欧州北部で長期化している未曽有の熱波と長引く干ばつで、ドイツで農業が最初の犠牲者となっている。作物の収穫量が減少しており、多くの農民が、生きていくための緊急状態に直面している。そこで、ドイツ農民連盟(DBV)は政府に緊急の支援を求めた。
トウモロコシは普段であれば、2メートルもの高さに成長するところ、人の背丈にも満たないまま成長が止まってしまっている。春に植えられたジャガイモも、成長せず、収穫が出来ない状態になっている。
ドイツ農民連盟によると、干ばつによって穀物収穫量が20%近く減少すると予測されている。干ばつがより激しいドイツの北部や西部では70%まで収穫量落ちると予測されている。穀物だけで、農家全体の被害額は14億ユーロ(1800億円)となる見通しだ。...
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トウモロコシは普段であれば、2メートルもの高さに成長するところ、人の背丈にも満たないまま成長が止まってしまっている。春に植えられたジャガイモも、成長せず、収穫が出来ない状態になっている。
ドイツ農民連盟によると、干ばつによって穀物収穫量が20%近く減少すると予測されている。干ばつがより激しいドイツの北部や西部では70%まで収穫量落ちると予測されている。穀物だけで、農家全体の被害額は14億ユーロ(1800億円)となる見通しだ。
穀物の不作は、家畜飼料にも影響を及ぼしている。通常であれば11月ごろまで緑が残る牧草地が、現在すでに完全に乾燥してしまっている。ハンブルグとベルリンの中間地点に位置するある農家では、冬に必要な飼料の半分しか収穫できていないと頭を抱えている。
農家たちは、家畜用飼料を追加で購入するか、家畜を処分するしかない。
しかし、熱波は不幸だけを招いているわけではない。ぶどう栽培家は、今年は豊作を喜んでいる。8月中旬から予定されていた収穫が既に始まっている。
ドイツ農民連盟は、10億ユーロの補償を求めているが、政府は8月末に収穫量の数字が出るまでは決定を保留する考えである。
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