海上自衛隊は9月11日、ハワイ沖で実施されたイージス護衛艦装備の大気圏外迎撃ミサイルによる弾道ミサイル迎撃テストを成功させた。これにより、日本の保有するイージス艦6隻中5隻が弾道ミサイル防衛(BMD)の対応艦となる。この成果に、防衛省はもとより、同テストに共同で当った米海軍も満足していて、日本のみならず、グアム基地やハワイ基地等、北朝鮮からの弾道ミサイルの射程内と言われていた地域防衛に、より安心感を与えることになる。そして、BMDの主要装備の米軍需製品メーカー(レーダーシステム製造のロッキード・マーチン及び迎撃ミサイル製造のレイセオン)も、米国防総省はもとより、米同盟国からの大規模追加受注が期待できると大喜びである。
9月15日付
『Foxニュース』:「日本の弾道ミサイル迎撃テスト成功に喜んだのは誰?」
海上自衛隊は9月11日、米ミサイル防衛局(2002年設立の国防総省傘下の一部門)と共同で行った、イージス護衛艦“あたご”装備の大気圏外迎撃ミサイルSM-3ブロック1Bによる弾道ミサイル迎撃テストを成功させた。
米海軍の協力で実施された同テストはハワイ沖で行われ、ロッキード・マーチン(注1後記)製のイージス迎撃システム(高性能レーダー)が標的となる弾道ミサイルを捕捉し、レイセオン(注2後記)製のSM-3迎撃ミサイルによって太平洋上で撃ち落とした。...
全部読む
9月15日付
『Foxニュース』:「日本の弾道ミサイル迎撃テスト成功に喜んだのは誰?」
海上自衛隊は9月11日、米ミサイル防衛局(2002年設立の国防総省傘下の一部門)と共同で行った、イージス護衛艦“あたご”装備の大気圏外迎撃ミサイルSM-3ブロック1Bによる弾道ミサイル迎撃テストを成功させた。
米海軍の協力で実施された同テストはハワイ沖で行われ、ロッキード・マーチン(注1後記)製のイージス迎撃システム(高性能レーダー)が標的となる弾道ミサイルを捕捉し、レイセオン(注2後記)製のSM-3迎撃ミサイルによって太平洋上で撃ち落とした。
米ミサイル防衛局長のサム・グリーブス中将は、日本の護衛艦のイージスBMD新型システムの性能を証明することができたと絶賛した。
また、同システム軍需メーカーのロッキード・マーチン及びレイセオンにとっても、将来の追加需要に繋がるものとして称賛している。
例えば、この成果を契機に、国防総省が今後5年間で計画している、500億ドル(約5兆5千億円)相当のミサイル防衛システム増強に関し、両社宛ての発注が高まる可能性があるからである。
また、米海軍が国防総省や米同盟国に求めている、陸上イージス(陸上に据えたミサイル防衛システム)の導入計画にも追い風となろう。
そして、日本は今年7月、20億ドル(約2,200億円)以上もする高価な陸上イージス2基を導入する方向で検討している。
なお、今回の迎撃テスト成功に伴い、北朝鮮他から発射される弾道ミサイルの射程距離範囲内の国々の為政者・軍関係者及び住民こそ、今後暫く安心して眠れるとして喜んでいるものとみられる。
(注1)ロッキード・マーチン:1995年、ロッキードとマーチン・マリエッタが合併して生まれた、航空機・宇宙船等の開発製造企業。軍需部門の売上高は世界1位。本社はワシントン特別区北西部のべセスダ(メリーランド州)。
(注2)レイセオン:1925年設立の軍需製品メーカー。ミサイル売上高は世界1位。本社はボストン北西部のウォルサム(マサチューセッツ州)。
閉じる