既報どおり、今月初め、ドイツの中道左派で第2党の社会民主党(SPD)の党員投票の結果、中道右派で最大政党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立政権が継続されることが決定され、アンゲラ・メルケル首相の第4期目がスタートすることになった。同首相は、早速、対欧州戦略で揺れるウラジーミル・プーチン大統領から祝電を受領している。しかし、同首相の最大の関心事は、英国なき後の欧州連合(EU)の立て直しで、就任早々訪仏してエマニュエル・マクロン大統領と協議する意向である。
3月14日付米
『CNNニュース』:「アンゲラ・メルケル首相の第4期政権発足」
ドイツ連邦議会は3月14日、709名の議員のうちの364票を得たアンゲラ・メルケル氏(63歳、CDU党首)を首相に選出した。
これで約6ヵ月続いた政治空白が埋められるが、CDU・SPDの中道右派と左派の連立政権となること、また、両党所属の35議員がメルケル氏に投票しなかったことから、メルケル首相の第4次政権は厳しい船出となるとみられる。...
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3月14日付米
『CNNニュース』:「アンゲラ・メルケル首相の第4期政権発足」
ドイツ連邦議会は3月14日、709名の議員のうちの364票を得たアンゲラ・メルケル氏(63歳、CDU党首)を首相に選出した。
これで約6ヵ月続いた政治空白が埋められるが、CDU・SPDの中道右派と左派の連立政権となること、また、両党所属の35議員がメルケル氏に投票しなかったことから、メルケル首相の第4次政権は厳しい船出となるとみられる。
なお、上記連立政権発足に伴い、反難民を掲げる新興右翼政党で、昨年の総選挙で得票率第3位(12.6%)の「ドイツのための選択肢(AfD)」が野党第1党となることからも、同首相の議会運営は容易ではないと言える。
同日付ロシア『イタル・タス通信』:「プーチン大統領、メルケル首相の再選に祝電」
ロシア大統領府は3月14日、ウラジーミル・プーチン大統領(65歳)がメルケル首相宛に、再選を祝うメッセージを送ったと発表した。
同大統領は、ロシア・ドイツの連携を強化し、世界レベルでの貢献に資するよう望むと付言したという。
3月13日付中国『環球時報』(『新華社通信』配信):「メルケル首相、独仏両国にてEUを牽引していくと発言」
メルケル首相は3月12日、今週の第4次内閣発足後、可及的速やかに訪仏して、独仏両国が協力してEUを牽引していくべく協議したいと語った。
EUは目下、ユーロ圏の金融政策、EU圏防衛及び難民受け入れ政策等の課題を抱えている。
同首相としては、昨年9月にEU構造改革案をぶち上げたフランスのエマニュエル・マクロン大統領(40歳)との連携が必須と考えており、オラフ・ショルツ副首相兼財務相(59歳、SPD党首代行)を伴ってフランス側と協議に臨む意向である。
なお、今回大連立を組むCDU・CSU・SPD間合意書には、EU内活動について独仏両国連携の方針が記載されている。
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