10月13日付Globali「お騒がせドゥテルテ大統領、今度はEU政治家らと麻薬撲滅運動のあり方で衝突」で言及したとおり、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、自身が最優先課題として取り組んでいる麻薬撲滅運動に批判的な国に対しては、たとえ長い間同盟関係にある米国にも反抗的な対応を見せている。しかし、災害救助やイスラム過激派征伐のためには、形振り構わず、同盟国の米豪に協力を求めているようである。
10月15日付「ABCニュース」(
『AP通信』配信):「豪比両軍、連携強化の一環で海上訓練実施」
豪比両軍は10月15日、マニラ北西部のスービック湾で、台風等の自然災害で道路・橋・港湾施設が大きな被害を受けた場合を想定して、合同訓練を実施した。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は就任以来、同盟国である米国の安全保障政策等に反発しているが、米国の同盟国同士である豪州との連携強化の一環で、かかる訓練を実行したもの。...
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10月15日付「ABCニュース」(
『AP通信』配信):「豪比両軍、連携強化の一環で海上訓練実施」
豪比両軍は10月15日、マニラ北西部のスービック湾で、台風等の自然災害で道路・橋・港湾施設が大きな被害を受けた場合を想定して、合同訓練を実施した。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は就任以来、同盟国である米国の安全保障政策等に反発しているが、米国の同盟国同士である豪州との連携強化の一環で、かかる訓練を実行したもの。
豪州国防軍のダニエル・ターナー中佐は、豪州海軍フリゲート艦“アデレード”に乗船した豪比両軍兵士100人余りが、ヘリコプターや上陸用舟艇を駆使して、スービック湾内の基地(元米海軍基地)に乗り付ける訓練を実施したと発表した。
豪州は2007年、フィリピン軍兵士等を訓練することを認める協定を締結している。フィリピンにとって、かかる地位協定を結んでいるのは、米国の他は豪州のみである。
なお、米豪両国は、マラウィ市(ミンダナオ島北西部)で包囲攻撃を仕掛けてくるイスラム過激派と戦闘を交えているフィリピン軍を支援するため、偵察機を配備している。
一方、今回豪比両軍が海上訓練を実施したスービック湾は、中国との領有権問題を抱える南シナ海に面している。豪州は、この件に関して中立の立場を取っているが、“アデレード”のジョナサン・アーリー艦長は、同海域の安定と国際法の遵守のためには積極的に関わることが豪州政府の方針であると語った。
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