移民隊の内、最初の一団の数百名が17日夜遅く、グアテマラのメキシコ国境の町テクンウマンに到着したが、現地の保護施設には入り切れず、多くの人が街の広場や通りで一夜を明かした。...

移民隊の内、最初の一団の数百名が17日夜遅く、グアテマラのメキシコ国境の町テクンウマンに到着したが、現地の保護施設には入り切れず、多くの人が街の広場や通りで一夜を明かした。着替えや金を殆ど待たない人が多く、腕に小さな子供を抱えた人もいる。

メキシコ当局は、ホンジュラスからの移民は集団では同国に入国できず、各自が旅券と査証を提示すべきであり、査証のない者は誰でも拘束するとしている。個別に難民資格を申請する手もあるが、申請の手続には最長90日を要する。

移民らは後続隊の到着を待つ予定だ。大挙して当局を圧倒し、国境を渡ることを計画している。15日にホンジュラスから国境を越えてグアテマラに入国した際、同じ方法で約100人の警官隊の制止を振り切った。しかし今回、普段は水深の浅い国境のスチアテ川が雨で増水しており、子供連れの移民には特に渡りにくくなっているという。

トランプ米大統領は、ツイッターへの連続投稿で、移民を阻止できなければ中米への支援を打ち切り、移民の「猛攻」に対応するため、米・メキシコ国境に軍を動員し、国境を封鎖することも辞さないと警告した。トランプ大統領は、移民の原因は民主党にあると非難し、移民の一団には「大勢の犯罪者が含まれている。」と強調した。また、最近メキシコと合意した北米自由貿易協定（NAFTA）再交渉後の新協定「米国・メキシコ・カナダ協定（USMCA）」を危機に追いやる可能性までちらつかせている。

そうした中、ポンペオ米国務長官は、パナマ、メキシコの2カ国を歴訪中である。18～19日に両国首脳らと、ベネズエラやニカラグアなどで見られる民主主義の危機などについて会談するが、移民問題も議題に上ると思われる。メキシコでは12月にロペス・オブラドール次期大統領が就任するため、今後の両国関係にとって重要な訪問とされている。