来年2月初めに開催される北京オリンピックについては、米国や英国が、中国の人権問題等を理由にして“外交ボイコット”の可能性を示唆している。そうした中、国連は12月1日、これまでの慣習に則って淡々と、“オリンピック期間中の停戦”を世界に呼び掛ける総会決議を採択している。
12月2日付
『AP通信』:「国連、2月の北京オリンピック開催中の停戦を呼びかけ」
国連総会は12月1日、オリンピックという世界的スポーツイベントは“平和、対話、そして和解を促進する絶好の機会”だとして、当該オリンピック開催中の停戦を世界に呼び掛ける決議を採択した。
国連加盟193ヵ国の賛成で採択された決議で、ギリシャ神話のエケケイリア(停戦、休戦の意)に則って、近代オリンピックにおける“オリンピック停戦”を呼び掛けることで、平和の試み及びアスリートの参加の安全性を確かにするとするものである。...
全部読む
12月2日付
『AP通信』:「国連、2月の北京オリンピック開催中の停戦を呼びかけ」
国連総会は12月1日、オリンピックという世界的スポーツイベントは“平和、対話、そして和解を促進する絶好の機会”だとして、当該オリンピック開催中の停戦を世界に呼び掛ける決議を採択した。
国連加盟193ヵ国の賛成で採択された決議で、ギリシャ神話のエケケイリア(停戦、休戦の意)に則って、近代オリンピックにおける“オリンピック停戦”を呼び掛けることで、平和の試み及びアスリートの参加の安全性を確かにするとするものである。
同決議では、北京オリンピック開催日の週から同パラリンピック終了の週までの間、“全加盟国に対して、オリンピック停戦を遵守すること”を求めている。
北京オリンピックは2月4日~20日、同パラリンピックは3月4日~13日に開催される。
国連総会での停戦決議は、1992年当時、国際オリンピック委員会(IOC)が内戦下のユーゴスラビア選手団に同年開催のバルセロナ大会に参加できるようはたらきかけたことを契機に、1993年に“オリンピック停戦”として呼び掛けられ始めた。
アブドゥッラー・シャヒド総会議長(59歳、モルディブ外相、2021年3月就任)は決議採択前に、スポーツは“宗教・人種・民族・政治的背景等一切関係なく、アスリートの勇敢さと可能性を称えるものだ”と訴えた。
同議長は更に、オリンピックは“戦闘や衝突を友好的な競争に換え、かつ、心身ともに満足させる”とした上で、“世界の人々の精神を打ち砕き、疲弊させた新型コロナウィルス感染問題によって負った心理的ストレスを解放してくれる”とも付言した。
同決議の動議を提起した中国の張軍国連大使(チャン・ヂュィン、61歳)は、173社ものスポンサーから支えられている北京大会に対して、(同決議が)“世界的感染を克服するための団結と協力を仰ぐ力強いメッセージとなる”と強調した。
更に同大使は、中国は“氷や雪のようにクリーンで純な精神で”、かつ、全アスリートにとって安全・安心な大会となるよう最善を尽くすとも訴えた。
閉じる