11月4日付米
『ロイター通信』:「スリランカの解任された首相が、同国政治内紛を理由に日本及び米国が支援金拠出を保留していると訴え」
スリランカの大統領より突如解任宣告を受けたラニル・ウィクラマシンハ首相(69歳、統一国民党々首)は11月4日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、同国政治内紛によって将来の同国民主主義の趨勢が不確かであることを理由に、米国が、同国の高速道路や土地管理システム構築用の5億ドル(約565億円)の支援金拠出を保留していると明かした。...
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11月4日付米
『ロイター通信』:「スリランカの解任された首相が、同国政治内紛を理由に日本及び米国が支援金拠出を保留していると訴え」
スリランカの大統領より突如解任宣告を受けたラニル・ウィクラマシンハ首相(69歳、統一国民党々首)は11月4日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、同国政治内紛によって将来の同国民主主義の趨勢が不確かであることを理由に、米国が、同国の高速道路や土地管理システム構築用の5億ドル(約565億円)の支援金拠出を保留していると明かした。
同氏によれば、日本側も、軽量軌道鉄道建設のための14億ドル(約1,580億円)の長期低利資金拠出を保留しているという。
更に同氏は、欧州連合(EU)から、もしスリランカが国民融和方針(民主主義)を続けることを確約しなければ、今後同国産品の無関税輸出取引を取り止めると言われており、このままでは同国経済が危機に瀕すると訴えた。
同氏は10月下旬、マイトリーパーラ・シリセーナ大統領(67歳、スリランカ自由党々首)から突然首相職を解任するとの宣告を受けた。
しかし同氏は、2015年の同国憲法改正によって、大統領による首相解任権は喪失し、議会に委ねられることになったことから、自身は依然首相職にあると主張し、司法に訴えている。
一方、同大統領は、この首相解任事態によって政治的混乱を来さないよう、自身前任のマヒンダ・ラージャパクサ元大統領(73歳、スリランカ自由党)を新首相に任命している。
一方、11月5日付インド『DDニュース』:「スリランカ国会議長、大半の議員が主張する、大統領による首相解任は違法だとの意見に賛同と表明」
スリランカ国会のカル・ジャヤスーリヤ議長は11月5日、シリセーナ大統領によるウィクラマシンハ首相の解任宣告は憲法違反であると大半の議員が主張しているが、これを支持すると表明した。
更に同議長は、国会議員による投票の結果、過半数がラージャパクサ氏を含めた新内閣を支持することとならない限り、同内閣を認めないとした上で、従って、ラージャパクサ氏が首相職に就くことも認められないとも付言した。
なお、同議長のコメントは、シリセーナ大統領が11月14日に国会を召集すると宣告したことに対して行われた。
一方、ウィクラマシンハ氏はこれまで何度も、可及的速やかなる国会召集を求めていた。
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