『フランス国際ラジオ局（RFI）』によると、ロシアと欧州をバルチック海経由で結ぶ天然ガスパイプライン、ノルド・ストリーム１は9月3日土曜日時点で運転を再開していない。パイプライン・オペレーター会社のガス・プロム社の9月2日金曜日における発表によると、ガス圧縮機のタービン部分からの漏れが原因しているという。

EUとしては、ロシアによるウクライナ侵攻以降のロシアに対する経済制裁のため、ロシア産の天然ガスに代わる代替えガス使用を計画しており、特にドイツは10年前に中断したフランスからピレネー山脈経由のパイプライン計画の復活を希望している。「ミッドカット」計画と呼ばれ、南フランスとスペイン北東部のカタロニア地域を結ぶ天然ガスパイプライン(全長190km)建設計画で、2013年に検討されたが、その後、中断されていた。...

EUとしては、ロシアによるウクライナ侵攻以降のロシアに対する経済制裁のため、ロシア産の天然ガスに代わる代替えガス使用を計画しており、特にドイツは10年前に中断したフランスからピレネー山脈経由のパイプライン計画の復活を希望している。「ミッドカット」計画と呼ばれ、南フランスとスペイン北東部のカタロニア地域を結ぶ天然ガスパイプライン(全長190km)建設計画で、2013年に検討されたが、その後、中断されていた。

しかし、フランスの経済相ブルーノ・ル・メールの9月3日土曜日の言によると、フランスはこの計画に懐疑的だという。このパイプラインはアルジェリアからの天然ガスや、カタール、ナイジェリア、米国から輸入したLNGをカタロニアのホスタルリックLNG基地に集め、ガス化した天然ガスをEU各国に送ることを目的としている。

このパイプライン計画はフランスとスペインの間で検討され、3年前に環境保護の面で問題があり、建設コストが膨大になることと、経済発展効果が乏しいとの理由で一旦中止になり、欧州委員会でも中止を了承した。

しかし、ドイツのショルツ首相はこのミッドカット計画の復活をたびたび話題に挙げている。8月30日にスペインのサンチェス首相を訪問した際も共同記者会見でサンチェス首相もこのパイプライン計画を支持することを表明している。

一方、フランスはこのパイプライン計画に反対で、欧州北東部のドイツにLNG受け入れ基地を建設する方がパイプラインを作るより建設期間が短く、コスト安になると主張している。今後、ドイツ、スペインのミッドカットパイプライン案か、フランスの主張するドイツの新LNGターミナル建設案か、どちらが採用されるか興味を持って見守りたい。