既報どおり、トランプ氏批判を同僚とメール交信した米連邦捜査局(FBI)捜査官が、司法省監察官の取り調べを受けている。そして、同捜査官が下院公聴会での審問を終えた日、トランプ大統領は同捜査官を“全くの恥さらし者”と酷評している。しかし、同大統領から罷免されたコウミー長官の後任として、同大統領から指名され就任したレイ長官が、同大統領の度重なるFBI批判について、真っ向から刃向う姿勢を見せないことから、FBI職員の同局トップへの忠誠心が大いに後退しているとみられる。
7月15日付
『CNNニュース』:「FBI職員、意識調査の結果で同局トップへの忠誠心が後退していることが判明」
FBIが今年2~3月にかけて実施した直近の“職員意識調査”によると、FBI職員の同局トップへの忠誠心はこの1年で後退している結果となっている。
同調査結果は、米連邦情報公開法(FOIA、1996年制定)によって明らかにされたものだが、それによると、FBI現局長のクリストファー・レイ氏の示す“方針、将来展望”について、それを支持する同局職員数が目に見えて減っているという。...
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7月15日付
『CNNニュース』:「FBI職員、意識調査の結果で同局トップへの忠誠心が後退していることが判明」
FBIが今年2~3月にかけて実施した直近の“職員意識調査”によると、FBI職員の同局トップへの忠誠心はこの1年で後退している結果となっている。
同調査結果は、米連邦情報公開法(FOIA、1996年制定)によって明らかにされたものだが、それによると、FBI現局長のクリストファー・レイ氏の示す“方針、将来展望”について、それを支持する同局職員数が目に見えて減っているという。
レイ長官は昨年5月、それまで長官だったジェームズ・コウミー氏が罷免された後を継いだ。
トランプ大統領は、大統領選に当選後まもなくから現在に至るまで、事ある毎にFBIを非難してきた。
そして先週も同大統領は、ヒラリー・クリントン氏の国務長官時代のメール問題と、大統領選へのロシア介入疑惑の捜査に関わっていたFBIのピーター・スツォク捜査官のことを、“全くの恥さらし者”だと酷評した。
同捜査官は当日、FBI同僚とトランプ氏批判のメール交信をしていた問題で、上記二つの捜査に影響がなかったのかどうか、下院公聴会で10時間にもわたって審問されていた。
同捜査官は、同捜結果と私的メール交信は全く関係ない(捜査結果に影響を及ぼしていない)と証言している。
ただ、レイ長官は、就任に当っての昨年5月の下院情報委員会の諮問で、FBIを擁護する発言はしたものの、トランプ大統領のあからさまなFBI批判や同職員への誹謗中傷に対して、明確に反論しようとしていない。
この事情もあってか、冒頭のようなFBI職員の同局トップへの忠誠心の後退が如実に表れているものとみられる。
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