のように報道している。
インドネシアでイスラム保守主義が拡大し、有能な人材が非宗教的な金融機関から流出している。シャリアに則った金融部門は繁栄する一方、既存銀行の雇用にも影響しているという。
インドネシアは世界で最もイスラム教徒の多い国で、「リーバ」(利子)を禁止するイスラム法への懸念が、インドネシアの金融界に残響している。...
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6月21日付
『Yahooファイナンス』(ロイター通信引用)は「インドネシア、イスラム保守主義の拡大が金融業界全体へ波及」との見出しで以下のように報道している。
インドネシアでイスラム保守主義が拡大し、有能な人材が非宗教的な金融機関から流出している。シャリアに則った金融部門は繁栄する一方、既存銀行の雇用にも影響しているという。
インドネシアは世界で最もイスラム教徒の多い国で、「リーバ」(利子)を禁止するイスラム法への懸念が、インドネシアの金融界に残響している。
2018年以来、銀行やフィンテックの雇用情勢は益々難しくなっているという。 人材会社のファイナンス部門リクルーターは、求職者50人中15人が従来の銀行やソーシャルレンディングでの雇用を避ける傾向にあるという。その理由は明確で(イスラム法で禁じられている)「リーバ」(利子)を避けることにある。
イスラム教の専門家の間でもリーバの定義は異なる。銀行ローンの金利だとする意見や、貸し付けは回避されるべきだが罪ではないとする意見もある。一方、(イスラム教の聖典)コーランでは、注意深く処理され、正確に記録されるならば、貸し付け自体は許されているのだという。
インドネシアでイスラム金融は国内の金融界のわずか6%強を占めるに過ぎないのだが、近年すさまじい勢いで成長している。イスラム金融の預金高は2018年末から今年3月にかけ80%上昇した。従来の銀行の18%成長をしのいでおり、貸し付けでも急速な成長がみられる。
同日付『DealStreetAsia』は「イスラム保守派台頭によりインドネシアの金融部門で人材離れ」との見出しで以下のように報道している。
従来の銀行業界からの人材離れがどれほどの規模か正確には計れない。というのも統計では徐々に雇用が落ち込んでいるように見えるが、デジタル化やコロナ禍関連の解雇も影響している。政府統計によると、今年2月時点で金融業界の150万人へ国民平均で3番目に高い給与が支払われ、2018年には業界全体で170万人が雇用されていた。
2月にイスラム銀行のバンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)と国営2行が合併し、最大の国営銀行バンク・シャリア・インドネシア(BSI)が発足した。BRIのSunarso氏は宗教的理由による人材流出も、シャリア金融にとっての新たな機会であると捉えている。
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