米国化学学会で発表された論文によると、使い捨てコンタクトレンズの約20%が正しく処理されず水道に流され、規模は小さいが積もり積もれば他の漂流物同様、河川のマイクロプラスチック汚染の原因となりかねないのだという。一部メーカーはリサイクル活動を始めている他、正しい処理の仕方を明記する事が求められている。
8月19日付米国
『USAトゥデイ』は「コンタクトレンズを水道に流すと海のプラスチック汚染を増やす」との見出しで以下のように報道している。
使用済みコンタクトレンズが海や湖の汚染の原因となっている。日曜アリゾナ州立大学研究チームにより発表された論文によると、米国内で推定4500万人が使用しているこの透明なレンズが、ごみやリサイクルされず、しばしば下水に流れ込み、ストローやレジ袋などよりは危険が少ないが、小さくても積み重なれば、川や湖を汚染し海に流されかねないのだ。...
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8月19日付米国
『USAトゥデイ』は「コンタクトレンズを水道に流すと海のプラスチック汚染を増やす」との見出しで以下のように報道している。
使用済みコンタクトレンズが海や湖の汚染の原因となっている。日曜アリゾナ州立大学研究チームにより発表された論文によると、米国内で推定4500万人が使用しているこの透明なレンズが、ごみやリサイクルされず、しばしば下水に流れ込み、ストローやレジ袋などよりは危険が少ないが、小さくても積み重なれば、川や湖を汚染し海に流されかねないのだ。
コンタクトレンズ使用者の20%ほどはごみに捨てずシンクやトイレに捨ててしまうのだという。レンズは耐久性のあるプラスチックでできているため、微生物により完全には分解しない。下水処理施設を調査すると、より小さく砕かれた状態だったが、魚や鳥、動物が呑み込めてしまう。米国で一日に約14億枚のレンズが使用され、5万ポンド分が水道に流され処理施設に送られると見られている。
ボシュロム(Bausch & Lomb)のみが、リサイクル計画を推進しており、2016年から使用済製品の回収をはじめ、2500万人の使用者のごみは7トンに上った(眼科医院に持ち込んだり、同社リサイクルセンターへ郵送可能)。ジョンソンアンドジョンソンは、年間5億枚を生産する包装用紙をへらし、リサイクルに取り組んでいるが、レンズ回収は行っていないという。
問題回避のためレンズの使用を禁止するのは適当でない。より長期間使用できるものに置き換えるのが早急な対策ではあるが、使用者に処理方法を適切に伝える事も大切である。レンズだけでなく、プラスチックとアルミで出来ているパッケージ対策も同様に重要だ。
同日付米国『ニューヨークタイムズ』は「コンタクトレンズを流す前に知っておくべきこと」との見出しで以下のように報道している。
使い捨てコンタクトレンズをトイレやシンクに流すことが、マイクロプラスチック汚染問題につながるとの調査が米国化学学会で発表された。全米で4500万人が使用するコンタクトレンズだが、多くは使い捨てレンズを使用している。
流されたレンズが水処理場に送られると、容易に生物分解せず、小さく砕かれるだけで水に流れ込む。環境へ悪影響を与え、マイクロプラスチック汚染を加速する危険があるという。
コンタクトレンズの包装には処分の仕方が示されていない。処理方法のラベルを貼るなどの対策が求められる。メーカーの中には、リサイクル計画を始めたところもある。プラスチック問題の中では小さな規模だが、対策として日々減らすことができる問題である。
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