「Journal of family medicine and primary care」(家族医学と初期医療ジャーナル)に掲載された研究によれば、2011年10月から2017年にかけて259人が、自撮りが原因で死亡したという。これは毎年平均43人の死亡者数に相当する。この数字は、インドの医療研究団体が、「自撮りによる死」または「自撮りによる事故」というキーワードで世界の英文メディアを分析して算出した。
同団体が調査を進めて分かったことは、次のとおりである。
・犠牲者の平均年齢は22.94歳で、自撮りによる死亡のリスクは30歳以降大幅に下がる。
・自撮りが原因の死亡事故は、その半数がインドで起こっている。同団体はその理由として、30歳未満の人口が世界一多いことや、団体での自撮りが他国より流行していることを挙げている。続いてロシア、米国、パキスタンで発生している。
・男性は女性よりも危険を冒す傾向があり、犠牲者の4分の3を占める。...
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同団体が調査を進めて分かったことは、次のとおりである。
・犠牲者の平均年齢は22.94歳で、自撮りによる死亡のリスクは30歳以降大幅に下がる。
・自撮りが原因の死亡事故は、その半数がインドで起こっている。同団体はその理由として、30歳未満の人口が世界一多いことや、団体での自撮りが他国より流行していることを挙げている。続いてロシア、米国、パキスタンで発生している。
・男性は女性よりも危険を冒す傾向があり、犠牲者の4分の3を占める。
・死亡原因は、主に溺死、次に交通事故、そして転落となっている。
また、インドの研究者らは、自撮り犠牲者の数が近年大きく増加したと警告している。2011年の3人から始まり、2013年に2人、2014年に13人、2015年に50人、2016年に98人、2017年に93人、と急激に増加した。各国での携帯やSNS、自撮り棒の普及、自撮りコンテストの開催などが後押ししたとされている。
なお、 2017年後半に発表された、精神衛生と嗜癖に関する専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・メンタルヘルス・アンド・アディクション(International Journal of Mental Health and Addiction)」に発表された結果によると、「自撮り依存症」には三つのレベルがあるという。
まず1日に少なくとも3回は自撮り撮影するが、SNSには投稿しない「境界線段階」。自撮り撮影をして実際に3回は投稿してしまう「急性疾患期」、そして一日中自分の写真を撮りたいという衝動に駆られ、一日に6回以上投稿する「慢性疾患期」だ。
同団体によると、合計259人という数字は氷山の一角でしか過ぎないという。
英文メディアのみを情報源としていることや、自撮りによる事故を単なる交通事故やその他事故として報道されている可能性があるためだ。医療研究団体は、「自撮り撮影そのものは危険ではないが、自撮りに伴う人間の行動が危険なのです。危険な撮影行為や撮影が危険な場所について、人々は、教育を受けなければなりません。水辺や山頂、高層ビルなど多くの観光場所で自撮り撮影禁止の場所が設け、自撮り撮影による死亡事故を減らす必要があります」と訴えている。
なお、比較として、自撮りによる死亡者数が年間約40人に対し、サメの攻撃による死亡者数は毎年約6人である。
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