【Globali】
投資先としてのフランスの魅力が大きく回復(2018/06/12)
6月11日、アーンスト・アンド・ヤング(EY)が、投資先としての欧州魅力度調査結果を発表した。本調査で、投資先としてフランスが10数年ぶりに欧州での先頭集団に戻ってきたことが分かった。2016年から2017年の投資伸び率は、歴史的競争相手である英国とドイツのそれぞれ6%に対し、フランスは31%だった。外国人投資家により1019件の投資プロジェクトが発表されており、英国(1209件)とドイツ(1124件)に次ぐ数字となっている。
500人のビジネスリーダーに調査したところ、初めてパリがロンドンよりも投資先として魅力的だという評価結果が出た。2位のロンドンにベルリンとフランクフルトが続いている。とりわけ、回答者の55%(昨年は27%)が、この魅力が今後3年間でさらに向上すると回答した。
これには英国の欧州離脱の影響が顕著に表れていると言える。特に金融活動と総括拠点の誘致において、ドイツとフランスが英国に追いついてきている。...
全部読む
500人のビジネスリーダーに調査したところ、初めてパリがロンドンよりも投資先として魅力的だという評価結果が出た。2位のロンドンにベルリンとフランクフルトが続いている。とりわけ、回答者の55%(昨年は27%)が、この魅力が今後3年間でさらに向上すると回答した。
これには英国の欧州離脱の影響が顕著に表れていると言える。特に金融活動と総括拠点の誘致において、ドイツとフランスが英国に追いついてきている。総括拠点など意思決定機関の誘致は2017年には43%増となり、英国に次いで欧州2位となった。R&Dセンターの設立は53%の伸び率となり、欧州で一位となったものの、人工知能や健康の分野では競争が非常に激しい。
オランド元大統領の下で採択されたCICE(競争力強化・雇用促進税額控除)や、企業寄りの視点を持ち、グローバリゼーション化を唱え、改革を推し進める現マクロン大統領の政策が投資家達から歓迎されており、投資先国としてフランスの魅力向上につながっている。フランスに進出している投資企業のうち81%が、自身が行った対仏投資に満足していると回答している。
唯一の影は、外国からの投資は、フランスで25,126の雇用を創出したものの、平均して1投資あたり32の雇用しか創出していないこと。 これは、英国(1投資あたり50人の雇用)やポーランド(139人の雇用)よりはるかに少ない。
対仏投資の回復が確認できたものの、フランス貿易投資庁は、企業に対する課税がまだ高すぎるため、改善していく努力が必要があるとコメントしている。
閉じる
その他の最新記事