米国や英国の首脳は、中国における少数民族弾圧等の人権問題を理由として、来年2月開催の北京オリンピックに、首脳や政府高官の出席を見送る外交ボイコットを検討中と表明している。これに対して、面子を重んじる中国は、外交ボイコットを行うような国の政治家は逆に招待することはない、と報復宣言をすることで、これ以上他国に外交ボイコットの波が広がらないよう躍起になっている。
11月29日付
『ロイター通信』:「中国メディア、北京オリンピックの外交ボイコットの脅しをかける西側諸国の政治家は招待しない意向と報道」
中国国営メディアの『環球時報』(1993年刊行)は11月29日、中国は北京冬季オリンピックに関し、外交ボイコットを仕掛けると脅してくるような国の政治家は招待する意向ではないと報じた。
直近で、ジョー・バイデン大統領(79歳)及びボリス・ジョンソン首相(57歳)が、中国の人権問題等を理由として、当該オリンピックへの高官派遣を取り止めることを検討していると表明していた。...
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11月29日付
『ロイター通信』:「中国メディア、北京オリンピックの外交ボイコットの脅しをかける西側諸国の政治家は招待しない意向と報道」
中国国営メディアの『環球時報』(1993年刊行)は11月29日、中国は北京冬季オリンピックに関し、外交ボイコットを仕掛けると脅してくるような国の政治家は招待する意向ではないと報じた。
直近で、ジョー・バイデン大統領(79歳)及びボリス・ジョンソン首相(57歳)が、中国の人権問題等を理由として、当該オリンピックへの高官派遣を取り止めることを検討していると表明していた。
同メディアは、中国政府は米国の政治家を招待していないし、また、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題を理由として海外からの招待客を絞っている、とも報じている。
米国政府はこれまで、中国政府が新疆ウィグル自治区のウィグル族を弾圧する“少数民族破壊”を実行しているとして糾弾してきていた。
これに基づき、人権活動家や米議会超党派議員らがバイデン政権に対して、当該オリンピックの外交ボイコットを実施すべきと圧力をかけている。
かかる動きに対して中国は、外交ボイコットを呼びかけるなど“腹黒い誇大宣伝”だとして繰り返し非難してきた。
ただ、中国外交部(省に相当)の趙立堅報道官(チャオ・リーチアン、49歳)は11月26日、米国オリンピック委員会から1,528人の選手・関係者が参加するとの申請書を受領している、と明らかにしたが、人名含めて詳細は言及しなかった。
なお、今日現在、主要国首脳の中では、ウラジーミル・プーチン大統領(69歳)のみが中国側招待に対して出席と返信している。
同日付『環球時報』:「北京オリンピックをボイコット? 中国は米国の政治家を招待する意向はない模様」
当メディアが関係筋から聞いているところでは、中国政府は、“ボイコット”を誇大宣伝している米国やその他の国の政治家を北京オリンピックに招待する考えはないという。
専門家は、彼らの主張するボイコットなど“自己欺瞞”以外の何ものでもないと批評している。
米国や一部の西側諸国が、人権問題を理由として北京オリンピックの“外交ボイコット”を言い出しているが、まず重要なことは、政治家がオリンピック行事に出席するためには“招待”されなければ話は始まらないということである。
すなわち、オリンピック規定によれば、同行事に出席したい政治家は、まず自国のオリンピック委員会から招待されることが必要で、その上で最終的に国際オリンピック委員会(IOC、1894年設立)が承認することとなる。
米ホワイトハウスは最近、バイデン大統領も他の政府高官も北京オリンピックに出席しないことになろうとし、最終的に今月末までに結論を出すと表明していた。
これに対して、外交部の汪文斌報道官(ワン・ウェンビン、50歳)は11月29日、冬季オリンピックは世界中のアスリートや冬季競技ファンのための一大イベントであり、決して政治家がどうこうできるものではない、と表明した。
更に、同報道官は、どの政治家が参加したかどうか等によって、当該一大イベントの成否が左右されることなど決してない、とも強調した。
なお、専門家によれば、COVID-19禍にあって、海外から多くの招待客を受け入れるのは相応しくないという点は、誰にでも理解しうることだとし、実際問題、東京オリンピックの開会式に出席した首脳は、ここ最近のオリンピックの中で最少人数であった、としている。
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