ロサンゼルスの高級店では、強盗の一団が公然と店に押し入ったり、地元のリアリティ番組の有名な出演者や有名な番組司会者などが自宅で襲われたりしている。そして今月始め、音楽界の伝説的人物、クラレンス・アヴァントの妻であり、尊敬する慈善家であった81歳のジャクリーン・アヴァントがビバリーヒルズの自宅で射殺された。...

ロサンゼルスの高級店では、強盗の一団が公然と店に押し入ったり、地元のリアリティ番組の有名な出演者や有名な番組司会者などが自宅で襲われたりしている。そして今月始め、音楽界の伝説的人物、クラレンス・アヴァントの妻であり、尊敬する慈善家であった81歳のジャクリーン・アヴァントがビバリーヒルズの自宅で射殺された。

市全体の犯罪率は、1990年代の悪名高いギャング抗争時の記録を大きく下回っているものの、ここ数年急増している。暴力事件の多くは、貧しいコミュニティやホームレスなどの弱い立場の人々の間で発生しており、あまり注目されてこなかった。しかし、パンデミックが始まって以降、急速に裕福な地域でも発生するようになり、ロサンゼルス市民の間で注目を集めるようになった。

『ロサンゼルスタイム』は、背景には、新型コロナウイルスによる不安、警察や検察が社会の中で果たすべき役割に対する認識の変化、そして今、ホリデーシーズンにあることを伝えている。

一方で、カリフォルニア州は何十年もの間、刑を軽くし、刑務所の数を減らすなど、刑事司法改革に中心的に取り組んできた。2020年の世論調査では、カリフォルニア州の有権者は、こうした改革をおおむね支持していた。しかし現在、犯罪の増加を懸念し、その原因をリベラルな政策にあると考えている人たちの声が大きくなっている。メルローズ・アベニューにあるスケートボード店のオーナー、ドミニク・デルーカさんは、犯罪の増加を受けて、今では銃を携帯して仕事をしているという。

ロサンゼルス市長とロサンゼルス警察署長は記者会見で、より多くの犯罪者を監禁すべきだと述べ、多くの逮捕者を保釈金なしで釈放してきたパンデミック関連の政策に疑問を呈した。警察署長は、注目を集めた強盗事件では逮捕者が出たものの、容疑者は全員、裁判を待たずに釈放されていたと嘆いた。市長は、犯罪者を更生させずに刑務所に収容することは解決策にならないが、繰り返し犯罪を犯す者に街を明け渡すことも解決策にならないと述べた。

ビバリーヒルズの警察署長は、米『フォックスニュース』に対し、犯罪行為の増加には、カリフォルニア州の多くの犯罪を非犯罪化した自由主義的な法律や政策など、「複合的な要因」があると指摘している。

ステインブルック警察署長は、「これは、修正案47に始まり、議会法案109、修正案57など、カリフォルニア州の多くの犯罪を実質的に非犯罪化した約10年間の法律と政策の結果だと思う」と述べている。1週間前に警察署長として就任したばかりのステインブルック署長は、着任2日目にして3人の武装強盗容疑者を逮捕したが、容疑者のうち1人は少年だったため、すぐに釈放されたという。

署長は、「優れた技術」だけでなく「警察の存在が強化された」にもかかわらず、同じ犯罪者が「何度も何度も」捕らえられ、保釈金なしですぐに釈放されていると述べた。さらに、カリフォルニア州の有権者は、法律を変えることで犯罪者が減り、仕事の斡旋、薬物やアルコールの治療、精神疾患、住宅などの支援プログラムに余剰資金ができるとして政治家から「商品を売りつけられた」と指摘し、実際には犯罪を減少させるそのようなプログラムの誕生は見られなかったと述べている。

ロサンゼルス警察によると、11月27日の時点で、殺人事件は2020年の同時期に比べて12.1％増加、加重暴行は7.8％、強盗は3.9％上昇している。