9月14日、2028年ロサンゼルスオリンピック・パラリンピック組織委員会の会長に同組織のマーケティングの責任者であったキャシー・カーター氏が就任した。新会長は、大会は財政的に健全であると同時に、開催都市に永続的な影響を残すものであると述べている。
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『OANN』によると、カーター会長はロイター通信に対し、新たな「建設を行わない」ロサンゼルス大会では、市内の既存のスポーツ施設を幅広く活用し、費用は約69億ドル(約7584億円)となるものの、スポンサーやチケット販売などの収入で相殺されると述べた。
委員会の最高収益責任者として主要なスポンサー契約を獲得し、会長に昇格したカーター氏は、「何よりもまず、予定通り、予算通りに大会を開催することが大切だ」と語った。...
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『OANN』によると、カーター会長はロイター通信に対し、新たな「建設を行わない」ロサンゼルス大会では、市内の既存のスポーツ施設を幅広く活用し、費用は約69億ドル(約7584億円)となるものの、スポンサーやチケット販売などの収入で相殺されると述べた。
委員会の最高収益責任者として主要なスポンサー契約を獲得し、会長に昇格したカーター氏は、「何よりもまず、予定通り、予算通りに大会を開催することが大切だ」と語った。「アスリート、出資者、そして最終的にはファンが大会に参加しやすく、体験しやすくするために、私たちにできることはたくさんある。」と語った。
また、会長は、ロサンゼルスに永続的な遺産を構築し、市内の懐疑的な人々を味方につけるためには、市民の生活を向上させるプログラムに今すぐ着手することが重要だと述べた。そのために、ロサンゼルス大会組織委員会は1億6千万ドル(約176億円)の投資を約束し、水泳、テニス、ゴルフ、柔道などのスポーツを、ロサンゼルスの子供たち、特に恵まれない地域の子供たちがより利用しやすくすることを目指している。
「子供たちのスポーツへの参加に影響を与えることを、大会が終了した2029年まで待つことはしたくない。そのため、子供たちにスポーツを楽しんでもらい、参加への障壁を減らすことを、私たちの取り組みの重要な部分としている。私たちは、ロサンゼルス市の子供たちの生活を向上させることができると信じている。」と語った。そして、もし委員会が大会前にこれらのプログラムを実施することに成功すれば、開催は都市にとって損失であるという説を覆すことができると述べた。
なお、カーター会長は、新型コロナウイルスの大流行により1年遅れで開催された今夏の東京大会の主催者に敬意を表した。「想定外の事態に対応するためには、組織的にどういう側面を強化しなければならないかがよく分かった。どのようなチーム、システム、プロセスを構築すべきか、私たちは未知の事態に備えなければならない。」と語った。
米『ロサンゼルスタイム』は、ロサンゼルス大会への道のりは異例だったと伝えている。ロサンゼルスは、2024年にパリ大会の後に開催地になることを2017年に合意した。これにより、地元主催者たちは、通常の7年ではなく、10年以上の準備期間を得ることができた。その間、ロサンゼルス大会の委員会はスポンサーや企業との提携を密かに進めてきた。
カーター会長はこれまで最高収益責任者として、NBCユニバーサル社との提携や、デルタ社、ナイキ社、コムキャスト社、デロイト社などとの数億ドル規模のスポンサー契約を統括してきた。
しかし課題はお金だけではない。反五輪の会である 「NOlympics LA」のアン・オーチャー代表は、「特にオリンピックのための取り締まりと移転の対象となる低所得者層が住む地域に関して、入札そして現在は準備段階の中心的な問題の1つとして、公的な対話の欠如だと一貫して指摘してきた」と述べている。「ロサンゼルス委員会は、質問や批評に答える代わりに、業者、社長、政治家などの内輪の人達に対して、予算の厳守と会場の再利用という同じ空約束を繰り返してきた。」と指摘している。
カーター新会長は、オリンピック反対派について、「異なった視点を持つことは素晴らしいことだと思う。私たちは耳を傾けなければならないが、それと同時に、自分たちが提供できると信じるものに忠実でなければならない」とコメントしている。
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