10月15日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「習近平国家主席の2期目が確実なことから、中国内部ではプーチン大統領のように長期政権を敷くのではと疑問視」
10月18日に開幕する中国共産党第十九次代表大会(十九大)において、習近平指導体制の2期目(~2022年)が決定されることは間違いない。何故なら、経済発展、軍最新鋭化、宇宙開発競争での成功、高速度鉄道建設・輸出攻勢等々、習国家主席の指導の下での成果だと大きく宣伝されているからである。...
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10月15日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「習近平国家主席の2期目が確実なことから、中国内部ではプーチン大統領のように長期政権を敷くのではと疑問視」
10月18日に開幕する中国共産党第十九次代表大会(十九大)において、習近平指導体制の2期目(~2022年)が決定されることは間違いない。何故なら、経済発展、軍最新鋭化、宇宙開発競争での成功、高速度鉄道建設・輸出攻勢等々、習国家主席の指導の下での成果だと大きく宣伝されているからである。
そこで、中国研究の専門家の間では、習氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領のように独裁体制を敷くことになるのかという声が上がっている。すなわち、プーチン大統領は、1期目(2000~2008年)を終えて、傀儡政権のドミトリィ・メドベーチェフ大統領(2008~2012年)に大統領職を引き継いで、院政を敷いている。更に、同氏に引き継ぐ直前、憲法を改正して大統領の任期を4年2期から最大6年2期に延長せしめている。これによって、プーチン大統領は、2期目(2012~2018年)の後に3期目(2018~2024年)まで政権を担う可能性がある。
しかし、中国においては、建国の祖であり初代国家主席であった毛沢東(マオ・ツォートン)が、1958~1962年の大躍進政策の下で大量餓死者(編注;2,000万~5,000万人と推測)を出したり、その後に発動した文化大革命に伴い紅衛兵による大殺戮(編注;数百~数千万人と推測)を引き起こしてしまっている。
従って、1980年代に指導体制を確立した鄧小平(ドン・シャオピン)が、幹部の定年制や指導体制の期限を定めて以降、一人の指導者が長期にわたり権力を掌握することは良くないこととされてきている。
更に、プーチン長期政権下のロシアでは、長期にわたる不景気に陥っているという事態についても取沙汰されている。
同日付フランス
『AFP通信』:「習国家主席、中国共産党の指導体制を更に強化」
習国家主席(64歳)が、十九大において2期目を担うことになるのは疑いのないことである。そして更に、彼の下での指導体制を盤石とし、2022年以降も君臨する可能性についても言及されてきている。
中国政治専門家の間では、十九大において、毛沢東思想、鄧小平理論と同様、習近平思想といった、個人名を掲げた行動指針が党規約に明記される可能性が出ているからとしている。
更に、習氏が就任以来最優先に取り組んできた、反腐敗政策の断行の下、習氏の後任かと取り沙汰された政治局幹部はもとより、軍のかつてのトップまでもが失脚させられているからである。
そこで、現在注目されているのは、中国中央政治局常務委員会(最高意思決定機関、7人体制、5人が定年退官の見込み)に習氏腹心の部下が何人昇格するかという点である。これによって、習氏の長期政権、あるいは国家主席の肩書は腹心に譲った上での院政が敷かれる可能性もあるからである。
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